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PRマーケティングが漫画家のキャリア形成の後押しする理由。「UGC創出マンガパッケージ」が作り出すPRマンガの未来とは

2023/05/09 15:00 | 更新 2023/05/09 15:38
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TwitterやInstagramといったSNSの普及とともに、SNSを利用したマーケティングに各社力を入れるようになってきた。そのなかでも、漫画家・イラストレーターに商品やサービスを紹介する漫画を執筆・投稿してもらう「PRマンガ」の手法もメジャーになってきている。

SNSマーケティング支援をするホットリンクとクリエイターエージェンシーのコルクがタッグを組んだ取り組み。よりクライアントに沿ったクリエイターの提案、作品の提供ができるとしている
SNSマーケティング支援をするホットリンクとクリエイターエージェンシーのコルクがタッグを組んだ取り組み。よりクライアントに沿ったクリエイターの提案、作品の提供ができるとしている【写真提供=株式会社ホットリンク】

2022年12月、SNSマーケティング支援サービスを提供する株式会社ホットリンクが、日本初のクリエイターエージェンシーである株式会社コルクと共同で新しいサービス「UGC創出マンガパッケージ」を始めることを発表した。漫画家の発掘・育成に力を入れているコルクと連携をとることで、よりユーザーの興味・関心を呼ぶPRマンガの制作を目指しているという。サービス設立に携わった株式会社ホットリンク アドテクノロジー本部 CNS事業部長・石渡広一郎さんに、企業がPRマンガを利用するメリットや、「UGC創出マンガパッケージ」の特徴について話を聞いた。

株式会社ホットリンク アドテクノロジー本部 CNS事業部長・石渡広一郎さん。「UGC創出マンガパッケージ」などの新規事業開発に従事。弁理士でもある
株式会社ホットリンク アドテクノロジー本部 CNS事業部長・石渡広一郎さん。「UGC創出マンガパッケージ」などの新規事業開発に従事。弁理士でもある【写真提供=株式会社ホットリンク】


良質なUGCがさらなるUGCを生むSNS時代にマンガがマッチ

そもそも、「UGC創出マンガパッケージ」にあるUGCとは、ユーザー生成コンテンツ(User Generated Content)のこと。具体的にいうとクチコミのような個人のSNS投稿、写真、ブログを指し、ホットリンクではこのUGCがマーケティングに非常に大きな役割を果たしていると考えているという。

ホットリンクが提唱するSNS時代の行動購買プロセス「ULSSAS(ウルサス)」。UGCを起点に行動購買が循環していくと考えている
ホットリンクが提唱するSNS時代の行動購買プロセス「ULSSAS(ウルサス)」。UGCを起点に行動購買が循環していくと考えている 【写真提供=株式会社ホットリンク】

「SNSにおいて、商材を利用したユーザーが『これよかったよ』と画像を付けて投稿することがありますね。これがUGCです。すると、UGCを目にしたSNSユーザーが『その商品が本当にいいのなら買ってみようかな』とTwitterなどのSNS内でほかのクチコミ(UGC)を検索します。ほかの人もその商材を評価しているのがわかると、GoogleやYahoo!などでさらなる検索をし、購入にいたります。そして商材が手元に届くと、その人自身も写真を撮って投稿する。そしてその投稿がさらなる購買につながっていくわけです。こうした一連の行動購買プロセスを我々は“ULSSAS(ウルサス)”と呼んでいます。ULSSASにおいて、UGCは商品の認知、購買を呼び込むために欠かせないものであり、質のよいUGCがSNSマーケティングに重要であると考えています」

SNSで「インフルエンサーが商品の使用感想をツイートする」というPR手法もよく見られるが、これに対し、マンガの執筆が必要なPRマンガは手間のかかった手法と言える。企業がPRマンガを活用するのにはどういったメリットがあるのだろうか。

「UGCが生まれやすい商材と生まれにくい商材があります。手に取って、写真が撮りやすい商材はクチコミ投稿がされやすいです。一方で、検索サイトなどのWebサービスや無形商材はUGCが生まれづらいんです。例えば、賃貸のポータルサイトに対して『このポータルサイトで賃貸物件を見つけられた、よかった』というような投稿はなかなか自然発生しません。PRマンガはこうしたUGCが生まれにくい商材に対する、有効なアプローチのひとつと考えています」

ホットリンクによる過去のPRマンガマーケティング例。カーライフ全般をサポートする自動車メディア「グーネット」の公式Twitterアカウントで配信された「車Lv.1の僕と車Lv.100のギャル」(僕ギャル)のワンシーン
ホットリンクによる過去のPRマンガマーケティング例。カーライフ全般をサポートする自動車メディア「グーネット」の公式Twitterアカウントで配信された「車Lv.1の僕と車Lv.100のギャル」(僕ギャル)のワンシーン【写真提供=株式会社ホットリンク】

過去には、カーライフ全般をサポートする自動車メディア「グーネット」の公式TwitterアカウントでPRマンガを配信することにより、ポジティブなUGCを増やすことに成功している。こうした取り組みから、マンガとSNSの相性がよいことを実感してきたと石渡さんは話す。

「SNSにおける日本ユーザーの特徴として、マンガというコンテンツに非常に慣れ親しんでいるということがあります。投稿に反応したユーザー数の割合を示すエンゲージメント率を見ても、ほかの手法よりもマンガは高いです。特にTwitterはその傾向が顕著ですね。文字だけでは長くなってしまう、動画にすると説明っぽくなってしまう、それが絵も交えたマンガだといいあんばいで伝わる。この絶妙さが、SNSマーケティングにおいてPRマンガがハマっている理由だと思います。以前よりPRマンガの執筆を、コルク所属の方にお願いすることがあり、コルクとのご縁がありました。今回、共同で事業を進めていくことで、マンガを使ったUGCの誘発・促進を図っていきたいと考えています」

