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世界三大投資家のひとり、ジョージ・ソロスに学ぶ「間違った市場」との向き合い方

2023/09/16 19:00
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「アメリカ経済のリセッション(景気後退局面)は必ずくる」といわれながらも、いまだ明確な動きはない。むしろ、NVIDIA(エヌビディア)に代表されるハイテク銘柄のグロース株の成長が著しく、「このままアメリカ経済は上昇相場に入るのか?」という声もあるほどだ。そんな声に異を唱えるのは、YouTubeチャンネル「ロジャーパパ米国株投資」を運営する投資系YouTuberのロジャーパパさん。「ジョージ・ソロスの言葉でたとえれば、現在は間違った市場であり、リセッションがないと考えるのは早計です」と語る。現在のアメリカ市場について解説をお願いした。

「世界三大投資家」といえば、誰のこと?

突然ですが、「世界三大投資家」といえば、誰を指すかみなさんはご存じですか?

まず名前が上がるのは、“投資の神様”ことウォーレン・バフェットでしょう。世界最大の投資会社、バークシャー・ハサウェイのCEO兼会長で、なんと現在(2023年7月時点)92歳でバリバリ現役の投資家です。

長期投資を基本スタンスに成長性ある企業を見抜く彼の投資実績は、1964年〜2018年の54年間で約1万900倍にもなります。最近では日本の商社に投資をしていることがメディアでも伝えられましたね。

続いて、ロジャーズ・ホールディングス会長であるジム・ロジャーズは、株式投資から商品先物取引まで幅広く手がけ、高い投資実績はさることながら、世界経済を俯瞰して見るスケールの大きさが特徴です。これは、彼が大学で経営学や経済学ではなく歴史学を専攻し、大学院で哲学・政治・経済と教養を深めていったことが活きているとされています。

また、商品先物指数として世界中で利用される「RICI(ロジャーズ国債商品指数)」の発案者としても知られます。

そして最後が、この記事でお話するジョージ・ソロスです。ソロスといえば、「イングランド銀行を潰した男」として知られています。イングランド銀行はイギリスの中央銀行のことで、実際に潰したわけではないのですが、個人の投資家が経済大国の中央銀行と真っ向勝負をして勝利した歴史的事件として知られています。

少し長くなりますが、説明しましょう。まだ、EUの統一通貨「ユーロ」が導入される以前の1990年台前半、ヨーロッパ経済は東西が統一されたドイツ一強の状態で、イギリスの景気は後退、失業率も高い状態にありました。イギリスの景気改善には金利の引き下げや、ポンド相場の切り下げによって経済を活性化する必要があるのに、それができずにいました。原因は、ユーロ導入に向けた欧州為替相場メカニズム(ERM)への加盟です。

ERMではヨーロッパの為替相場は協調路線のため、中央銀行の金利や為替相場を一国が勝手に動かすことはできません。この状況をイギリス経済の危機と考えていたソロスは、ポンド相場を引き下げるため、自分のファンドを通じて100億ドル相当のポンドの空売りを実行。

イングランド銀行はこれに対抗して巨額のポンド買いをするものの、資金が足らずにポンドの価格は急落。結果として、ソロスの目論見どおりにイギリスはERMからの撤退を余儀なくされ、さらにソロスは約10億ドルの利益も獲得する大勝利となりました。このことで「イングランド銀行を潰した男」と讃えられ、世界最高の投資家のひとりに数えられるようになったわけです。

確固たる投資の視点とスタンスが、偉人を偉人たらしめる

ソロスに限らず「三大投資家」全員にいえることですが、大きな成功を収めた投資家である一方、実は失敗も多いのです。

ソロスの場合も、1987年の世界的株価大暴落「ブラックマンデー」では大損失を出していたとされますし、1990年代〜2000年頃までのITバブルもあまりうまくいかず、空売りを仕掛けて損しています。2017年にトランプ政権が樹立したときも、株価は大きく上がったのですが、ソロスは下がると思って空売りを仕掛けていました。

