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敏腕個人投資家からの提言。「寝かせておくだけ」でお金を増やせるインデックス投資のすすめ

2023/04/13 20:00
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ひとことで「投資」といってもその選択肢は多種多様だ。多忙なビジネスパーソンであれば、日々の仕事に追われ、投資について研究する時間もなかなかとれないかもしれない。それこそ投資の初心者にとっては、どんな金融商品を買うことがベストなのか確信を持てないだろう。そこでアドバイスをお願いしたのは、自身もIT企業の社員として働きながら20年以上にわたって投資を続け、ブログを通じて投資に関する情報を発信している水瀬ケンイチさん。水瀬さんは、一般投資家に向けて「インデックス投資」を強く推奨する。

『お金は寝かせて増やしなさい』の著者・水瀬ケンイチさんにインタビュー
『お金は寝かせて増やしなさい』の著者・水瀬ケンイチさんにインタビュー


そもそも「インデックス投資」ってなに?

「インデックス投資」とは、「世界中に分散したインデックスファンドを積み立て投資して長期保有する」という投資法のことです。

この説明ではわからない人もいるかもしれませんので、もう少し詳細に解説しましょう。「インデックスファンド」とは、「投資信託」という金融商品の一種です。インデックスが指標、ファンドが投資信託という意味であり、インデックスファンドは、株価指数といった目安としている指標に連動した運用を目指す投資信託を指します。

そして、投資信託とは、「多くの投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資して運用する金融商品」のことです。多くの投資家からお金を集めるため、個人でも「少額から購入できる」というメリットがあります。「投資はお金持ちがするもの」と思っている人もいるかもしれませんが、投資信託は、証券会社によっては5000円や1000円、なかには100円から購入できるところもあるほどです。

それから、「たくさんの銘柄の株式や債券に分散投資できる」という点も投資信託のメリットでしょう。あるひとつの企業の株式だけを買ったとしたら、その会社が倒産した場合には株式は紙くずになります。そんな事態を招かないよう、資産をいくつかに分けてリスクを分散させるのが投資の基本です。

その点でいうと、投資信託は、何百、何千という銘柄に分散投資できますし、個人では投資しにくい国や地域の銘柄にも分散投資することができます。そんなに多くの企業が同時に業績不振におちいったり、まして倒産したりすることはあり得ません。それだけ、リスクを軽減できるというわけです。

インデックス投資が持つ3つのメリット

そして、このインデックス投資こそ、私が一般の人たちにおすすめしたい投資法です。その理由は、インデックス投資が持つ3つのメリットにあります。

【インデックス投資のメリット】
①手間がかからない
②実は世界標準のスタンダードな投資法
③お金の基礎知識として日常生活に役立つ

一般の人にとって、①は大きなメリットとなります。仕事はもちろん、家事や育児にも時間を追われ、そのなかで資産形成というテーマにじっくりと向き合うことはそう簡単なことではありません。そのため、手間がかからない投資法がフィットするのです。

投資法もさまざまですが、基本的な投資とは、投資対象銘柄を選択してタイミングを見て売買することで利益を得ようとするものです。でも、インデックス投資は銘柄選択もしなければタイミングを見て売買することもしません。インデックスファンドを毎月同じ金額を積み立てて、あとは寝かせておくだけ。まさに手間がかからないのです。

次に②。インデックス投資という言葉をはじめて知ったという人もいるかもしれません。でも、インデックス投資こそが世界標準の投資法といっていいものです。たとえば、日本には公的年金の年金積立金を運用しているGPIF(Government Pension Investment Fund/年金積立金管理運用独立行政法人)という世界最大級の機関投資家がありますが、このGPIFでも、約190兆円という莫大な運用資金の大半をインデックス投資によって運用しているのです。

金融のプロである世界中の年金基金や信託銀行、生命保険会社などの機関投資家のあいだでスタンダードな投資法として積極的に採用されているものこそがインデックス投資ですから、一般投資家にとってもお手本とするべき投資法だというわけです。

③については、今後、さらにその重要性が増していくと思います。メディアでは毎日のように物価高についての報道が続き、さらに税金や社会保障費も上がる一方です。そんな時代のなか、お金に無頓着なままだと自由に使える可処分所得がどんどん少なくなり、場合によっては生活が立ち行かなくなってしまうこともあり得ます。

お金を増やす、お金を減らさないための知識については、これからの時代を生きていくために必ず身につけないといけないものでしょう。

「価格変動リスク」を受け入れられるかどうか

ここまで、インデックス投資のよい面ばかりにフォーカスしてきました。ただし、インデックス投資も投資である以上、もちろんリスクも伴います。そのリスクとは、「価格変動リスク」というものに集約されます。価格変動リスクとは、価格が変動することで投資資産の価値が変動する可能性を意味します。

投資の世界における平均的なリターンは、年率5〜6%。ただ、年率5〜6%のリターンを得るためには、おおまかな目安として年率約20%というリスクをとる必要があるのです。この数字は、+20%ということもあれば、−20%ということもあります。その範囲内に約70%の確率で収まるというのが、価格変動リスクです。

「ノーリスク・ノーリターン」という言葉がありますが、この価格変動リスクというものを短期的には受け入れなければ、リターンは得られないのです。

ただ、このリスクについては、ある程度コントロールすることができます。私がいうインデックス投資は、「世界中に分散したインデックスファンドを積み立て投資して長期保有する」投資法であり、「長期保有する」点に大きなポイントがあります。

先にもお伝えしましたが、タイミングを見て短期間で売買するものではなく、20年、30年にわたって資産を保持し続ける手法です。そのため、1年など短期間で見たときには、コロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻といった情勢の変化によって資産価格が大きく下落することもあるかもしれませんが、それを受け入れて長期的に淡々とインデックス投資を続ければ、数十年後に振り返ったときには、年率5~6%のリターンに収れんする可能性が高いのです。

「寝かせておくだけ」でお金を増やせるインデックス投資のすすめ
「寝かせておくだけ」でお金を増やせるインデックス投資のすすめ


この記事のひときわ#やくにたつ
・インデックス投資のメリットを学ぶ
・世界中に分散したインデックスファンドを積み立て投資して長期保有する

構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、取材・文=清家茂樹

『お金は寝かせて増やしなさい』
フォレスト出版(2017)
水瀬ケンイチ 著

【プロフィール】水瀬ケンイチ(みなせ・けんいち)
1973年、東京都生まれ。都内IT企業会社員にして下町の個人投資家。2005年より投資ブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」を執筆。インデックス投資家のバイブル的ブログとして評価され、日本経済新聞やマネー誌などに数多く取り上げられる。著書に『全面改訂 ほったらかし投資術』(朝日新書/経済評論家・山崎元との共著)、『マンガ お金は寝かせて増やしなさい』(フォレスト出版)がある。

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