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渋谷の屋外広告が話題に!ローソンが仕掛ける「盛りすぎチャレンジ」の誕生秘話とユニークなプロモーションの裏側に迫る

2024/04/11 12:00
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最近の物価上昇に伴うコスト削減のため、多くのメーカーが価格を引き上げたり、内容量を減らすなどの対応を余儀なくされているなか、大手コンビニ「ローソン」は2023年から「盛りすぎチャレンジ」という独自のキャンペーンを展開している。

そして驚くべきことに、食料品を従来の価格で増量して提供しているのである。この時代に逆行するようなユニークな取り組みを行う理由とは。また、キャンペーンはどのようにして生まれたのだろうか。

今回は、株式会社ローソン マーケティング戦略本部 プロモーション部 マネジャー鈴木啓子さんに、盛りすぎチャレンジの誕生秘話と消費者からの反応、さらにユニークなプロモーション戦略について話を聞いた。

コスト削減が一般的である昨今、あえて増量した理由とは?
コスト削減が一般的である昨今、あえて増量した理由とは?【画像提供=ローソン】


きっかけは昨今の物価高騰!「盛りすぎチャレンジ」の誕生秘話

前述のとおり、物価も高騰している現状のなか、株式会社ローソンは消費者が抱える生活の困難さを少しでも軽減したい想いがあった。そこで同社の「私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」という企業理念に沿ったキャンペーン、「ローソンでハピろー!」の一環で何かできることはないかと模索していた。

「商品部門と共同でアイデアを練りながら、話題性とおもしろさを求めて、ローソンならではの方法で実現したいと思っていました。その過程で、増量企画がいいのではないかというアイデアが出て、そこから『47都道府県をモチーフにした、47%の増量企画』につながっていきました。企業理念とも合致していたので採用となり、2023年2月に盛りすぎチャレンジを実施しました」

47都道府県をモチーフにした47%増量。キャンペーン期間中、ローソンの常連である筆者はほとんど毎日該当する商品を購入していた
47都道府県をモチーフにした47%増量。キャンペーン期間中、ローソンの常連である筆者はほとんど毎日該当する商品を購入していた【画像提供=ローソン】


また、普段から販売されている定番商品を対象としたが、それはおなじみの商品に変化を加えることで、消費者に驚きと新鮮さを提供するための施策なんだそう。「また買いやすさを考慮して、おにぎりや調理パンなどの“個食”商品を選びました」と鈴木さん。一方で、キャンペーンの実施にあたって苦労したこともあったようだ。

「いろいろな商品を一斉に同じコンセプトで展開するのが、想像以上に大変でしたね。おにぎりやデザートだけに絞るならそこまで難しくないのですが、違うカテゴリーの商品群を均一の基準にそろえないといけないため、商品ごとに細かな調整が必要でした」

サンドイッチは増量したのが特にわかりやすく、よりお得な気分に
サンドイッチは増量したのが特にわかりやすく、よりお得な気分に【画像提供=ローソン】


12種類から19種類へ!コンセプトを伝えるための工夫とこだわり

2023年2月に実施された「盛りすぎチャレンジ」では、全12種類が発売され、予想どおりの大好評を博した。そしてこの成功により、第2回「盛りすぎチャレンジ」が2024年2月6日から2月26日まで行われた。

今回は「からあげクン」や「まちかど厨房」、「マチカフェ」など、ローソンの代表商品を含む19種類が対象となった。鈴木さんは「ローソンならではの商品を前回以上にピックアップしたく、ラインナップを拡充しました」と話す。

「商品の数だけでなく、お客さまにインパクトを与えるために、店内で使用している販促物の展示方法にもこだわっています。特に商品の前に設置された価格表示のポップには目を引くデザインや光る素材を使用するなど、コンセプトがお客さまにしっかりと伝わるように徹底しています」

「でからあげクン4種MIX味」。普段よりサイズが大きいうえに1個多いという大容量ぶり
「でからあげクン4種MIX味」。普段よりサイズが大きいうえに1個多いという大容量ぶり【画像提供=ローソン】

昼食・夕食時に購入した人も多いのでは?
昼食・夕食時に購入した人も多いのでは?【画像提供=ローソン】


たとえば「あらびきポークフランクロール」は、ひとつでちょうどいいサイズに調整され、味のバランスも絶妙に整えられているという。また、サイズの変更により製造工程やパッケージングが変わるため、これらの調整にも細心の注意が払われるそうだ。

「あらびきポークフランクロール」
「あらびきポークフランクロール」【画像提供=ローソン】

70円引きなのに47%増量。マチカフェ好きにはたまらない
70円引きなのに47%増量。マチカフェ好きにはたまらない【画像提供=ローソン】


渋谷に巨大広告が出現?ユニークなプロモーションが話題に

盛りすぎチャレンジのコンセプトをわかりやすく伝えるため、株式会社ローソンは、CMで俳優の松山ケンイチさんを店長役に起用し、彼が巨大化するというユニークな演出を採用。さらに、俳優の梅沢富美男さんが出演する渋谷の屋外広告も話題となった。

「今回の課題は、前回に比べてどのようにパワーアップしたのかを伝えることにありました。そして最近はコロナも落ち着き、外出する人が増えてきたため、屋外広告を打つことにしたんです。そこで、目を引く飛び出す広告や横長の大型ビジョンが注目されていることから、これらを参考に渋谷での屋外広告を企画しました」

梅澤富美男さんが出演する屋外広告(渋谷のハチ公前広場から見た様子)
梅澤富美男さんが出演する屋外広告(渋谷のハチ公前広場から見た様子)【画像提供=ローソン】


また、これまでにない屋外広告の展開を考案するなかで、アイデア段階ではほかにもさまざまな候補があったようだ。

「たとえば、街のシンボルのライトアップをキャンペーンテーマに合わせて変更する案や、『大盛り』をテーマに、名前が似た地区と連携するようなプランが候補にあがっていました。また、大手ポータルサイトとのコラボで、トップページを盛りすぎチャレンジ一色にする案も検討していたんですよ」

かくして、盛りすぎチャレンジの第2弾は大盛況のうちに幕を閉じた。鈴木さんは「盛りすぎチャレンジ第3弾の実施については未定ですが、現在複数のキャンペーンを企画中です。みなさまの期待に応えられるよう努めていますので、ぜひ楽しみにしていてください!」と力強く語った。

渋谷の宮益坂側から見える屋外広告
渋谷の宮益坂側から見える屋外広告【画像提供=ローソン】


盛りすぎチャレンジを含め、株式会社ローソンが展開するキャンペーンは、今や多くの人たちから待ち望まれている。次回の企画は一体どのような内容なのか、イチ消費者としても期待が高まるばかりだ。

この記事のひときわ#やくにたつ
・コスト削減が潮流のなか、あえての増量戦略で新しい顧客層を獲得
・販売促進物の展示に工夫を凝らし、コンセプトを消費者へわかりやすく伝える
・前例のないユニークな広告戦略で消費者にインパクトを与える

取材・文=西脇章太(にげば企画)

公式サイト:https://www.lawson.co.jp/

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