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FP飯村久美さんに学ぶ『貯蓄1000万円の壁』を越えるコツ。「201万円の壁」を有効活用する

2023/04/23 18:00
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円安による生活コストの上昇や、老後資金問題など、お金に関する漠然とした不安を抱えている人も多いはず。一方で、これまでにも「お金を貯めたい」と考えてきたにもかかわらず、なかなかうまくいかないという人も少なくないだろう。ここでは、『年収300万円でもラクラク越えられる「貯蓄1000万円の壁」』の著者でもあるファイナンシャルプランナーの飯村久美さんが、お金を増やすコツを伝授。

今回は第31回。

ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん
ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん【撮影=樋口涼】


ふたり以上の世帯なら、世帯収入で考えるほうが貯蓄にまわせるお金をつくりやすくなります。まさに、“社長”として家のお金を管理するということです。

日本の世帯収入を見ると、単身世帯よりもふたり以上の世帯のほうが、大きな金額になります。あまりに単純な計算ですが、収入のあるふたりが一緒に暮らすようになることで、世帯収入がふたり分の合計になるからです。

なにかとお金がかかる時代ですから、共働きのケースがほとんどだと思います。夫婦ともに納税者の場合であれば、ここまで解説してきたように、それぞれの収入が上がるような、または、将来もっと稼げるようになれる戦略を立てることが、稼ぐ力に直結します。

稼ぎ方を考える必要があるのが、どちらかが扶養家族になっているケースです。働き方が多様化しているなかで、夫が働いていないケースもありますが、妻が働いていない(いわゆる専業主婦)ことが多いと考えられます。

世帯収入を多くするのにもっとも効果的なのは、専業主夫や専業主婦の立場にある人が稼げるようになることです。一定金額内の収入であれば、稼いだ分はまるまる世帯収入アップになります。これまで、どちらか片方の稼ぎだけで生活を営んでいたなら、極端な話、そのまますべてが貯蓄にまわせるお金になります。

その一定金額内というのが、よくいわれる「○○円の壁」というものです。
❶100万円の壁…越えると住民税負担が発生する
❷103万円の壁…越えると所得税負担が発生する
❸106万円の壁…一定の条件下で越えると社会保険料負担が発生する
❹130万円の壁…越えると社会保険料負担が発生する
❺150万円の壁…越えると配偶者控除が受けられなくなる
❻201万円の壁…越えると配偶者特別控除を受けられなくなる

気をつけなければならないのは、❸~❻の壁です。

❶❷に関しては、越えたとしても越えた分に対しての税金なので、106万円未満なら、たいした負担にはなりません。❸❹の社会保険料の負担は、106万円、130万円をわずかでも超えると10万円を超える負担になります。保険料を払うことで手取り収入は減りますが、病気やケガで会社を休んだときに傷病手当金をもらえたり、将来の年金額が増えたりするなどのメリットがあります。これらの保険料は会社が半分負担してくれます。

❺❻の配偶者控除(または配偶者特別控除)は、扶養している側の税金に影響してきます。この制度は、2017年の法改正で、これまで満額控除のリミットだった103万円が150万円に、控除の上限が141万円から201万円に拡大されました。

つまり、201万円までなら、満額ではありませんが配偶者控除が受けられるようになったということです。これまで、「141万円の壁」とにらめっこしながら働くことをセーブしてきていた人にとっては、大きな制度改正だったのではないでしょうか。

貯蓄にまわせるお金をつくるには、貯める力以上に稼ぐ力が重要になります。あたりまえですが、家計にお金が入ってこなければ、貯蓄できないからです。

すぐに着手できるのは貯める力を付けることですが、稼ぐ力を付けると、貯蓄1000万円にぐっと近づくことができます。身につけた稼ぐ力は、いうまでもなく、将来的にもあなたを助ける力となるでしょう。

ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん
ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん【撮影=樋口涼】


この記事のひときわ#やくにたつ
・世帯収入増に効果的なのは、専業主夫や専業主婦の立場にある人が稼げるようになること
・「○○円の壁」を把握する

編集協力=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、洗川俊一、横山美和、撮影=樋口涼

『年収300万円でもラクラク越えられる「貯蓄1000万円の壁」』
株式会社KADOKAWA(2022)

【プロフィール】
飯村久美(いいむら・くみ)
金融機関在籍中にファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得。退職後、自らの経験から、お金の正しい知識を身につけることが「生活を守る手段」であり、「やりたいこと」や「夢」につながると痛感。その経験を伝え、その人の夢が叶うマネープランをサポートすることを目的として、2006年FP事務所を開業。テレビやラジオ出演、セミナー講師など幅広く活躍中。著書に『ズボラでもお金がみるみる貯まる37の方法』(アスコム)、『シングル女子の今日からはじめる貯蓄術』(成美堂出版)、『子どもを持ったら知っておきたいお金の話』(KADOKAWA/中経出版)、『お金の先生! できるだけ簡単にお金が増える方法を教えてください。』(アスコム)、監修書に『一生お金に困らない! 貯め方・増やし方』(ナツメ社)などがある。FP事務所アイプランニング https://www.fp-iimura.jp

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