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夏休み期間いくら使う?前年比1.2倍にアップするも、“増える理由”に注目

2023/08/13 17:30
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株式会社インテージは、全国の15歳から79歳の男女(2513人)を対象に実施した、夏休みに関する調査結果を公開。2023年の夏休み期間にかける平均予算は6万146円で、同社が行った昨年の調査に比べて約1万円の増加となった。

<ポイント>
・今年の夏休み期間にかける予算は平均6万146円。昨年の5万269円から約1万円アップ、約1.2倍に増加。「予算を昨年より減らす」という回答者の多くが、理由に「物価上昇」をあげた。
・具体的な過ごし方(複数選択)としては「海外旅行(2%)」が前年比2.5倍と大きく伸長した。国内旅行は「宿泊あり(19%)」「日帰り(11%)」とも微増にとどまる。
・海外旅行に関する意識を全員に聴取したところ、過半数が「不安がある」もしくは「やや不安がある」と回答。
・「国内旅行(宿泊あり)」予定者の利用交通機関は、「自家用車(39%)」が前年比で6pt減少。一方「新幹線(19%)」「長距離バス(4%)」の利用予定がそれぞれ増加し、多くの人が一緒に乗り込む公共交通機関利用が回復傾向。
・旅行予定者のうち「新型コロナウイルス再拡大があった場合に中止・変更を検討」という回答者は4割弱。

夏休みにかける予算

今年の夏休み期間(2023年7月16日~9月30日)にかける予算の総額について尋ねたところ、平均金額は6万146円と、昨年から約1万円の増加(前年比120%)となった。予算が増える理由(自由回答)としては「コロナが5類になり心理的制限がなくなった」「3年間旅行を我慢していたので予算を増やした」などがあがった。

一方で「ガソリン代や色々な物価上昇のため(やむを得ず増やす)」といった回答も見受けられ、減る理由として数多くあがった「物価高で旅費を圧縮」「節約のため」とともに、予算が増える人・減る人両方の背景に昨今の物価上昇があることが浮き彫りとなった。

夏休みにかける予算(平均)
夏休みにかける予算(平均)


夏休みシーズンの予定

次に、夏休みをどう過ごすかについて。複数選択で予定を尋ねたところ、最も多いのは「自宅で過ごす(38%)」、次いで「近場に出かける(24%)」となったが、いずれもわずかに減少に転じている。

昨年から大きく増えた項目としては「海外旅行(2%)」。渡航先として多く回答があったのはアジア圏、そのほかアメリカ合衆国やヨーロッパなど遠方渡航者も。「国内旅行(宿泊あり)(19%)」「国内旅行(日帰り)(11%)」もやや増加し、新型コロナウイルスの5類移行を受けて「今年の夏はアクティブに過ごしたい」という層が一定数いることが推察される。

【画像】夏休みシーズンの予定(過ごし方・イベントなど)の調査結果
【画像】夏休みシーズンの予定(過ごし方・イベントなど)の調査結果


海外旅行に関する意識

海外旅行については前年比2.5倍となったものの、コロナ禍前の水準まで戻るかというとやや鈍い印象が否めない。背景には何があるのか。

今回の調査と2023年4月(5類移行前)に実施した調査を比較すると、ほぼ変動がない。いずれも「不安がある」「やや不安がある」はあわせて過半数となり、「不安はない」「あまり不安はない」の合計数を大きく上回ったことから、不安が根強く残っていることがわかる。先に示した自由回答から見て取れる費用の問題とあわせて、海外旅行への抵抗感が依然ぬぐえない側面があることが、海外旅行回復の足取りを重くさせている要因かもしれない。

海外旅行に関する意識
海外旅行に関する意識


国内旅行(宿泊あり)で利用予定の交通機関

続いて、国内旅行(宿泊あり)ではどのような動きがありそうか、利用予定の交通機関を尋ねた。

「自家用車(39%)」は昨年から6.2ptと大きく減少。増えたものとしては「新幹線(19%)」「長距離バス(4%)」など。長距離バスは2倍近い増加率となった。パーソナルな移動手段である自家用車から、避けていた公共交通機関へ移行する流れが見て取れる。

