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横川楓の「ミレニアル世代のお金の常識」【第3回】ハードルはできるだけ低く!低収入でもお金を貯める心得

2022/11/15 18:30 | 更新 2023/04/16 23:50
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「やさしいお金の専門家/金融教育活動家」こと横川楓です。私も含むミレニアル世代は、いま20代半ばから40代前半の世代です。年齢の幅は広いものの、全般的に若い世代と言えるでしょう。そうなると、お金に関しては、「上の世代より収入が低い」という問題がいつもついてまわります。低収入でもお金を貯めるには、どうすればいいのでしょうか。
【第1回】ミレニアル世代の私がお金に興味を持ったワケはこちら
【第2回】老後に2000万円必要って本当?ミレニアル世代が生涯で必要なお金を考えるはこちら

 【やさしいお金の専門家/金融教育活動家】横川楓さん
【撮影=阿部昌也】


30代であっても預金ゼロという人も多いのが現実

皆さんの貯蓄はどれくらいですか?日銀が6月に発表したデータによると、30代の単身世帯の金融資産保有額は平均値が606万円、中央値が56万円、同じく30代の結婚している2人以上の世帯の場合は平均値が752万円、中央値が238万円でした。

平均値だけを見るとけっこう大きな金額に思えるかもしれませんが、平均値の場合、人数は少なくとも多額の金融資産を保有する人がいれば大きく釣り上がることになります。一方、中央値はデータを順に並べたときの中央にある数字であり、少し変な言い方になるかもしれませんが、中央値こそ「平均的な数字」と言えます。

つまり、平均的な30代独身の人の金融資産保有額は、わずか56万円なのです。そればかりか、なかには預金も含めた金融資産がゼロという人も少なくありません。

先の日銀の発表によれば、単身世帯で金融資産がゼロという人の割合は20代で39.0%、30代でも36.3%にも上ります。世界的に見て経済がずっと停滞している日本では、それだけ資産を構築するのも難しくなってきているのでしょう。

【やさしいお金の専門家/金融教育活動家】横川楓さん
【やさしいお金の専門家/金融教育活動家】横川楓さん【撮影=阿部昌也】


ハードルを低く設定し、まずは貯金を習慣化する

しかし、そうした経済的に苦しい状況の中でも、将来のために少しずつでもお金を残しておく必要があります。そのためには、「ハードルをできるだけ低く」ということを心得として認識してほしいと思います。

いま、収入が低くて貯金ができていないという人が、「これからは将来に備えて、毎月○円の貯金をしよう」と思い立ったとします。その設定金額が自分の収入に見合っていなくて、いつも無理しなければならないような金額だったらどうなるでしょうか?

もちろん、決めた金額を貯金できないというときも出てくるでしょう。そこに、大きなネックがあります。「今月もきちんと貯金できなかった……」「自分はそういう駄目な人間なんだ……」とネガティブになってしまって、結局、貯金を続けられなくなってしまうのです。

そうではなく、ハードルをできるだけ低く設定することが大切。いままで全く貯金していない人であれば、毎月3000円から始めたとしても大きな変化です。そうして、まずは給料が入金されたら3000円を貯金にまわす。自分でいわゆる先取り貯金をするわけです。

そのうえで、月によってはお金が余ることもあるでしょう。イベントなどの有無によって月々の支出は変動するものだからです。そうして、「今月はちょっと余裕があるから、プラスアルファで貯金しよう」というふうに、いわば「後取り貯金」をすればいいのです。

このことが、自分を「貯金体質」にしていきます。というのも、貯金というものは習慣づけこそが最重要であり、その習慣づけに大きく働きかけるのが成功体験を積み重ねることだからです。

たとえ少額であっても自分で決めた金額を先取り貯金できれば、それは立派な成功体験です。そして、そのうえで後取り貯金もできれば、「今月は後取り貯金もできた!」とより大きな成功体験を得られます。そうして、貯金をすることが習慣となっていくのです。

「貯金を習慣化して成功体験を積み重ねることが大事」
「貯金を習慣化して成功体験を積み重ねることが大事」【撮影=阿部昌也】


お金を貯めるには、お金の流れの可視化が不可欠

それから、お金を貯めたい人には、まず「固定費」を見直すこともおすすめします。収入が低いという人なら、なおさらです。なぜなら、固定費の見直しにより簡単に支出を大きく抑えることができるからです。

例えば、家賃をいまより1万円抑えられれば、それだけで年間12万円も浮くことになります。特にコロナ禍によってテレワークが広まったいまは、そのチャンスでしょう。オフィスへの出社日が少ない人なら、都市部から少しでも家賃の安い郊外への引っ越しを考えてみてはどうですか?

また、光熱費も見直すべき固定費です。引っ越したときに管理会社から案内された電力会社やガス会社と契約したという人も少なくないと思いますが、いまは自由化によって自分で電力会社やガス会社を選べる時代です。

各電力会社やガス会社の比較サイト、料金シミュレーターというものもネット上にはいくらでもありますから、それらを使って、自分のライフスタイルに合っていて、よりお得な事業者やプランを選んでほしいと思います。

そして、何より家計簿をつけることを心掛けてほしい。お金を貯められない人は、自分が何にいくら使っていて、どこに無駄があるのかということを把握できていません。それらを明らかにするものこそ、家計簿です。

いまなら、クレジットカードやキャッシュレス決済のアカウントと紐づけておくことで自動的に家計簿をつけてくれるアプリがたくさん存在します。お金を貯めるには、自分のお金の流れを可視化することが絶対に欠かせないのです。

この記事のひときわ#やくにたつ
・ハードルをできるだけ低く設定し、まずは貯金を習慣化する
・貯金は習慣づけが最重要、習慣づけに大きく働きかけるのが成功体験の積み重ね
・お金を貯めるには、自分のお金の流れを可視化することが不可欠

構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、取材・文=清家茂樹、撮影=阿部昌也

『ミレニアル世代のお金のリアル』フォレスト出版(2019)
横川楓 著

【プロフィール】横川楓(よこかわ・かえで)
1990年生まれ。経営学修士(MBA)、ファイナンシャルプランナー(AFP)などを取得。やさしいお金の専門家/金融教育活動家として、「誰よりも等身大の目線でわかりやすく」をモットーにお金の知識を啓蒙、金融教育の普及に取り組んでいる。 2022年1月には一般社団法人金融教育推進協会を設立し、代表理事となる。マネーコンテンツ制作や企業や官公庁のアドバイザー、セミナー講師、雑誌・WEB・テレビなどメディア出演多数。
Twitter:@yokokawakaede
公式ホームページ

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