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命の母が発売120周年!女性の50年に寄り添うブランドが伝えたい生理・更年期との向き合い方

2023/10/19 18:00
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女性特有の悩みと向き合う「フェムテック」や「フェムケア」の市場が急拡大している。そんな言葉がなかった明治時代に、「女性を助けたい」という、ひとりの青年の思いから誕生したのが女性保健薬「命の母」。2023年9月に発売から120周年を迎えた。更年期症状やPMS(月経前症候群)など、女性特有の悩みに長く寄り添ってきた製品を通じて、現代の女性に伝えたいメッセージとは?製品が誕生した背景やマーケティングについて、小林製薬株式会社 ヘルスケア事業部 医薬品カテゴリー 漢方・生薬マーケティングGの佐中みぎわさんに話を聞いた。

今回お話を聞いた小林製薬株式会社 ヘルスケア事業部の佐中みぎわさん
今回お話を聞いた小林製薬株式会社 ヘルスケア事業部の佐中みぎわさん


女性ホルモンに振り回される50年に寄り添うブランド

――「命の母」はどのように誕生したのでしょうか?
【佐中みぎわ】「更年期」という言葉がまだなかった明治時代に、笹岡省三という男性が創薬しました。現代もそうですが、当時も女性は家事に育児に労働にと、非常に過酷な環境で生活しておりました。笹岡省三の母親は体が弱く、それでも家族のために働く母親を見て「女性たちを何とか助けたい」という思いで研究を重ね、完成させたのが「命の母」です。

「命の母A」は、ホルモンバランスや自律神経の乱れからくる更年期の不調を改善する医薬品
「命の母A」は、ホルモンバランスや自律神経の乱れからくる更年期の不調を改善する医薬品【画像提供=小林製薬】

「命の母ホワイト」は、生理前~中の不調を改善する医薬品
「命の母ホワイト」は、生理前~中の不調を改善する医薬品【画像提供=小林製薬】


【佐中みぎわ】「婦人病者が全幅の信頼をもって迎えるような理想薬をつくりたい」という思いがあり、それはつまり「婦人の生命」であるというところから、「命の母」と名づけました。それが現在の「命の母A」という製品で、ほてりなどの身体的症状から、イライラなどの精神的症状まで、更年期のさまざまな症状を改善する医薬品です。女性ホルモンバランス調節や自律神経調節などの作用のある生薬13種と、ビタミン類を配合した独自処方となっています。

【佐中みぎわ】1977年(昭和52年)に誕生した「命の母ホワイト」は主にPMSなどの生理の不調を改善する医薬品です。PMSとは、イライラや倦怠感、腹痛、肌荒れなど、生理3~10日ぐらい前に始まる心と身体の不調を指します。現在はラインナップをさらに拡充し、更年期の肌の症状を改善する「命の母メグリビ」や、55歳ごろ以降の更年期後の不調を改善する「命の母アクティブ」という製品もあります。「命の母」は女性の心と身体の健康のため、ホルモンの影響をうける女性の50年に寄り添うブランドです。

「命の母 アクティブ」は、55歳ごろからの更年期後の肩こり・腰痛、重だるさ、冷えなどの不調を改善する医薬品
「命の母 アクティブ」は、55歳ごろからの更年期後の肩こり・腰痛、重だるさ、冷えなどの不調を改善する医薬品【画像提供=小林製薬】

「命の母 メグリビa」更年期の症状に加え、かさつきやしみなどの肌の不調を改善する医薬品
「命の母 メグリビa」更年期の症状に加え、かさつきやしみなどの肌の不調を改善する医薬品【画像提供=小林製薬】


――発売当初から変わった点はありますか?
【佐中みぎわ】薬の処方は、大きくは変わっていませんが、発売当時は煎じて飲むタイプだったものが、1952年(昭和27)に忙しい女性が手軽に飲めるように錠剤に、そして1967年(昭和42)にはビタミン類を配合し、現在にいたります。

「わかりやすさ」を重視したマーケティング

――2005年に販売権が小林製品に移ってから変わった点は?
【佐中みぎわ】一番大きな変化点はパッケージデザインです。困っている方の多くに手に取っていただけるよう、パッケージ表面に「生理」「更年期」といった言葉を明記し、何のための商品なのか、ひと目でわかるパッケージに変更しました。

発売当初の「命の母」のパッケージ
発売当初の「命の母」のパッケージ【画像提供=小林製薬】


――現在はEC限定で、生理前の眠気を起こりにくくする「命の母 ホワイトシリーズ ネムルナ」や異常な食欲を抑える「同 タベルナ」など、細分化されているのも、わかりやすいですね。
【佐中みぎわ】上記「命の母A」「命の母ホワイト」のパッケージ変更理由同様、わかりやすさ、またネーミングの覚えやすさにもにこだわっています。「命の母ホワイト」発売後も、「なぜか眠くなる」「食欲が抑えられない」といったお悩みを受け開発したのがこちらの2品です。小林製薬は2023年2月に「見過ごされがちなお困りごとを解決し、人々の可能性を支援する」をパーパスとして制定しましたが、「命の母」はまさにそれを体現するブランドだと思っています。

命の母 ホワイトシリーズ「ネムルナ」
命の母 ホワイトシリーズ「ネムルナ」【画像提供=小林製薬】

命の母 ホワイトシリーズ「タベルナ」
命の母 ホワイトシリーズ「タベルナ」【画像提供=小林製薬】


――ユーザーへのインタビューなどは頻繁に行われているのですか?
【佐中みぎわ】「生活者の困りごとを聞いて実態を知る」姿勢は、小林製薬として深く根づいています。アイデアの出し方はそれぞれですが、インタビューや行動観察などを通じて、困っている人のリアルな実態を把握することを大事にしています。

