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味の素冷凍食品のギョーザ、3520個の“使い込まれたフライパン”をどう活用?ひとりでも多く「きれいに焼ける」感動を

2023/11/24 17:00
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使い込まれたフライパン3520個が全国各地から集まった。きっかけはSNSの投稿だ。味の素冷凍食品株式会社は、このフライパンを使って「誰でもきれいに焼ける冷凍餃子」を目指すための検証をスタートした。

2023年10月13日に公開されたプロジェクト「冷凍餃子フライパンチャレンジ」のWebサイトでは、届いたフライパンの3Dデータや、使用実態の検証などの研究経過を見ることができる。同プロジェクト発足の経緯や、これまでの改良の歴史について、同社戦略コミュニケーション部PRグループ長の勝村敬太さんに話を聞いた。

味の素冷凍食品株式会社戦略コミュニケーション部PRグループ長の勝村敬太さん
味の素冷凍食品株式会社戦略コミュニケーション部PRグループ長の勝村敬太さん【撮影=山本晴菜】


SNSの投稿を見て生まれた疑問

【画像】「ギョーザ」は油・水なしでも羽根付きのギョーザが焼ける冷凍食品
【画像】「ギョーザ」は油・水なしでも羽根付きのギョーザが焼ける冷凍食品【画像提供=味の素冷凍食品】

――まずは「冷凍餃子フライパンチャレンジ」発足の経緯について教えてください。
【勝村】事の発端は2023年5月11日に、生活者の方が「生姜好きのためのギョーザ」を焼いたらフライパンに張り付いたと、SNSに投稿していただいたことでした。今までも同様の投稿を目にすることはありましたが、その方は「味の素」「ギョーザ」としっかり書かれていたのと、ギョーザがフライパンに張り付いた写真も載せていただいていたので、何か返そうと担当者と話していました。

【勝村】ただ、あまりにも見事に張り付いていたので「どういうフライパンを使っているのだろう」と素朴に感じました。今はほとんどのフライパンにフッ素加工が施されていて、すごく調理がしやすくなっていますし、我々はそれをベースにきれいに焼けるよう製品開発をしています。そこで、その投稿の翌日にフライパンを提供してもらえないかとアクションしたところ、メーカーからそんなメッセージが出たということで、多くの反響をいただきました。

味の素冷凍食品の公式ツイッターから送った返信
味の素冷凍食品の公式ツイッターから送った返信


――なぜそれほど早く対応できたのでしょうか?
【勝村】せっかく生活者の方から情報を発信していただいているのであれば、我々もできる範囲のことはしようと、PRチーム全体が常日頃から心がけています。研究所にあるフライパンで検証を行い、約1カ月後の6月16日に「大さじ1程度の油をひいていただく、または弱火で10分くらい時間をかけてゆっくり焼いていただくと張り付きにくい」ということをアンサーとして出しました。

【勝村】ただ、我々が持っているフライパンでの検証結果なので、実際に張り付いてしまうフライパンはどういう状態なのかわかりません。そこで同日に「張り付いてしまうフライパンで、もうお使いにならないものがあればご提供いただけませんか」と呼びかけました。

2023年10月13日に公開されたプロジェクトサイト
2023年10月13日に公開されたプロジェクトサイト【画像提供=味の素冷凍食品】

プロジェクトサイトではフライパンの3Dモデルを順次公開。大きさ、厚み、重量、発送元のエリアといった情報も“フライパンの履歴書”として記載されている
プロジェクトサイトではフライパンの3Dモデルを順次公開。大きさ、厚み、重量、発送元のエリアといった情報も“フライパンの履歴書”として記載されている【画像提供=味の素冷凍食品】


ギョーザが張り付いたフライパン「新たな改良のきっかけ」に

――その呼びかけで、たくさんのフライパンが集まったのですね。
【勝村】フライパンのご提供を呼びかけたのは金曜の夕方で、当初は2週間ほどの募集期間を予定していました。でも休み明けの月曜に出社したら、宅配業者さんから「1000箱ぐらいあるけど、どうしますか」と電話があり、それで慌てて「フライパンの募集を締め切らせてください」という案内を出しました。

3日間の募集で、全国47都道府県から3520個ものフライパンが本社に届いた
3日間の募集で、全国47都道府県から3520個ものフライパンが本社に届いた【画像提供=味の素冷凍食品】


【勝村】フライパンを送っていただくなら、代わりのフライパンがないと困りますよね。それに梱包するのにも手間がかかります。100個集まればありがたい、2週間あれば1000個くらいになるかも。それくらい集まったらすごいかな、と思っていましたが、まさか3日でそんなに届くとは思いませんでした。

【勝村】フライパンと一緒に、ギョーザがどのように張り付くのかを、写真付きのレポートにして送っていただいた方もいらっしゃいました。また、お子さんが絵を描いてくれたり、思い出のフライパンでずっと捨てられなかったけど、味の素さんが研究に使ってくれるのならやっと手放せるというお手紙もあったり。大量の段ボールを1個ずつ開いてフライパンを出す作業のなか、これらのお手紙を見つけると目頭が熱くなり、また責任も感じました。

フライパン本体だけでなく、さまざまな想いやメッセージが同封されていたという
フライパン本体だけでなく、さまざまな想いやメッセージが同封されていたという【撮影=山本晴菜】


――「冷凍餃子フライパンチャレンジ」というプロジェクトとして発足したのは、そういった想いに応えるためでしょうか?
【勝村】そうですね。検証して、その結果をフィードバックできればいいとは思っていましたが、想像以上の方にご協力いただいたので、研究開発の様子を可能な範囲でお見せして、一緒に共有していこうということで、今回のようなプロジェクトとしてスタートしました。

【勝村】冷凍ギョーザは今年(2023年)で発売から51年目で、“永久改良”という言葉のもとに改良を続けています。過去にもいろいろな課題があればそれを解決するということを続けてきました。今回のことも、新たな改良のきっかけをいただいたのだと思っています。

――フライパンは実際にどのように活用されているのでしょうか?
【勝村】まずは、いただいたフライパンを使って、実際にギョーザを焼くという検証を行っています。いただいたフライパンのなかには、パッケージの裏面に書いてある調理方法を忠実に守って焼くと、きれいに焼けるものもあります。その場合は同じ中火という設定でも、環境やコンロによる違いなどによって、火加減が少し強いのかもしれません。そのほかフライパンのフッ素コーティングがどんな状態になっているのかを顕微鏡で見たり、厚みや形の歪みによる影響があるのかを検証しています。

実際に届いたフライパン
実際に届いたフライパン【画像提供=味の素冷凍食品】


――実際に届いたフライパンを見て、想像していた「家庭で使っているフライパン」と違いはありましたか?
【勝村】冷凍ギョーザの製品設計は、家庭で一番多く利用されていると言われている26cmのフライパンを基準にしています。実際に届いたフライパンは、もっと小ぶりのものもあれば、四角い卵焼き用も意外と多かったですね。ほかにもお鍋に近いものやスキレットなど、想像以上にいろいろなフライパンを使って、当社の冷凍ギョーザを焼いていただいているのだと気づかされました。

『冷凍餃子フライパンチャレンジ』プロジェクトサイト:https://www.ffa.ajinomoto.com/enjoy/frypan

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