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今回取り上げるのは、2024年3月14日(木)から17日(日)まで東京・表参道で開催される日本クラフト盆栽作家協会によるクラフト盆栽作品展。作家が1点ずつ手作りするクラフト盆栽は間近で見ても本物そっくり。クラフト盆栽の魅力や、作品展の意気込みを担当者に聞いた。
ーークラフト盆栽というものを初めて知りました！
まだ呼称も固定していないジャンルで、弊社では「クラフト盆栽」と呼んでいますが、工芸盆栽、創芸盆栽、創作盆栽、アート盆栽、ハンドメイド盆栽、アートクラフト盆栽、アート工芸盆栽…など系列により異なる名前で呼ばれています。ジャンルとして名前が統一され認知が広がるようになっていってくれることを期待しています。
ーー今回の作品展の狙いを教えてください。
クラフト盆栽は、生きた植物ではなく針金や紙、樹脂粘土などを用いて創作する手工芸の盆栽です。まだあまり知られていないものなので広めたい、作家を増やしたい(生徒募集)という想いと、このようなものがあるということを知っていただき、高級和空間のインテリアや装飾として活用してもらいたいという狙いがあります。また、海外に進出する和文化の事業にも活かしてもらえたらいいですね。
ーークラフト盆栽の魅力は何でしょう？
盆栽は空間美、瞬間美を感じさせるもので、部屋にひとつ飾るだけでも癒やし効果があります。お手入れ不要のクラフト盆栽は自分のためとして、また、お祝い、ご機嫌伺い、贈り物として定着していけるものと考えています。手工芸の趣味はクリエイティブで大変楽しいものですが、物によってとても繊細で手の器用さが求められるものが多くあります。クラフト盆栽は樹種により器用さの必要ないものが多くあるので、楽しい趣味としてたくさんの人に体験してみていただきたいと思っています。
ーー最後に、作品展の実現に向けて苦労した点などあれば、どうクリアしたかとあわせて教えてください。
手工芸の盆栽は以前からあった技術ですが、作家が技術を伝授したがらない、作成に時間と手間がかかるので売りたがらない、売っても価格が高くなってしまう…などの理由から、作家が少なく商品としても出回ってきませんでした。弊社は神奈川県横浜市でフラワーデザインスクール、結婚式場装花を担うフラワーデザインスタジオですが、クラフト盆栽作家が減り技術が途絶えてしまうことを懸念し、数年前から普及に努めています。オンライン講座も構築し日本中どこでも受講できるよう準備を進めています。これまで神奈川県横浜市で開催してきた作品展ですが、この度東京で開催することになりました。なかでも、本物そっくりの大型盆栽、黄金の盆栽が見どころです。
盆栽は素晴らしい！だけど…
盆栽は世界でも大人気で、日本文化と共に生活に取り入れられている。もちろん国内でも和室のインテリア、日本料理店や旅館、高級空間、式典などに飾りたいもの。しかし育てるのが難しく、美しく維持できない、枯らしてしまう、専任の技術者が必要、盆栽園に頼むと大変高価、という問題があった。クラフト盆栽は生きた植物ではなく針金や樹脂粘土などを使用して作る工芸品だ。そのため日々の手入れ、日照、水やりといった手間は一切必要ない。気候の合わない地域でも問題がなく、植物検疫も必要ないので海外への持ち出しも可能だ。
クラフト盆栽の気になるクオリティは？
人工盆栽なら楽…と言っても、目が肥えた人々の集う場や、癒やし空間に、チープなフェイクは似合わない。工場で大量生産するプラスティック製品などは、いかにも偽物という感じで逆効果。その点、クラフト盆栽は、作家が手作業で作成する一点もの。本物さながらであると同時に、本物、偽物、という見方を超える美術品なのだ。
本物の盆栽は理想の形に作り上げるのに長い年月がかかり、生き物だとどうしても制約がある。クラフト盆栽なら植物ではできない形状、特殊な器の使用、特殊な素材、色などで作り上げることができるので可能性は無限大だ。
価値ある大人の趣味としてもおすすめ
手工芸としては、できあがる作品が高級インテリア、美術品扱いとなりうる将来性のある趣味といえる。手を使うこと、集中、没頭することで精神的な癒やし、脳の活性化が期待できる。創作を楽しみながら日本文化で心を満たし、個展、販売、教室など発展させていくことができるもので、新しい趣味を探している人におすすめだ。
作品展は、効率のいいカリキュラムと丁寧な指導でクラフト盆栽の技術と知識を身に付けることができる日本クラフト盆栽作家協会の講師と会員によって行われる。クラフト盆栽の実物を見ることができるほか、40分ほどのワークショップで手作り体験が可能。また、お気に入りの作品をイベント特別価格で購入することができる。実物を間近で見て、クラフト盆栽の魅力に触れてみよう。
■2024年クラフト盆栽作品展
・開催日：2024年3月14日(木)～17日(日) ※エステルフラワー 和の花飾り展も同時開催
・会場：東京 表参道「穏田ギャラリー」(東京都渋谷区神宮前4-13-2)
・時間：11時～17時(最終日15時まで)
・料金：入場無料