そんなふうにして、「世界三大投資家」と称される人たちでも、投資というのは「失敗するもの」だということです。それでも波瀾万丈があるなかで、彼らは勝率が高くトータルで勝っているから偉大なのです。では、なぜソロスは勝てるのかを、この格言から考えてみましょう。

「私が人より優れている点は、間違いを認められること。それが私の成功の秘密です」
——ジョージ・ソロス

この格言は部分的で、全体は「市場参加者の価値判断は常に偏っており、支配的なバイアスは価格に影響を与える。私が人より優れている点は、間違いを認められること。それが私の成功の秘密です」と語っています。

これはつまり、「市場は誤った動きをすることがある」ということです。みなさんも経済や株式投資を勉強していくと、さまざまなセオリーを学ぶと思います。

先にイギリスの不景気について、「金利を下げる必要があった」といいましたが、「景気が悪いとき中央銀行は金利を下げ、景気がよければ金利を上げる」というのも、マクロ経済におけるひとつのセオリーです。景気が過熱して株価が上がり過ぎるとき、金利を上げて企業の資金調達を困難にし、財務状況を悪化させます。いわば、経済に冷や水をぶっかけて抑制することで、インフレの発生を防止するのです。

たとえば、いまアメリカでは、インフレを抑制するためにFRB(アメリカの中央銀行)がどんどん金利を上げ、経済を抑え込もうとしています。しかし、実際にはいまだに株価は下がらず、むしろグロース株は上がり続ける状況です。相場全体は下がる方向に行くはずなのに、投資家たちの「まだ伸びる!」という支配的なバイアスがかかって、セオリーとは異なる事態が起こっているのです。

機関投資家たちは、実際に株価が上がっているとなれば、「セオリーでは、いずれ下がるはず」と思っていても投資で儲けることが仕事なので、この波に乗らざるを得ないのです。そうなると、「正当化」がはじまります。いま株高が起こっているのはなぜなのか?これまでのセオリーが誤りだったのでは?このまま株価は下がらず、アメリカ経済は発展し続けるのではないか?という具合に、現在の状況を正当化し、楽観的な解釈が生まれ、支配的バイアスになっていきやすいのです。

これを、「市場はいま、間違っているのだ」と認識できることが重要です。格言を読むと「自分の間違いを認められるから優れている」と思いがちですが、そうではなく、「市場の間違いを認められること」が強みだとソロスはいっているのです。ソロスはもともと哲学者であり、人間の心理によって市場が左右される行動経済学の観点を持っています。支配的なバイアスにとらわれず、一歩引いた視点で市場や経済を見据えています。こうした視点があればこそ、楽観に飲まれず、冷静に市場の転換点を見定めることができます。

ウォーレン・バフェットもそうですが、優れた投資家は自分の信条や経験、考え方、投資スタンスなどに一本の筋が通り、簡単には流されません。その結果、予想外の事態に損失を被ることもありますが、大筋でその投資スタンスが正しいから、高い実績を生み出しているのです。

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『月5万円の米国株投資で経済的自立を達成する! FIRE最強の教科書』
SBクリエイティブ(2022)
ロジャーパパ 著

【プロフィール】ロジャーパパ
GAFA企業での勤務のかたわら、2017年より本格的に米国株を中心とした株式投資をスタート。身につけた株式投資の知識を活かし、2019年よりYouTubeチャンネル『ロジャーパパの米国株投資』を開設し、2023年3月現在、チャンネル登録者数11.2万人の人気チャンネルに成長。現在は9年勤続したGAFA企業を退職し、2021年11月よりFIREを実現。証券会社等のセミナーに登壇するほか、外資時代の人脈を活かし企業の外部取締役も勤めている。著書に『月5万円の米国株投資で経済的自立を達成する! FIRE最強の教科書』(SBクリエイティブ)がある。

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