人生は、1日1日の積み重ねだ。日々の行動の積み重ねといい換えてもいいだろう。その行動のなかでも特に「お金の使い方が、将来の資産の大きさ、そして人生に違いを生む」というのは、マネーカウンセラーとして多くの人のお金に関する相談に乗っている田口智隆さん。お金を貯められるようになるため、反面教師として「やってはいけないお金の使い方」を解説してくれた。

やってはいけないお金の使い方①
「3大キャリアに高い料金を支払い続ける」
お金をしっかり貯められる人と貯められない人の違いは、果たしてどんなところにあるでしょう?もちろん一概にはいえませんが、多くは「お金の使い方」にあります。どんなにたくさん稼いでいる人でも、その稼ぎ以上に使ってしまってはお金を貯められるわけがありません。
そこで、多くの人のお金に関する相談に乗るなかで、私のなかで見えてきた「やってはいけないお金の使い方」についてお話しましょう。ここでは、特に20代、30代など若い世代にお伝えしたいものをピックアップしていきます。
ひとつ目が、「契約したときのプランのまま、3大キャリアのスマホを使う」というもの。みなさんのなかに、いまだに3大キャリアのスマホを使っている人はいませんか?もし3大キャリアだったとしても、たとえばNTTドコモならahamoなど、廉価版プランに変更しているでしょうか?
スマホ料金は、いわゆる「固定費」と呼ばれるものです。家賃や水道光熱費などと同様に、毎月必ず決まって出ていくお金ですから、家計のなかでも大きな割合を占めます。月額1万円だとしたら1年で12万円、10年なら120万円にもなるのですから、決して小さな金額ではありません。
2021年、「携帯料金値下げ」を看板政策のひとつに掲げてきた菅政権の働きかけによって、3大キャリアはそれぞれ廉価版プランをスタートさせました。それまでにもいわゆる格安スマホもありましたが、これによってより手軽にスマホ料金をぐっと抑えられるようになったのです。
しかし、総務省が発表しているスマホ事業者シェアの推移を見てみると、それほど大きな変化が見られないというのが実情です。今もかつてのプランのままで高いスマホ料金を払い続けている人は、お金の使い方に対して無頓着すぎるといわざるを得ません。せっかく政府が国民にとって有益な施策をしてくれたのですから、それに乗らない手はないでしょう。

やってはいけないお金の使い方②
「手持ちのお金がなければリボ払い」
「やってはいけないお金の使い方」のふたつ目は、「欲しいものがあれば、手持ちのお金がなくてもクレジットカードで買う」というもの。
もちろんクレジットカードはスムーズに支払いができるなど便利なものですし、ポイントを貯められるといったお得な面もあります。しかし、その使い方には注意が必要です。
若い世代の場合、中高年に比べると物欲が強いものです。中高年になれば、たとえば服にそこまで興味もなくなってくるものですが、若いときにはやはりおしゃれをしたいといった気持ちがあります。その他にも、欲しいものもどんどん出てくるでしょう。
しかし、欲しいからといって手持ちの資金以上のものに手を出してしまえば、家計を圧迫してしまうことは目に見えています。クレジットカードは、打ち出の小槌ではありません。
なかでも注意してほしいのは、「リボ払い」でしょう。リボ払いとは、「リボルビング払い」の略で、クレジットカード利用料金の支払い方法のひとつです。利用料金や利用件数にかかわらず、あらかじめ設定した一定の金額を月々支払っていくというものです。
高いものを買っても毎月の支払い額は一定ですから、便利に思えるかもしれません。まだ稼ぎがそれほど多くない若い人には魅力的に映るでしょう。しかし、リボ払いの金利手数料は一般的に年率15%程度であり、リボ払いを利用すれば多額の利息を支払い続けることになってしまうのです。
もしどうしてもクレジットカードで支払わなければならないときがあっても、一括払いか2回払いにしましょう。そうすれば、手数料はかかりません。