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「また佐賀県が何かやっている」。ゲーム・アニメコラボほか10年間36件のプロジェクトで佐賀をアピールし続ける「サガプライズ!」の戦略とは

2023/04/23 10:00
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2022年のクリスマス、「お呼びですか、お嬢様」と現れたのは執事・サガスチャン。全国の老若男女のお疲れお嬢様を癒やすべく、Twitterの「#サガスチャンわたくしお腹ペコペコですわ〜〜〜」の呼び声に応えて現れる“空腹お嬢様向けタイムライン執事”だという。美声(CV:杉田智和)で紹介されるのは、佐賀牛(R)や白石れんこん、嬉野温泉の温泉湯どうふ、シシリアンライスといった佐賀県グルメたち。彼は佐賀県グルメで全国の“お嬢様”をおもてなしするために作られた佐賀県グルメ激推し執事なのだ。

空腹お嬢様向けタイムライン執事・サガスチャン。「#サガスチャンわたくしお腹ペコペコですわ〜〜〜」をつけてツイートをすると、リプライでサガスチャンの動画がついてくるという仕組みで運用された(キャンペーンは終了)
空腹お嬢様向けタイムライン執事・サガスチャン。「#サガスチャンわたくしお腹ペコペコですわ〜〜〜」をつけてツイートをすると、リプライでサガスチャンの動画がついてくるという仕組みで運用された(キャンペーンは終了)【写真提供=サガプライズ!】


サガスチャンを生み出したのは、佐賀県の情報発信プロジェクト「サガプライズ!」。佐賀県政策部広報広聴課が取り組んでいる地方創生プロジェクトで、さまざまな企業とのコラボレーションやオリジナルコンテンツを打ち出し、話題を集めている。ユニークな企画の数々がどのように生まれているのか「サガプライズ!」のプロジェクトリーダー・柴田晃典さんと、「サガスチャン」を担当したプロデューサーの愛垣桜さんに話を聞いた。

「サガプライズ!」のプロジェクトリーダー・柴田晃典さん(右)と、「サガスチャン」を担当したプロデューサーの愛垣桜さん(左)
「サガプライズ!」のプロジェクトリーダー・柴田晃典さん(右)と、「サガスチャン」を担当したプロデューサーの愛垣桜さん(左)【撮影=三佐和隆士】

「コラボ県はじめます」宣言からスタート!10年で36件のプロジェクトを実施

佐賀県がさまざまな企業やブランドなどとのコラボレーションを始めたのは2013年に遡る。

「当初は『FACTORY SAGA』という名前で、『コラボ県はじめます、佐賀県。』というキャッチフレーズとともに2013年よりスタートしたプロジェクトでした。情報を“作り”、発信力のある企業などとコラボをすることで、佐賀県の魅力を広く届けることを目標としていました」と柴田さん。

コラボプロジェクトの第1弾となったのは、女性誌・ファッション誌を多数手掛ける宝島社との「かわいいものラボ」。佐賀県の名物・名産、イベントを女子向けにプロデュースしていくというという内容だった。

「このころはターゲットをSNSや口コミでの情報拡散力を持つ “都内在住の30代女性”と明確に定めていました。彼女たちにどうしたら佐賀県のものをかわいいと思ってもらえるか、情報を発信してもらえるかを宝島社と考えていきました」

“都内在住の30代女性”というターゲティングが大きく変わるようになったのは大手ゲームメーカーのスクウェア・エニックスとのコラボがきっかけだという。

「2014年にスクウェア・エニックスの人気ゲーム『サガ』シリーズとのコラボ企画を開催しました。この20年近く前から“サガ”と“佐賀”のご縁から、何かご一緒したいという話は出ていたのですが、ゲーム会社とのコラボという素地がなく、実現にはいたってなかったのですが、ようやく形になりました。『Romancing(ロマンシング)佐賀』と銘打ち、東京・六本木にショップを出店したところ、非常に大きな反響がありました。想像以上に多くの方に来店していただき、その様子はニュースにもなりましたね。当時、自治体がゲームとコラボをするのも珍しかったので、佐賀県がおもしろいことをやっているというPRにもなりました。その後、FACTORY SAGAをさらに発展させていこうということで、2015年に『おどろきの佐賀、ぞくぞく。』というキャッチフレーズで『サガプライズ!』が始動しました」

サガスチャンはSNS企画だけではなく、都内の人気カフェとのコラボも実施。等身大パネルのサガスチャンが“お嬢様”方を出迎え、佐賀グルメ満載のアフタヌーンティーを提供した
サガスチャンはSNS企画だけではなく、都内の人気カフェとのコラボも実施。等身大パネルのサガスチャンが“お嬢様”方を出迎え、佐賀グルメ満載のアフタヌーンティーを提供した【撮影=三佐和隆士】

「サガ」シリーズとのコラボを皮切りに、「スプラトゥーン」「おそ松さん」「ユーリ!!! on ICE」「ストリートファイターⅡ」と有名アニメやゲームとのコラボを次々と打ち出している。地方自治体がゲームやアニメといったコンテンツとのコラボを開催することは、県外へのアピールはもちろん、県内にもいい影響があったようだ。

「『サガプライズ!』としては全国に向けて情報発信をしているのですが、、県内の反応も大事にしていきたいと思っています。『サガプライズ!』がTwitterで新しい企画を発表すると、佐賀県の方が『自分のところの県がこんなことをやっている、参加してみたい』と反応してくださるんですね。今年5月に多目的アリーナ『SAGAアリーナ』が開業し、さまざまなイベントなどが開催予定ではありますが、これまでは佐賀県でエンターテインメントを感じられる機会は多くなかったと思います。それが、『サガプライズ!』が有名企業やコンテンツとコラボしたさまざまな企画を立ち上げていくことで、県内の方にも喜んでいただけるようになってきました。就職活動で佐賀県庁を受ける人のなかにも『サガプライズ!』で県庁のことを知ったとか、『サガプライズ!』で仕事をしたいと話してくれる方もいるようです」

地方自治体が地元の特産品などをPRするのにはアンテナショップを都内に出店するのが常套手段といえるが、佐賀県は出店していない。これはなぜだろうか?

「アンテナショップを出すとなると、まず場所の問題があります。例えば銀座・有楽町エリアには地方自治体によるアンテナショップが数多くありますが、一等地になりますからその家賃経費は莫大なものです。また、輸送コストもかかります。佐賀県から商品を運ぶとどうしても時間がかかってしまいますから、新鮮なものを置くことも簡単ではありません。なので、佐賀県としてはプロジェクトを生み出して、情報発信することに注力しています。『サガプライズ!』は東京に拠点を置くことで、企業やクリエイターの方々とのやりとりを円滑にし、都内を中心とした情報発信の足掛かりとしています」

■サガプライズ!
ホームページ:https://sagaprise.jp/
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCc3um9x2MDyZKI-KWJ55ViA
Twitter:@sagaprise
Instagram:@sagaprise

■佐賀県グルメ
Twitter:@saga_meshi
「サガスチャン」ホームページ「わたしとサガスのデリシャスライフ」:https://sagaprise.jp/sagastian/
「佐賀海苔主役祭り」ホームページ:https://sagaprise.jp/saganorishuyaku/
「23時の佐賀飯アニメ」ホームページ:
https://sagaprise.jp/23jinomeshiani/

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