AIチャットで生理や更年期の症状を自分ごと化

――2021年から開始されたサービス「命の母AIお悩み相談」について教えてください。
【佐中みぎわ】チャット形式で、生理や更年期の諸症状に関する質問に答えていくと、不調のタイプ判定や監修医のアドバイス、自身の症状にぴったりな「命の母」製品の提案などを行うサービスです。人によって症状が異なり、同性同年代でも理解を得られにくいお悩みですので、共感や安心感を得られる設計にこだわりました。症状そのものは決して軽んじてはいけないものですが、自分ごと化して対処する初めの一歩として、まずはこのようなタイプ判定から始めていただけたらと思います。

「命の母AIお悩み相談」の相談画面のイメージ
「命の母AIお悩み相談」の相談画面のイメージ【画像提供=小林製薬】


【佐中みぎわ】タイプ判定のあとには、生活習慣から変えられるようなアドバイスを提示しております。睡眠や食事が大切など基本的なことですが、タイプ判定された症状に向けた監修医のアドバイスという形で提示することで、納得感を持って、実際に取り組んでみようと思えるように工夫しました。

「命の母AIお悩み相談」の回答画面のイメージ
「命の母AIお悩み相談」の回答画面のイメージ【画像提供=小林製薬】


【佐中みぎわ】その次に、自分と同じ年代の平均的なお悩みと、自分自身の悩みを比較できるレーダーチャートを提示しています。今でこそ生理や更年期について話しやすくなってきましたが、なかなか詳細には話せないという方もいらっしゃいます。また、症状が違うと、お互いに理解しにくい部分もあるのではないでしょうか。そこで、同じ年代の平均と比べることで、平均に近ければ「みんなも悩んでいる」と安心感や共感を得られますし、自分が平均よりも突出して高い症状があれば、対処したほうがいいと気付くきっかけになります。そして最後に「命の母」のなかから、おすすめ製品を提示しています。

――実際に使ってみると、細分化された具体的な悩みが選択肢としてあって答えやすかったです。
【佐中みぎわ】そこは意識した点で、問診のように「どんな症状がありますか?」と投げかけるだけでは、なかなか言葉にしにくいのではないかと思いました。結果として、7割以上の方が最後まで利用してくださっています。

――「命の母AIお悩み相談」をきっかけに「命の母」を手にとった人も多いのでは?
【佐中みぎわ】ドラッグストアなどでお求めの方のきっかけがこちらのサービスかどうかまでは把握しきれていないのですが、ブランドサイトから直接ECサイトに遷移された方と、ブランドサイトでAIチャットを使ってからECサイトに遷移された方では、後者のほうが遷移率が高くなっています。自分に合うものがわかることで、安心・納得してご購入につながったのではないでしょうか。

「我慢しないで」意識の変化を促すコミュニケーション

――最近は「生理をタブーにしない」という意識が浸透しています。どのように感じていますか?
【佐中みぎわ】弊社は、生理に限らず、更年期やおりもの、デリケートゾーンのトラブルなどの不調を解決する製品を開発し、わかりやすく伝えることで、たくさんのタブーを壊してきました。ひと昔前のタブーを今では当たり前にしてきたように、今のタブーを近い将来の当たり前にし、不快を解決していきたいと考えています。

【佐中みぎわ】弊社の製品開発やコミュニケーション活動と、世の中の動きとが相まって「PMS」という言葉の認知や自覚も高まっている一方で、生理については、約4割の方が「対処できないこと」「我慢するもの」と思っていらっしゃいます。「命の母ホワイト」では、製品のアテンションシールや広告などで「我慢しないで」と伝えてきましたが、より意識の変化、そして行動の変化につながるコミュニケーションを強化していきたいと考えています。

【佐中みぎわ】また、インタビューをしていると、高校生くらいから生理のトラブルがあり、20年以上我慢してやり過ごしてきたので「我慢しないで」と言われたところで、「でも今まで何とかやってきたし」という声を聞くことがあります。生理を初め女性ホルモントラブルに悩む方全てに、うまく頼ってほしいと思いつつなのですが、新たに女性ホルモントラブルに悩み始める若い世代に「女性ホルモントラブルは対処できるもの」「対処の選択肢として『命の母ホワイト』がある」ことを、しっかり伝えていきたいと考えています。

――若いうちから対処していると、更年期への不安も和らぎそうですね。
【佐中みぎわ】はい。若い世代に向けては「命の母ホワイト」を中心に、将来こんな症状が出てきたら「命の母A」という製品で対処できると伝えることで、安心感につながればいいなと思います。また、自分の将来としてだけではなく、更年期について知ることで、「自分の母親はこういうことで悩んでいるかも」と気づけるかもしれません。優しい思いやりにつながるとうれしいです。

――最後に、ユーザーへのメッセージをお願いします。
【佐中みぎわ】生理が始まり、更年期があり、さらに更年期のあとも、女性は人生の大半を、女性ホルモンの影響を受けています。困っていることの中には、対処できるものがあります。そのために「自分の症状には、この製品だ」と選べるような情報発信をしていきたいと思います。生理のトラブル、更年期のトラブルは、我慢するのが当たり前ではなく、対処できるものとして付き合っていく。頼るという選択肢を持っていただく。そこで「命の母」が役に立てるとうれしいです。

この記事のひときわ#やくにたつ
・必要とする人に届けるために「わかりやすさ」を大切にする
・リアルな悩みを開発に活かす
・多彩なラインナップで、さまざまな悩みに長く寄り添う

「命の母」ブランドサイト:https://www.kobayashi.co.jp/brand/inochinohaha/

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