「買わせる技術」を回避せよ。節約成功の鍵は、「自分の心理」に注目することにある。『ミニマリスト、41歳で4000万円貯める』著書インタビュー

2022/11/21 18:00 | 更新 2023/04/16 23:48
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『ミニマリスト、41歳で4000万円貯める』著書インタビュー
『ミニマリスト、41歳で4000万円貯める』著書インタビュー

限られた収入からなるべく多くのお金を手元に残そうと思えば、「節約」が欠かせない。節約というと、まさにこの夏に話題になった節電や、ポイントの活用、自炊といった、どちらかというとこまごまとしたものをイメージする人も多いはず。しかし、「ミニマリスト」としてお金に関する著書も出している森秋子さんは、「自分の心理に注目すること」こそが重要だと言う。その理由は、無駄なお金を使ってしまう場面の多くには、自分の心理が絡んでいるから、とのこと。
※褒められる、無駄遣いしない、お金が貯まる。いいことずくめの「ミニマリスト思考」。はこちら

自分自身を知れば、無駄買いが減っていく

以前、経済的に余裕がある先輩の家に子どもと2人で遊びに行ったときのことです。食事をした帰りに先輩から、「ケーキを買ってあげたい」と言われました。私自身はおいしい食事をたくさんいただきましたし、留守番をしている夫はケーキを食べないことを伝えると、先輩は当たり前のように子どもが選んだケーキひとつだけを買って渡してくれました。

私だったら、「ひとつだけ買うのはケーキ屋さんに悪いな」とか「恥ずかしいな」なんて余計なことを考えて、なかなかそうはできないところです。合理的に考えて無駄なお金を使わない姿勢に、感銘を受けたことを覚えています。

そして、まさに私が抱きがちな「相手に悪いな」といった人間の心理を利用した「買わせる技術」というものは、世の中にたくさん存在します。スーパーやデパ地下などで行われている試食などはまさにその典型でしょう。

試食をすると、「せっかく食べさせてくれたのだから、ひとつは買ってあげなければ」といった気持ちになります。そうして小売店は、試食に必要な経費以上の売上をあげているわけです。

そういった「買わせる技術」を回避して節約していくには、何より「自分自身を知る」ことが大切なのだと思います。

試食した商品をつい買ってしまう人なら、「私にはサービス精神過剰なところがあるから、試食をすると『買わないと悪い』と思ってしまいがちだ」と自覚するのです。そう自覚できていると、たとえ「買わないと悪い」と思ったときにも「そう思わなくていいんだ」と心理的なブレーキがかかり、それまでなら無意識のうちにやってしまっていた散財を減らしていけるでしょう。

買い物リストにないものは買わない

私の場合でいうと、スーパーなどに買い物に行ったときには呼吸が浅くなるということを自覚しています。興奮していて、いわば商品という獲物の狩りをしているような状態にあるのです。

一生懸命に探すようなことなどしなくとも、獲物は目の前にいくらでも積まれています。興奮して冷静に判断できなくなっている状態のままであれば、あれもこれもとどんどん狩りをしてしまうでしょう(笑)。

そこで私は、スーパーに行くと必ず深呼吸をするようにしています。浅い呼吸を深くすることで興奮状態からリラックス状態になると、同じ商品でも見え方が違ってくるのです。そうして、判断力を削がれることなく、冷静な状態で必要なものだけを買うことができます。

また、「買わせる技術」を回避するためにも、「買い物には必ずリストを作ってから行く」「リストにないものは買わない」ことも心がけています。そもそも、事前に思い浮かばないものは必要ないものです。買い物に行った先で商品を見てから選ぼうとするから、「買わせる技術」によって必要ないものまで買ってしまうのです。

リストを作って買い物をすることのメリットは、ただ節約できることだけではありません。考えることなくリストにあるものだけを買うので、頭が疲れることがなくなります。無駄買いによるロスが減るので環境にもいいですし、お店にとっては本当に客が求めている商品とそうではないものがわかって仕入れにも役立つかもしれません。自分にとっても環境にとってもお店にとっても、Win-Winの関係になると言えるのではないでしょうか。

定型文で断り、「付き合い消費」を減らす

また、人間の心理によって無駄なお金を使ってしまう場面には、「付き合い消費」も含まれるでしょう。コロナ禍以前と比べると減っていると思いますが、イベントや飲み会に誘われたときに、乗り気ではないのに断れずに参加してしまうという人も多いはずです。

以前の私は、まさにそのタイプでした。もちろん、すごく親しい関係の相手だったら、「ちょっと余裕がないから今回はパスするね。また声かけてよ」ということもできますが、ちょっと気を使わなければならない人が相手という場合には、なかなか断ることができませんでした。

そういった場に気が向かないまま参加することは、時間だけでなく、お金も無駄にしてしまいますし、体も心も疲弊してしまいます。いいことなどないのです。

でも、「断る」という行為はなかなか難しい……。そこで私は、「断るための定型文を作る」ようにしてみました。「その日は用事が入っていて行けません。声をかけてくれてありがとうございます」といった定型文を作っておき、どんな誘いに対しても同じように断りの返事をするようにしたのです。

そうすると、「断ったら悪いかな……」などと考えて心に負担をかけることもなくなりますし、なかなか返事ができないまま直前になって断って相手に迷惑をかけるようなこともなくなります。これもやはりWin-Winの関係を築くことになると言えるのではないでしょうか。もちろん、無駄なつき合い消費が減るのですから、節約にも直結します。

この記事のひときわ#やくにたつ
・合理的に考えて無駄なお金を使わない
・買い物には必ずリストを作ってから行く。リストにないものは買わない
・断るための定型文を作り、「付き合い消費」を減らす

構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、取材・文=清家茂樹

『ミニマリスト、41歳で4000万円貯める』KADOKAWA(2021)
森秋子 著

【プロフィール】森秋子(もり・あきこ)
東京都在住の共働き主婦。夫、子どもの家族3人と猫2匹で50平米のマンション暮らし(ベランダに亀1匹)。子育てをきっかけに、時間と家事に追われる暮らしをやめたいと、ものを手放す生活を実践。無理せず貯金がどんどん貯まる生活にシフトする。その知恵と生活のヒントを「ミニマリストになりたい秋子のブログ」で発信し、人気ブログに。2019年に国立国会図書館のインターネット資料収集保存事業(WARP)に保存されるブログのひとつとして選ばれる。主な著書に『脱力系ミニマリスト生活』『使い果たす習慣』(ともにKADOKAWA)がある。

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