サイト終了のお知らせ

平素より「OneNews」をご利用いただき、誠にありがとうございます。本サイトは2024年5月15日をもってサービスを終了いたします。
サービス終了後、OneNews掲載の一部コンテンツ(ビジネス記事、マネー記事)は、
当社運営メディア「ウォーカープラス」に引き継がれますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

米国債は、いまが「買い場」!投資の鉄則「安全資産」を有利に確保しよう

2024/03/30 19:00
SHARE

2022年以来の米国FRBの金利政策により、政策金利と連動して米国債の利率も大きく上昇している。しかし、2024年の利下げも検討されていることから、いまが「最後の買い場」となりそうだ。そこで今回は、米国債の特徴から購入時のポイント、トレンドについて考えていく。「ロジャーパパ米国株投資」を運営する人気YouTuber、ロジャーパパさんにお話を伺った。

 投資系YouTuber・ロジャーパパの「相場の格言から学ぶ株式投資」
投資系YouTuber・ロジャーパパの「相場の格言から学ぶ株式投資」

いま、米国債は目をつむっても買うべきチャンス

2024年3月現在、米国債が最後の買い場を迎えています。

経緯を整理しましょう。2022年3月以降、米国の中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)は、深刻なインフレ率の上昇を抑制するため、現在まで11回に及ぶ政策金利の引き上げを行いました。その上昇幅は凄まじく、2022年1月までのゼロ金利が現在では5.25%〜5.50%にも上昇しています。これは2001年以来22年ぶりの高水準です。

その政策金利の上昇に連動して米国債の金利も上昇し、2023年10月には10年債で約5%、2年債では5%を超える利率に上昇しました。つまり、10年債で100万円分の米国債を買えば、1年ごとに約5%の償還を得られ、10年間で約150万円になるということです。

しかし、すでに米国債の利率は天井を打ち、現在は最大値よりは利率が下がっていますし、FRBは2024年に政策金利を引き下げる可能性を示唆しています。

インフレ率の抑制が進まないため、まだ実際に政策金利を下げるには時間がかかると思いますが、いざ下がれば米国債の利率も連動して下がっていきます。ですから、いまが米国債の最後の買い場となるのです。

資産家が資産の半分を「国債」にする理由

「100万円を元手に10年かけても40万円〜50万円しか増えないのに、米国債のなにがそんなにいいだろう?」

投資ビギナーの人は、そう思うかもしれません。そこで、江戸中期の商売の秘伝書『米穀売買出世車』に記されたという、こんな格言を紹介したいと思います。

「富は天あり、少富は人にあり」

江戸時代の日本に株式市場はありませんが、米の先物取引市場があり、米相場を読んで差益を得るトレードは行われていました。この格言は、トレードで大金持ちになるには天の運が必要だが、着実に利益を得ることは本人次第でできることだと伝えています。

現代の投資に話を戻します。

米国株投資なら平均で年率7%増えるとされますから、100万円を投資すれば、再投資なしでも10年間で70万円の利益が見込まれます。短期投資や高配当株を狙えば、10年間で資産を何倍にもふくらませるチャンスがあるでしょう。

確かな投資眼に、天の運が加われば、「テンバガー」といわれる10倍成長以上の個別銘柄株を引くこともあり得ます。

ただし、株式投資には大きなリスクがあります。個別銘柄株は企業の業績や市況次第で株価が大きく上下動し、損切りや分散投資などのリスクヘッジができていなければ、資産を半減させかねません。それに、倒産してしまえば株式の価値はゼロになります。

では、「S&P500」などの実績あるインデックスファンドやETFなら安全に資産を増やせるかといえば、そうでもありません。下図の通り、「S&P500」でさえ過去100年間で30%以上の暴落に8回も直面し、その平均の下落率は約49%です。

【画像】「S&P500」が過去100年間で30%以上の暴落に直面したリスト
【画像】「S&P500」が過去100年間で30%以上の暴落に直面したリスト


つまり、米国株だけで3000万円の資産を持っていた場合、一時的な含み損とはいえ約1500万円が失われるわけです。こうしたリスクを持つ株式投資は、なんの知識も経験も持たずに挑めばギャンブルでしかなく、これらのリスクも成功もすべて、まさに「天の運」となってしまうでしょう。

一方、投資の知識や経験がまったくなくても、確実に利益を得る投資方法があります。それが国債です。

国債は元本保証であり、購入時に約束された金利どおりの利子を乗せて償還されます。例えば、米国債の10年債が利率4%のときに1000万円分を購入したら、米国が財政破綻しない限り、10年後に確実に利子をつけて1400万円になるのです。

現実的に考えて、先進国、まして米国が財政破綻することは考えられないため、国債はノーリスクの投資商品ということができます。株式投資に比べて大きな利益は得られませんが、「安全資産」としてのリスクの低さが国債の優位性です。

