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「億り人」になるための投資パターン。3万人の投資家に接した元証券マンが証言

2023/05/29 09:00
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経済コラムニストの大江英樹さん
経済コラムニストの大江英樹さん【撮影=藤巻祐介】

そもそもの投資額をできるだけ増やす

ただし、投資信託で大きな資産をつくるには、シンプルに「投入する金額をできるだけ増やす」ことも重要です。

毎月2万円ずつ20年間積み立てると元本は480万円になりますが、利回り3%の複利で運用すると最終積立金額は約660万円になります。利回り5%の場合なら、最終積立金額は約820万円です。たしかにすごく儲けられそうですよね。

でも、注意が必要なのは「収益率配列のリスク」というものです。これは、「収益率の並び方が残高に影響するリスク」のこと。例えば、資産運用シミュレーターといったものでは、3%の複利なら毎年決まって3%ずつというかたちで最終積立金額を計算します。先の例もそのかたちで出しています。

でも、毎年確実に3%ずつ上がる株など存在しません。ある年は3%上がり、ある年は5%上がり、そしてある年には10%下がることだってあります。上がったり下がったりを繰り返しながら、最終的にはトータルで3%上がるというだけの話です。

そして、トータルで3%とはいっても、投資期間の最初に一気に上がって最後にドーンと落ちるというパターンもあれば、逆に最初に下がって最後にガーッと上がるというパターンだってあります。そして、その両者の結果には大きな差が生まれ、よりたくさん儲けられるのは後者のパターンです。まさに、「収益率の並び方が残高に影響する」わけです。

つまり、複利効果によって最終的にマイナスにはならなくても、ケースによってはシミュレーションによる運用結果の金額に届かないことも当然あり得ます。ですから、そもそもの積立額を増やすことを考えてみるべきなのです。

例えば、毎月2万円の積立額を3万円に増やせば、複利を考慮せずとも20年で元本は720万円に達します。利息ゼロでも720万円になるのですから、毎月2万円を3%の複利で運用した場合のシミュレーション結果である660万円を上回ります。4万円にしたら元本は960万円となり、2万円を5%複利で運用した場合の820万円をも上回ります。もちろん複利を考慮すれば、積立額3万円、4万円の最終積立金額は、積立額2万円の場合の比ではありません。

限られた収入のなかで毎月の投資額を増やすことは簡単ではないかもしれません。でも、例えば昇給したタイミングで増やすなど、少しずつでもいいので投資額を増やす習慣をつけること考えてほしいと思います。

【プロフィール】大江英樹(おおえ・ひでき)
1952年生まれ、大阪府出身。経済コラムニスト。専門分野はシニア層のライフプランニング、資産運用及び確定拠出年金、行動経済学等。大手証券会社に定年まで勤務したのちに独立。書籍やコラム執筆の傍ら、全国で年間140回を超える講演をこなす。『50歳からやってはいけないお金のこと』(PHP研究所)、『お金の賢い減らし方』(光文社)、『定年後夫婦のリアル』(日本実業出版社)、『知らないと損する年金の真実』(ワニブックス)、『あなたが投資で儲からない理由』(日経BP)、『一生お金で困らない人生の過ごしかた』(すばる舎)など著書多数。

この記事のひときわ#やくにたつ
・投資による資産形成は、長期での運用を前提とする
・株価が下がったときに買いにいくという覚悟を持つことが重要
・投資信託で大きな資産をつくるには「投入する金額をできるだけ増やす」

構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、取材・文=清家茂樹、撮影=藤巻祐介

『となりの億り人 サラリーマンでも「資産1億円」』朝日新聞出版(2021)
大江英樹 著

【プロフィール】大江英樹(おおえ・ひでき)
1952年生まれ、大阪府出身。経済コラムニスト。専門分野はシニア層のライフプランニング、資産運用及び確定拠出年金、行動経済学等。大手証券会社に定年まで勤務したのちに独立。書籍やコラム執筆の傍ら、全国で年間140回を超える講演をこなす。『50歳からやってはいけないお金のこと』(PHP研究所)、『お金の賢い減らし方』(光文社)、『定年後夫婦のリアル』(日本実業出版社)、『知らないと損する年金の真実』(ワニブックス)、『あなたが投資で儲からない理由』(日経BP)、『一生お金で困らない人生の過ごしかた』(すばる舎)など著書多数。

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