いつになってもお金が貯まらない人に共通する「やってはいけないお金の使い方」

2023/09/12 17:30
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「どうしてもクレジットカードで支払わなければならないときがあっても、一括払いか2回払いにしましょう」と田口智隆さん
「どうしてもクレジットカードで支払わなければならないときがあっても、一括払いか2回払いにしましょう」と田口智隆さん【撮影=樋口涼】

やってはいけないお金の使い方③
「貯蓄型の生命保険に加入している」

最後に紹介する「やってはいけないお金の使い方」は、「貯蓄型の生命保険に加入している」というもの。生命保険は、主に「掛け捨て型」と「貯蓄型」のふたつのタイプに大別されます。

掛け捨て型は月々の支払いが少なく済むというメリットがある反面、保証期間が決まっているためにその期間内に死亡しなければ払ったお金は戻ってきません。そのため、「掛け捨てはもったいない」と考える人が少なくないようです。

そういう人が選択するのが、「貯蓄型」です。貯蓄型の「終身保険」などの商品は、月々の支払いが高くなる一方、死亡することなく支払いが満期を迎えれば、支払った以上のお金が戻ってきます。

そういうとお得な気もしてきますが、注意すべき点があります。終身保険は、いざというときに保障してくれる「保険」部分と、積み立ての「貯蓄」部分の2層にわかれているということです。

たとえば、月々の保険料が2万3000円で3000円が保険部分とすれば、ここは掛け捨てとなります。そして、残りの2万円の貯蓄部分は保険会社が運用して増やしたうえで戻してくれます。つまり、貯蓄部分は毎月コツコツと積立預金をしているようなものです。

お金を貯めるのが苦手な人からすれば半強制的にお金が貯まっていくために、終身保険にメリットを見出す考え方もります。しかし、「保険」と「貯蓄」を切り離してとらえるというのが、多くのお金持ちに共通する思考です。本来、保険というものはいざというときのリスクを回避するために最低限のものさえあればいいのです。

ですから、「保険」部分以外のお金を保険会社に「貯蓄」するくらいなら、自分で投資にまわし、より大きなリターンを得ることを考えるべきです。特に20代や30代など若い人の場合なら、時間と複利の力が強力な味方となってくれますから、高額な終身保険ではなく、自己投資も含めた投資にまわすことをおすすめします。

この記事のひときわ#やくにたつ
・携帯キャリアのプランを見直す
・クレジットカードで支払わなければならないときは一括払いか2回払いに
・高額な終身保険ではなく、自己投資も含めた投資にまわす

構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、取材・文=清家茂樹、撮影=樋口涼

『やってはいけないお金の使い方』
PHP研究所(2021)
田口智隆 著

【プロフィール】
田口智隆(たぐち・ともたか)
1972年生まれ、埼玉県出身。投資家。株式会社ファイナンシャルインディペンデンス代表取締役。大学卒業後、学習塾の講師となるも、連日飲みに行き借金が膨らむ。28歳のとき、父親が病に倒れたのを機に、父親が経営する保険代理店に入社し、地域ナンバーワン代理店に成長させる。また、徹底した節約と資産運用により、自己破産寸前まで膨らんだ借金を数年で完済。その後は、「収入の複線化」「コア・サテライト投資」で資産を拡大。34歳の時に独立する。現在、その経験を生かしてマネー・カウンセリングを行う一方、日本全国でセミナー活動を積極的におこなっている。『貯金ゼロ、年収150万円からのお金の教科書』(Clover出版)、『フリーランスのお金のことぜんぶ教えてください!』(ワン・パブリッシング)、『じぶん経済圏』(みらいパブリッシング)、『おカネは、貯金に頼らず守りなさい。』(PHP研究所)など著書多数。

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