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FP飯村久美さんに学ぶ『貯蓄1000万円の壁』を越えるコツ。「貯蓄1000万円の壁」を越えると、自己肯定感が高まる

2023/07/09 18:00 | 更新 2023/07/31 13:57
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円安による生活コストの上昇や、老後資金問題など、お金に関する漠然とした不安を抱えている人も多いはず。一方で、これまでにも「お金を貯めたい」と考えてきたにもかかわらず、なかなかうまくいかないという人も少なくないだろう。ここでは、『年収300万円でもラクラク越えられる「貯蓄1000万円の壁」』の著者でもあるファイナンシャルプランナーの飯村久美さんが、お金を増やすコツや「貯蓄1000万円の壁」を越えるメリットを紹介。

今回は第47回。


ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん
ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん【撮影=樋口涼】


ここでお伝えしたいのは、「お金が貯まると、自分に自信が持てる」ということです。目標にしていた額を貯められたという事実は、あなたにとっての確かな自信となってくれます。

「今月もこんなに貯められた!」「1年間でこんなに貯蓄が増えた!」という流れを続けることで、「自分はできる!」という、いわゆる、自己肯定感を高めることにつながっていくのです。それが、自信です。

私は、この自己肯定感という言葉は、貯蓄を増やすうえで大切なキーワードになると考えています。自己肯定感とは、簡単にいえば「自分には価値がある」「自分は大丈夫」と思える感覚のことです。その自己肯定感が低かったら、いつまで経っても自分を認めることができませんから、おそらく目標にする貯蓄を実現することは難しいでしょう。少なくとも地に足がついた状態で、しっかりと貯蓄することができないのはあきらかです。

だからこそ、「今月も目標金額を貯蓄にまわせた」という、お金に関する小さな成功体験を重ねて、自己肯定感を高めていく必要があるのです。

自己肯定感が低く、貯蓄も増やせない……。そんな人は、お金がなくていつもソワソワして、不安を感じながら生きています。その不安がさらなる負のループをつくり出し、ストレス発散のために無駄遣いする……。お金が貯まらない人は、お金に関する成功体験が絶対的に不足しているということです。まずは小さな目標で構いません。一歩一歩、目標を達成することからはじめましょう。

これは、私のところに相談に訪れた、女性クライアントの話です。お子さんが生まれたばかりで育児休暇を取ったときのこと。それによって世帯収入が下がったため、しばらくは、夫の給与でやりくりしようと決めたそうです。

彼女の家庭は、それまでは外食が多かったため、実験的に「1カ月の食費を4万円にしよう」と目標を立てました。1日で1300円、1週間で8000円という計算です。それを1日、1週間、1カ月とクリアしていけるか、コツコツとチャレンジを続けました。

1週間が無事経過し、もう1週間、あと1週間と続けていったら、あっという間に1カ月が経過しました。彼女は、その1カ月を振り返ってみたそうです。そこで思ったのは、「献立を決めてなにを買うかを明確にし、予算内で家族においしい料理をつくることが思いのほか楽しかった」ということ。たったこれだけのことですが、この成功体験がかなりの自信になったといいます。

このように、たとえ小さなことでも成功体験を積み重ねると、自信が芽生え、自己肯定感が高まっていきます。脳は楽しいことに快感を覚えると、「もっともっと!」と要求してきます。すると、お金が貯まるスピードも加速度的に上がっていきます。私はこの瞬間を、「貯まるスイッチが入る」と表現しています。

このスイッチは、誰にだってあるものです。ただ、どんなことでスイッチが入るかは人それぞれ。

ある人は、銀行口座の残高が増えていくことでスイッチが入るでしょうし、先の話のように、決めた額で食費を管理することでスイッチが入る人もいます。ただ、これだけはいえます。いちどでもスイッチが入ってしまえば、ほとんどの人が、貯蓄を増やすために工夫を重ねるようになります。その先にあるのが、貯蓄1000万円です。

「貯蓄1000万円の壁」を越えれば、自信は確信に変わるでしょう。貯蓄が1000万円ある人は、40代のふたり以上の世帯なら上位3割、単身世帯なら上位2割に分類されるということを意味します。そこに自分がいるという事実――。その体験は、お金の成功体験としてあなたのなかにしっかりと刻まれるはずです。

小さな成功体験を重ねて手にした自己肯定感は、簡単には崩れません。そして、次なる夢や目標への、原動力にもなり得るものです。仮に、貯蓄した1000万円をなにか必要なことに使ったとしても、貯蓄する習慣がしっかり身についていれば、また着実に貯蓄ができます。

最後にお伝えしたいことがあります。お金が貯められない人は、他人の貯蓄額を気にするという傾向があります。もしかしたら、いまのあなたもそのひとりかもしれませんね?

私のクライアントでも、貯蓄をはじめたばかりの頃は、「先生、他の人ってどれくらい貯めていますか?」「私は少ないほうですか……?」と聞いてくる人がほとんどです。いわゆる、「隣の芝生は青く見える」ということからくる質問だと思います。でも、大丈夫です。お金が貯まっていくにつれて、他人のことは気にならなくなり、自分や家族の人生に、しっかりとフォーカスできるようになります。

少しずつでも貯蓄を増やしていけば、いざというときに何とかなるという自信が生まれます。この自信があれば、自己肯定感は自ずと高まるでしょう。もっと自己肯定感を高めたい人は、貯蓄1000万円の壁を越えましょう。そして、目標を達成したあとに存在する、素晴らしい世界を想像してみましょう。いままったく貯蓄がない人も、不安になることなく、自分に合ったやり方を見つけて貯蓄をコツコツと増やしていきましょう。

「貯蓄1000万円の壁」は決して高いものではありません。できることをやり着実に目標に向かって歩んでいくことで、お金にゆとりができ、お金の心配をすることは少なくなるでしょう。

少しずつ数字が積み上がっていく過程は、自信につながる成功体験です。そして、お金にゆとりができることで不安から解放され、自信にあふれた豊かな人生を送ることができるようになります。

ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん
ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん【撮影=樋口涼】


この記事のひときわ#やくにたつ
・お金に関する小さな成功体験を重ねて、自己肯定感を高めていく

編集協力=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、洗川俊一、横山美和、撮影=樋口涼

『年収300万円でもラクラク越えられる「貯蓄1000万円の壁」』
株式会社KADOKAWA(2022)

【プロフィール】
飯村久美(いいむら・くみ)
金融機関在籍中にファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得。退職後、自らの経験から、お金の正しい知識を身につけることが「生活を守る手段」であり、「やりたいこと」や「夢」につながると痛感。その経験を伝え、その人の夢が叶うマネープランをサポートすることを目的として、2006年FP事務所を開業。テレビやラジオ出演、セミナー講師など幅広く活躍中。著書に『ズボラでもお金がみるみる貯まる37の方法』(アスコム)、『シングル女子の今日からはじめる貯蓄術』(成美堂出版)、『子どもを持ったら知っておきたいお金の話』(KADOKAWA/中経出版)、『お金の先生! できるだけ簡単にお金が増える方法を教えてください。』(アスコム)、監修書に『一生お金に困らない! 貯め方・増やし方』(ナツメ社)などがある。FP事務所アイプランニング https://www.fp-iimura.jp

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