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まずは生活防衛資金の確保から。ファイナンシャルプランナーが教える、ビギナー向け投資プラン

2024/02/26 20:00
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テレビからもネットニュースからも毎日のように飛び込んでくるのが、新NISAをはじめとした投資の話題だ。これまで投資をしてこなかった人のなかにも、投資をはじめた、あるいはこれからはじめようと思っている人は多いだろう。そんな投資のビギナーに向け、メディア出演も多いファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんが、具体的な投資プランを教えてくれた。ただ、まず押さえるべきは、「投資に対する考え方」だという。

ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんにインタビュー
ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんにインタビュー


金融商品を買うことだけが投資ではない

具体的な投資の実践法を解説する前に、まずは投資に対して持っておいてほしい考え方についてお伝えします。それは、「金融商品を買うことだけが投資ではない」ということです。

たとえば、私はiPhoneを毎年買い替えています。そういうと、「毎年15万円とか20万円を使う人」だと思う人もいるかもしれませんが、そうではありません。新品を買った翌年なら、iPhoneはだいたい購入価格から5万円ほど値下がりしただけの価格で売ることができます。つまり、私は年間5万円ほどで最新のiPhoneを常に持つことができているのです。

そのように、普段自分が買っているものに対しても、リセールするときのことなどを想定し、価値が維持されやすいものなのか、本当に買うべきものなのかと考えることも、投資に通じる考え方なのだと思います。

あるいは、モノではなく体験にお金を支払う場面でも同様です。お酒が好きな人のなかには、「飲み会は投資だ」という人もよくいますよね。もちろん、その飲み会の場で上司や同僚、取引先の担当者と親睦を深めることで、仕事の成果、ひいては収入アップにつながることもあります。そんな飲み会なら、紛れもなく投資だといえるでしょう。でも、そういった結果につながらなかったとしたら、その飲み会は投資だとはいえません。

そのように、せっかく大切なお金を使うのですから、そのお金がどのように活きたのか、あるいは活かすことができなかったのかと振り返ることも、金融商品を買う投資につながる考え方を養うことにもなるはずです。

「大切なお金を使うのですから、そのお金がどのように活きたのか、あるいは活かすことができなかったのかと振り返ることも、金融商品を買う投資につながる考え方を養うことにもなる」
「大切なお金を使うのですから、そのお金がどのように活きたのか、あるいは活かすことができなかったのかと振り返ることも、金融商品を買う投資につながる考え方を養うことにもなる」

投資をはじめる前に、まずは生活防衛資金を確保する

では、まずはそのように普段から投資を意識してお金を使ってもらうことを前提として、ここからは金融商品を購入する投資について解説していきます。実際に金融商品を買う前にやらなければならないのは、いわゆる生活防衛資金をきちんと貯めるということです。

今はインフレが進んで現金の資産価値が低下している時代ですが、逆にデフレになったら現金の資産価値は上がります。そう考えると、現金をほとんど持たずに投資にすべて充ててしまうのは問題です。

また、文字どおり、自分の生活を守るためにも生活防衛資金を貯めておく必要があります。その最低ラインの目安として、「生活費の3〜6カ月分」を私は提唱しています。

たとえば自己都合で退職した場合、雇用保険の基本手当(いわゆる失業保険)を受けるまでに2〜3カ月の給付制限期間があります。給付がはじまるまでの生活を支えることや給付額も給料の半額程度になることを考えると、最低でも3カ月、できれば6カ月程度の生活費にあたる預貯金は確保しておきたいところです。

1カ月の生活費が20万円という人なら、60〜120万円の預貯金を確保しておくことがまず超えるべき最低限のライン。投資をはじめたくてうずうずしている人であれば、それだけの預貯金ができれば投資をはじめてOKです。

ただ、投資に対する考え方や生活スタイルの違いなどによっては、もっとお金を貯めて預貯金が500万円を超えるまで投資をはじめるのを待ってもいいでしょう。

人生のなかには、大きな支出を伴う出来事も発生します。結婚資金や住宅購入、身内の葬儀費といった支出を見越すなら、それらを滞りなく進められる蓄えが必要となってきます。500万円ほど預貯金があればだいたいの事態に対応できるでしょう。

結婚や住宅購入といった予定を控えている人、あるいは積極的に今すぐ投資をはじめたいというのではなく投資をはじめることをちょっと迷っている人なら、500万円を貯められるまで待ってもいいと思います。

『超ど素人がはじめる資産運用 第2版』
翔泳社(2023)
風呂内亜矢 著

【プロフィール】風呂内亜矢(ふろうち・あや)
1978年生まれ、岡山県出身。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、日本FP協会評議員、全国銀行協会金融経済教育活動懇談会委員。独身時代、大手電機メーカー系Slerに勤務していた26歳のときに貯蓄80万円でマンションを衝動買いしたものの、物件価格以外にも費用がかかることを知り、あわててお金の勉強と貯金をはじめる。現在は夫婦で複数の物件を保有し、賃料収入を得ている。一方、当初のマンション購入をきっかけにマンションの販売会社に転職。「完済年齢を把握する」「不動産と重複する保険はかけない」など、自身がマンションを購入したときの体験を交えた営業が顧客の共感を集め、年間売上1位の実績を上げる。2013年、ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などでお金に関する情報を精力的に発信している。『日曜討論』『クローズアップ現代+』(NHK)、『スッキリ』(日テレ)、『スーパーJチャンネル』(テレビ朝日)などへの出演の他、『誰でもできるNISAの教科書』(ナツメ社)、『「定年」からでも間に合う老後の資産運用』(講談社)など著書多数。YouTubeチャンネル「FUROUCHI vlog」ではvlogに交えてお金のTipsも紹介。

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