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“祝儀袋の自販機”を出店したら想定外の需要!!ぽち袋が外国人に人気!“お金を包んで贈る”日本文化に触れるきっかけに

2024/04/19 07:00 | 更新 2024/04/24 12:21
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株式会社マルアイが、インバウンド需要を受け外国人でも日本の文化を気軽に楽しめるぽち袋『チップ袋』を2024年4月10日に発売し、注目を浴びている。

マルアイは、山梨県市川大門に本社を構える1888年(明治21年)創業の紙製品・化成品メーカーで、祝儀袋や事務用封筒などの日用紙製品と、食品や精密機器を保護するための産業用包材を製造・販売。なかでも祝儀袋・不祝儀袋は約500種類以上を展開し、業界で高いシェアを誇っている。

そんなマルアイがなぜ、外国人も使える『チップ袋』を発売したのか。その経緯などについて、担当者に話を聞いた。

意外にも、外国人観光客に土産として「ぽち袋」が人気!!一体、なぜ?
意外にも、外国人観光客に土産として「ぽち袋」が人気!!一体、なぜ?


土産としても人気!外国人旅行者が注目する祝儀袋&ぽち袋

昨今、新型コロナウイルスの収束や円安の影響により訪日外国人客が増加している。日本政府観光局(JNTO)が発表する訪日外客統計(※1)によると、2023年12月の訪日外客数(推計値)は273万4000人とコロナ禍以降最多を更新し、単月では2019年比8.2%増とコロナ禍前の実績を上回った。

マルアイによると、そんな状況下で、伝統的なデザインの祝儀袋やぽち袋が外国人の土産として人気を集めているそうだ。実際に、同社が2023年11月に有楽町駅に出店した「祝儀袋の自販機(※2)」ではインバウンド(訪日外国人旅行客)の購入も多く、和紙や紅白の水引を使用した日本らしい伝統的なデザインや、箔やエンボスなどの繊細な加工がされている点が好評で、お土産として複数枚購入する人もいたという。

日本には古くから心付けやお礼として、封筒や紙に“お金を包んで贈る”という習慣があるが、これは海外ではあまりなじみのないものなので、彼らは祝儀袋やぽち袋に惹かれるのかもしれない。

※1:日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計2023年12月推計値(2024年1月17日発表)
※2:業界初「祝儀袋の自販機」出店(2023年11月2日発表)についての記事より

インバウンドのニーズを受け作られた『チップ袋』

紙製品メーカーとして、お祝いや感謝の気持ちなど、相手を想い丁寧に気持ちを贈る日本の古き良き文化を大切にしながら、あらゆる製品を通じて人と人の心をつなぐサポートをしてきたマルアイ。同社は、そういった昨今の外国人観光客のニーズ増加を受け、製品の提供を通じて日本の伝統や文化を伝えることを目的に、インバウンド向けのぽち袋『チップ袋』を発売したという。

『チップ袋』は、日本語の「ありがとう」と「ほんのきもち」を世界各国の言語に訳してデザインに落とし込んでおり、英語やフランス語、あまりなじみのないヒンディー語やスワヒリ語など、24種類の言語を使用。パッケージの裏面にはぽち袋の使い方を英語で明記しているため、“お金を包んで贈る”という習慣になじみのない海外の人でも、日本文化に気軽に触れ楽しむことができる仕様となっている。

ラインナップは、日本を象徴するモチーフが印象的な「ありがとう 大入」と「ほんのきもち 富士」、日本の伝統模様をあしらった「ありがとう 七宝金」と「ほんのきもち 七宝銀」の全4種類。各種類、1袋330円で3枚入りとなっている。

『チップ袋』の「ありがとう 大入」(左)と「ほんのきもち 富士」(右)
『チップ袋』の「ありがとう 大入」(左)と「ほんのきもち 富士」(右)

『チップ袋』の「ありがとう 七宝金」(左)と「ほんのきもち 七宝銀」(右)
『チップ袋』の「ありがとう 七宝金」(左)と「ほんのきもち 七宝銀」(右)


『チップ袋』に込められた想いなどを担当者に聞いた

『チップ袋』発売の経緯や、制作にあたりこだわった点などについて、株式会社マルアイの担当者に話を聞いた。

――2023年11月の1カ月間、有楽町駅に「祝儀袋の自販機」を展開したそうですね。インバウンド客の購入が多かったとのことですが、これはもともと想定されていたことなのでしょうか?

【写真】2023年11月、東京メトロ有楽町線有楽町駅に期間限定で出店した『祝儀袋の自販機』
【写真】2023年11月、東京メトロ有楽町線有楽町駅に期間限定で出店した『祝儀袋の自販機』


【担当者】もともとインバウンド客は想定していませんでしたが、現地調査で海外の人が多く利用していたため需要があることがわかりました。インバウンド客の中には祝儀袋をお土産品として複数枚まとめ買いする人もいました。また全体的な成果では、「祝儀袋の自販機」の展開事例がこれまでになかったことからあらゆるメディアやSNSで取り上げていただきました。ユーザーからの反応も多く、その必要性や価値について多くの人に共感いただくことができました。

――「祝儀袋の自販機」の売れ行きはどうでしたか?

【担当者】当初想定していた販売数より2倍の結果となりました。今回新発売する『チップ袋』の展開については、インバウンドの増加に加え、昨年(2023年)11月の自販機の展開で祝儀品のお土産ニーズが高かったことも大きな要因となっています。

――今回発売の『チップ袋』は、どこで購入可能ですか?

【担当者】全国の文具・雑貨取扱店、マルアイオンラインショップで販売予定です。

――『チップ袋』について、企画した際のこだわりやインバウンド客にどのように活用してほしい…などの想いを教えてください。

【担当者】“お金を包んで贈る”という習慣は、古くからある日本特有の文化です。『チップ袋』は、そんな日本ならではの文化を海外の人にも気軽に楽しんでもらいたいという想いから開発されました。さまざまな国の人に手に取っていただけるよう、富士山や伝統紋様などの日本らしいモチーフと24カ国の言語を組み合わせデザインしました。パッケージには使い方を英語で表記しているので、日本人はもちろん、海外の人にも日々のやりとりで気軽に使ってもらいたいと思っています。

――今後、祝儀袋やポチ袋のよさを活かした新商品や、自動販売機のような新企画を展開する予定はありますか?

【担当者】弊社は祝儀袋やぽち袋などの気持ちを伝えるアイテムの提供を通じて、長年人々の心と暮らしに寄り添ってきました。今期も新デザインの祝儀袋やぽち袋、レターなどの新商品を発売予定です。また、マルアイが得意とする“気持ちを伝えること・相手を思いやること”を活かして、人と人の心をつないでいくような新たなサービスの展開も行っていく予定です。

日本の文化について海外の人々に興味を持ってもらえるだけでもうれしいが、旅行者がそれぞれ自国へ戻っても日常的に使えるモノに落とし込むというアイデアが秀逸な『チップ袋』。新たな土産の定番となり、「ぽち袋」の文化が海外へ広まっていくことも期待できそうだ。

取材=大庭 かおり/矢野 凪紗・文=矢野 凪紗

■『チップ袋』商品サイト
https://paper.maruai.co.jp/shop/c/c03039978/

■マルアイ オンラインショップ
https://shop.maruai.co.jp/

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