また、飛行機利用に着目すると「JAL・ANA(15%)」は1.4pt減少、一方「LCC(5%)」は1.5ptアップと、増加に転じている。節約志向の高まりや、お金をかける対象を精査する生活者意識が表れた結果と言えそうだ。

国内旅行(宿泊あり)、利用予定の交通機関
国内旅行(宿泊あり)、利用予定の交通機関


コロナ再拡大時、旅行の中止・変更を検討するか

最後に、旅行を予定している人に、新型コロナウイルス再拡大が夏休み期間にあった場合、予定の中止や行き先・日程などの変更を検討するかどうかを尋ねたところ、全体の4割近くの人が「中止・何らかの変更を検討」と回答。この数字を多いと見るか少ないと見るかは難しいところだが、ポストコロナが進むなかでも新型コロナウイルスがいまだ少なくない影響を生活者にもたらしていることがうかがえる。

コロナ再拡大時、旅行の中止・変更を検討するか
コロナ再拡大時、旅行の中止・変更を検討するか


生活者研究センター センター長 田中宏昌さんのコメント

「ようやく夏休みが戻ってきたのかな」とデータを眺めて思いました。振り返れば年末・年始、お花見、さらにはGWと人の動きは堅調に回復に向かっていましたが、この夏休みも「昨年よりも予算を増やして帰省や旅行を!」という気運が高まっているようです。

とはいえ、海外旅行については回復途上とも言える状況で、その理由や背景も調査結果から垣間見られました。国内旅行は、コロナ禍で人気だった自家用車が減り、公共の交通機関へのシフトが確認できますが、一方でLCCや長距離バスの利用意向が増え、物価高による節約志向が映し出されていますね。「移動手段などは節約しつつホテルや旅先での食事やイベントは満喫したい」そうしたメリハリの利いた夏休みになりそうです。

調査結果で特に注目すべきポイントは?

今回の調査について、担当者に話を聞いてみた。

「(今回の調査の狙いは?)インテージは生活者理解を、社として重要なことと捉えています。普段から物価の変動やイベントへの意識調査などを行っていて、広く多くの方に伝えることで普段の生活や経済活動などで使っていただければと考えています。そのようななかで、今回はコロナ5類移行後として初の夏休みを迎え、『過ごし方』や『支出額』など、生活者(消費者)の実態を把握する目的で実施しました」

「(今回の調査結果で特に注目すべきポイントは?)1点目は予算面で、昨年と比較して約1.2倍に増加となった点。特に注目していただきたいのは『増える』理由で、久しぶりの制限のない夏休みを、お財布の紐を緩めつつメリハリをつけて楽しみたいといった声が見られる一方で、『ガソリン代や色々な物価上昇のため』『円安』『宿泊代があがったため』など『予算を増やさざるを得ない』という回答も目立っていました。2点目は旅行予定者数です。国内・海外とも増加。ただし国内は微増、海外旅行は全体の2%に留まった点。ポストコロナが進む状況を考えると、予算、海外旅行者などはもう少しダイナミックな回復を見せてもよさそうなものですが、物価高、給与減、円安、海外旅行への根強い不安が少なからず生活者の行動に影響を与えている状況が垣間見えます」

「(ユーザーへのメッセージは?)インテージでは今後も生活者理解につながる情報を出していきたいと考えています」

<使用したデータ>
インテージのネットリサーチによる自主調査データ
・調査地域:日本全国
・対象者条件:15~79歳の男女
・標本抽出方法:弊社「マイティモニター」より抽出しアンケート配信
・標本サイズ:サンプル数=2513※ウエイトバック集計あり
・調査実施時期:2023年6月26日~6月28日

株式会社インテージ:https://www.intage.co.jp/

インテージのネットリサーチによる自主調査データ:https://www.intage.co.jp/service/research/net/

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