始まりはカップラーメンだった!「一平ちゃん夜店の焼そば」当時は異色のマヨ×ソースでヒット

東京ウォーカー(全国版)

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「いっぺん食べたら、やめられない。」のキャッチフレーズでおなじみ、明星食品「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」。星空の描かれたパッケージを見ると、祭りや縁日の風景が頭に浮かぶ人も多いのでは。1995年の発売当時としては珍しかった、ソースにからしマヨネーズの組み合わせはどのように誕生したのか、「一平ちゃん」という名前にはどんな想いが込められているのか、同社マーケティング本部の石須雄人さんに話を聞いた。

明星食品株式会社マーケティング本部の石須雄人さん【撮影=三佐和隆士】


「一平ちゃん」って誰?

「一平ちゃん」ブランドが誕生したのは1993年。カップ焼きそばのイメージが強いが、最初に発売されたのはカップラーメンだった。「活気のある市場で、うまいと評判のラーメン屋がある。ラーメンに惚れ込んでいる店主が自信を持って作り上げた、ひと味違う、コクのあるスープ」というコンセプトで、コクしょうゆ味、辛みそ味、たっぷり野菜タンメン、こってりとんこつ味の4種を展開。このときから「いっぺん食べたら、やめられない。」というキャッチフレーズが添えられている。

【写真】1993年に発売されたカップラーメンの「一平ちゃん」【画像提供=明星食品】


人の名前のような商品名だが、パッケージや広告には「一平ちゃん」らしきキャラクターは見当たらない。石須さんは「実は人の名前ではなく、平成で一番のラーメンになるという願いが込められています」と話す。人気を博していた落語家の林家三平さんをモチーフとした「三平ちゃん」を推す営業と、「一平ちゃん」に絶対の自信を持っていたマーケティング部の間で激しい議論が行われ、最終的に「一平ちゃん」に決まったのだという。

「夜店の焼そば」は「発売時からすごい数のオーダー」

カップラーメンの発売から2年後に、カップ焼きそばが発売された。「食堂の焼そばとは、ひと味違う夜店の焼そば」というコンセプトで開発し、コクのあるスパイシーソースと特製からしマヨネーズの組み合わせが特徴の「夜店の焼そば」が誕生。「発売前に小売店へ商談に行くと、当時は珍しかった『焼きそばにマヨネーズをかける』というのがフックになり、発売時からすごい数のオーダーが来たそうです」と石須さん。この組み合わせが多くの人に受け入れられ、「一平ちゃん=焼そば」というイメージが定着したという。

「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」1995年発売当時のパッケージ【画像提供=明星食品】

マヨビームノズルは2010年から搭載された。「食べるときのライブ感を大事に作っています」と石須さん【撮影=三佐和隆士】


「一平ちゃん夜店の焼そば」を一躍有名にした「からしマヨネーズ」との組み合わせ。参考にしたのは、粉もん文化が根強い大阪のお好み焼き屋だった。カップ焼きそば開発のために、担当者が大阪を中心に焼きそばを提供する店を回っていると、お好み焼きや焼きそばの仕上げとして、マヨネーズが親しまれていることを知った。当時、関東では、お好み焼きや焼きそばにマヨネーズをかけることが一般的ではなかったため、思わず興奮して取り入れたという。

2023年9月4日に「明星 BIGだぜ!一平ちゃん」というブランドで、ラーメンやうどんなど、焼きそば以外の商品も展開【撮影=三佐和隆士】


チョコソース味やショートケーキ味、斬新な限定商品の狙いは?

近年は多彩な期間限定フレーバーも話題だ。土用の丑の日にあわせた「蒲焼のたれ味」、クリスマスシーズンには「フライドチキン味」など、斬新なフレーバーに挑戦してきた。特に話題を集めたのは、20周年記念に発売された「ショートケーキ味」と「チョコソース味」。商品説明には「甘じょっぱい味」「甘い香り」「バニラの風味」など、焼きそばとは結びつかないような言葉が並ぶ。

「明星 一平ちゃん夜店の焼そば ショートケーキ味」(2016年12月発売、現在は販売終了)【画像提供=明星食品】

「明星 一平ちゃん夜店の焼そば チョコソース」(2017年1月発売、現在は販売終了)【画像提供=明星食品】


「ネットでも大きく取り上げていただき、『一平ちゃん』のユニークさを象徴した商品になっていると思っています。発売して6、7年くらい経ちますが、新卒採用の面接で、いまだにこの商品について話してくださる方も多いです」

石須さんのイチオシは「わさびマヨ醤油味」(現在は販売終了)。2020年実施の「一平ちゃん夜店の焼そば復活総選挙」で1位に輝き、ファンからの人気も高い。画像は2023年3月発売品【画像提供=明星食品】


こうしたユニークな商品を展開する理由は「ほかの大手メーカーと同じことをしていても、なかなかお客様からの注目を集められないから」とのこと。食べ物は粗末にしないということは大前提として、開発やマーケティングをしっかり重ね、「おもしろい」「食べてみたい」と思うような商品を発売してきた。

「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」は2023年7月にリニューアル。ソースねり込み麺、液体ソース、ソースふりかけの「三枚看板ソース」で“こってり感”をアップさせた【撮影=三佐和隆士】


2025年には、ブランド誕生から30周年の節目を迎える。「『平成で一番になれるように』という願いで始まったブランドですが、令和になっても引き続きナンバーワンを目指したいです」と石須さん。「常にお客さんに新鮮な驚きや楽しさを提案することをモットーに、一平ちゃんらしく、新しいチャレンジを続けるブランドでありたいです。30周年に向けて『夜店の焼そば』が盛り上がるような施策を準備したいと考えていますので、楽しみにしていただければと思います」

この記事のひときわ #やくにたつ
・最初は珍しいことも、受けいれられ、続けることで定番になる
・ロングセラー商品も新鮮さを大切に、商品を盛り上げる

撮影=三佐和隆士

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