コルクでは「コルクラボマンガ専科」という漫画家育成講座を運営しており、そこではプロの漫画家としてSNSやファンコミュニティを主戦場として創作活動をするための方法についてもレクチャーしている。PRマンガにおいて、クリエイター自身がSNSでの創作活動に精通していることは大きなプラスになる。また、「UGC創出マンガパッケージ」では、同時に複数の漫画家を起用するため、「コルクラボマンガ専科」在籍・出身者をはじめとした多くのクリエイターとつながりのあるコルクからクライアントに適した漫画家を提案してもらえることもメリットだ。

しかし、クリエイターによっては自身のSNSフォロワー数が少ないなど、SNSでの拡散力が小さいこともありえる。その点はPRマンガとしてデメリットになってしまわないのだろうか。

「フォロワーの少ない漫画家の作品であっても、広告配信をしていくので、デメリットとは考えていません。もちろん、認知度が高い作家のほうが広がりやすいということはありますが、そうでなかったとしてもSNSマーケティングとして成果のあるものを作っていけると考えています。PRマンガにおいても、おもしろいものを作るというのが非常に大事です。今後、例えば、TwitterやInstagramの仕様が変わって投稿できる画像の枚数が変わったり、サイズが変わったりということがあったとしても、SNSユーザーが何に対して“おもしろい”と感じるかは変わらないわけです。SNSの種類によってユーザーが何をおもしろいと感じるかのベクトルは異なりますが、そこさえ踏まえておけば、仕様変更には柔軟に対応していけます」と自信をのぞかせた。

通常のPRマンガ制作では、どんなマンガにするのかの方向性やコンセプト、雰囲気について代理店であるホットリンクが与件を作るが、「UGC創出マンガパッケージ」では、コルクや漫画家にも上流工程から関わってもらうことで、よりおもしろいPRマンガの制作につながると考えている。また、同一の商材に対して、複数のクリエイターがそれぞれの表現でマンガを描いていくので、商材の魅力をバラエティ豊かに伝えられることになりそうだ。

PRマンガに関わる人すべてがハッピーになるサイクルを

石渡さんはクリエイターにPRマンガの執筆を依頼するときに、引け目のようなものを感じることもあったという。

「PRマンガだとクライアントである企業側にこういうことを描いてほしいという与件があるわけです。そこが作家さんに対しての負担になってしまうのではないか、作家さんの創作性を削ぐことになってしまうんじゃないかと思うことがありました。自分の作品で世の中に認知してもらうのがクリエイターの方にとって大事なことだと思っていたので、代理店が与件を決めて描いてもらうというのはキャリア形成にとって不利益になってしまうのではと心配していたんです」

しかし、その心配はコルクの代表である佐渡島庸平さんとの対談で晴れたという。佐渡島さんは講談社在籍時代、編集者として「バカボンド」「ドラゴン桜」「宇宙兄弟」といったヒット作品を手がけたことで知られている。

「佐渡島さんが『マンガは情報を伝えるのではなく、感情を伝えるもの』ということを話されていました。サービスや商品のPRマンガであっても『感情を表現する』ということが大事であることは変わりがありません。日々の悩みをPRしたい商品やサービスが解決する、そのときの感情や心の動きをマンガに描いてほしいとクライアントは思っているわけです。なので、PRマンガは漫画家の方々にとって貴重な経験になるかもしれないと考えるようになりました。些細と言われるような小さな出来事であっても、おもしろく表現できるのがマンガの魅力ですから、“おもしろいPRマンガ”を描いていただけると感じています」

石渡さんがクリエイターのキャリア形成にも心を配るのには、弁理士としてアーティストやクリエイターを支援する団体「Arts and Law」に所属しているという経歴も大きく関わっているようだ。

「私は弁理士として『Arts and Law』でアーティスト、クリエイターを支援してきましたが、士業としての関わりってどうしても限定的になってしまうとも感じてきました。クリエイターの方々を支援していくときに、結局のところ彼らに仕事を用意してしかるべき報酬を受け取ってもらうというのが一番の力添えになると思ったんです。もともとはホットリンクには監査役として就いたんですが、クリエイターの方々への仕事を作っていきたいという話をホットリンク執行役員 CEOの桧野安弘にしたら『それならうちでやってみないか』と言われ、そこからコンテンツを使った新規事業開発を進めるようになりました。『UGC創出マンガパッケージ』はそのひとつなので、今回、コルクとの提携が実現したことをうれしく思っています」

PRマンガを作ることが、クライアント、クリエイター、代理店となるホットリンクやコルク、そして消費者となるユーザーすべてにとってよいサイクルにしていきたいと意気込みを語る石渡さん。多くのクリエイターがPRマンガに関わることで、今までにはないPRマンガが生まれることも期待できそうだ。

この記事のひときわ#やくにたつ
・良質なUGCを作ることで、さらなるUGCが期待できる
・SNSユーザーの傾向を踏まえたうえでのコンテンツ制作が肝心
・win-winのサイクルを作ることで、中長期的なビジネスにつながる

取材・文=西連寺くらら

■株式会社ホットリンク
ホームページ:https://www.hottolink.co.jp/
コラム「マンガとSNS、なぜこんなに相性が良いのか? 佐渡島庸平さんに訊いてみた」:https://www.hottolink.co.jp/column/20230131_112886/

■株式会社コルク
ホームページ:https://corkagency.com/

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