ただし、「株はリスクが大きいから、国債だけで資産形成しよう」というわけではありません。逆に、リスクのある株式市場で攻めの投資を行うには、守りの要として国債に分散投資をすることが大切だということです。

資産3000万円のうち、株式投資と国債を5:5にしておけば、たとえ約50%の株価の暴落に見舞われても、含み損は750万円で済みます。その資産総額が5000万円、1億円と大きければ大きいほど、国債のリスクの低さが資産家にとって重要なものとなります。

実際に、多くの投資家が資産の数十%〜半分は、守りの投資として国債を保有するのが一般的です。

また、投資における市場規模は株式より債券のほうが巨大なのです。世界全体の株式市場の時価総額が105.8兆米ドルなのに対し、債券市場の時価総額は123.5兆米ドル(米国証券業金融市場協会 2020年末時点推計)。つまり、世界全体で株式よりも債券のほうが約10兆ドルも多く流通し、それだけの需要があるというわけです。

これから米国債を買うなら、まず国債の種類を理解しておく

米国債とひと口にいっても、様々な種類があります。これからはじめて米国債を検討する人が、最低限知っておくといいことを以下にまとめます。まずは、「新発債」と「既発債」の違いです。

<新発債と既発債>

新発債……新規に発行される債券。発行価格で取引されるが、一定の募集期間内でのみ購入できる。
既発債……すでに発行され、流通市場(セカンダリーマーケット)に出回っている債券。価格は日々変動する。

国債における新発債は、例えば「5年債」「金利3%」などの発行条件であれば、そのまま年間3%の利子がつき、5年で1万円が1万1500円になる国債を購入することができます。ただし、募集期間内でなければ買うことができません。

そうした新発債が、いわば中古市場のように売買されるのが既発債です。既発債では、新発債の時点での金利と残存期間、その時々で変化する取引価格をもとに、最終利回りが表示されます。

気になるのは、「新発債」と「既発債」のどちらを買うべきかです。冒頭で「米国債はいまが買い場」と書きましたが、それは新発債でも既発債でもどちらでも構いません。なぜなら、金利の上昇に合わせて古い既発債も市場価格が下がり、利回りが調整されるからです。

例えば、国債の金利が3%から4%に上昇したとします。そうなると、3%の利率の古い国債よりも、利率4%の新発債を購入する動きが起こります。その結果、3%の古い国債の市場価格が下がり、額面では1万円の国債のまま取引価格が低下し、利回りが上昇するといったことが起こるわけです。新発債の利回りと比較し、損にならない利回りのものを選ぶといいでしょう。

また、国債には短期・中期・長期・超長期の期間の違いがあります。

<国債の期間>
短期国債………期間が1年以下
中期国債………1年超5年以下
長期国債………5年超10年以下
超長期国債……10年超

新発債の場合、正常であれば償還までの期間が長い長期国債のほうが、期間が短い短期国債や中期国債よりも利率は高いことが一般的です。しかし、現在の米国は、短期金利が長期金利を上回る「逆イールド」という逆転現象が起きています。

そうであれば、わたしの場合は、わざわざ長期国債を選ぶ必要性はなく、短期・中期でより高く償還金を受け取り、そのときの利率で国債を検討するか、別の投資を検討するかを判断します。もちろん、今後10年にわたってこれほどの金利上昇はないと判断し、10年債を選ぶのも立派な投資判断です。みなさんの予測と投資スタンスに沿って判断してください。

最後に、為替リスクについて説明しておきましょう。

2024年3月現在、円ドル為替は円安の状態にあり、円で米国債を買うには割高な状態です。もし償還期限を迎えた際に、1米ドルあたり90円台に近づく円高であれば、利息分が相殺される可能性があります。

その場合は、償還金を米ドルのまま証券口座に保管しておくのがベターです。そのまま米国株や米国債に再投資してもいいですし、ただ寝かせておくだけでも構いませんが、米ドルを円に交換する場合には、購入時の為替レート、またはより円安のときに行うことで為替による損を防ぐことができます。

構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、取材・文=吉田大悟

『月5万円の米国株投資で経済的自立を達成する! FIRE最強の教科書』
SBクリエイティブ(2022)
ロジャーパパ 著

【プロフィール】ロジャーパパ
GAFA企業での勤務のかたわら、2017年より本格的に米国株を中心とした株式投資をスタート。身につけた株式投資の知識を活かし、2019年よりYouTubeチャンネル『ロジャーパパの米国株投資』を開設し、2023年3月現在、チャンネル登録者数11.2万人の人気チャンネルに成長。現在は9年勤続したGAFA企業を退職し、2021年11月よりFIREを実現。証券会社等のセミナーに登壇するほか、外資時代の人脈を活かし企業の外部取締役も勤めている。著書に『月5万円の米国株投資で経済的自立を達成する! FIRE最強の教科書』(SBクリエイティブ)がある。

あわせて読みたい

人気ランキング

お知らせ