サイト終了のお知らせ

平素より「OneNews」をご利用いただき、誠にありがとうございます。本サイトは2024年5月15日をもってサービスを終了いたします。
サービス終了後、OneNews掲載の一部コンテンツ(ビジネス記事、マネー記事)は、
当社運営メディア「ウォーカープラス」に引き継がれますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

初心者は「インデックスファンド」を選択せよ。お金の名著100冊に書かれている最重要事項は「堅実さ」だった

2024/01/05 19:00
SHARE

昨今、日本でも投資がブームとなり、お金にまつわる情報が激増している。お金の勉強をしようにも、それらのなかからなにを選択すべきか困っている人もいるだろう。そこでお話を聞いたのは、『「お金の増やし方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)の共著者である藤吉豊さん。名著とされるマネー本の多くが、共通して「堅実さ」を最重要項目に挙げているという。

藤吉豊さんにインタビュー。「得られるリターンが多少減るとしても、損失を抑えることがやはり大事」
藤吉豊さんにインタビュー。「得られるリターンが多少減るとしても、損失を抑えることがやはり大事」【撮影=藤巻祐介】


人間は、「得をしたい」より「損をしたくない」と思う生き物

私の共著書では、名著と呼ばれるマネー本100冊に共通して書かれている内容を抜き出し、それらの共通点が掲載されていた冊数によってランキングを作成しました。その上位1〜8位が、以下のものです。

1位:分散投資でリスクを減らす
2位:投資信託で手堅く運用する
3位:誰でもある「無駄な支出」を今すぐ減らす
4位:老後資金はiDeCoで増やす
5位:売りどきは先に決めておく
6位:リスクは恐れ過ぎず、とり過ぎない
7位:持ち家のメリット・デメリットと住宅ローンについて知る
8位:生命保険は正しく入る

こうしてランキングを眺めてみると、リスクコントロールや手堅さなど、堅実であることを重要ポイントに挙げている本が多かった印象を受けます。投資は、一攫千金を狙うようなギャンブルではありません。ですから、得られるリターンが多少減るとしても、損失を抑えることがやはり大事なのだと思います。

この発想は、人間の自然な心理にもよるのかもしれません。人間には、「損失回避の法則」と呼ばれる心理傾向があります。これは、「人間は、得をすることよりも損をしないことを選ぶ」という心理傾向のことです。「お金を儲けたい気持ちもあるけれど、それ以上に損をしたくない」と思うのは、自然なことです。

みなさんも、わざわざ手間ひまかけて投資したにもかかわらず損失を出してしまったら、まさしく「損をした」「やらなければよかった」と思うでしょう。そうであるなら、できるだけリスクを抱えない手法を選んで投資をし、そのなかで少しでも自分の生活を豊かにすることが、一般の人の多くにフィットする、投資に対する考え方なのだと思います。

人間には、「損失回避の法則」と呼ばれる心理傾向がある
人間には、「損失回避の法則」と呼ばれる心理傾向がある【撮影=藤巻祐介】

分散投資のメリットは、お金を守ることだけではない

先のランキングの堂々第1位は、「分散投資でリスクを減らす」でした。見聞きしたことがある人も多いと思いますが、投資の世界には、「卵をひとつのかごに盛ってはいけない」という有名な格言があります。

すべての卵をひとつのかごに盛ると、そのかごを落としたときにはすべての卵が割れてしまいます。でも、複数のかごにわけて卵を盛っておけば、たとえひとつのかごを落としたとしても、他のかごに入れた卵が割れることはありません。

投資も同様に、ひとつの資産や銘柄にすべてのお金をつぎ込んだ場合、それが暴落すれば、投資したお金を一度に失ってしまいかねません。だからこそ、複数の資産や銘柄にお金をわけて投資すべきだというわけです。

また、この分散投資のメリットは、お金を守ることだけではないようです。メンタルの安定にもつながると多くのマネー本著者が述べています。ひとつの資産や銘柄だけに投資していた場合、その値動きを常に気にしてしまうものです。それこそコロナショックのようなことが起きれば一気に暴落するため、気が気でならない。

でも、分散投資をしていたらどうでしょう?「たしかにこの株式は下がってしまったけれど、金(ゴールド)の価格は上がっているし、大丈夫」というように、自分の心の安定を保つこともできるのです。

『「お金の増やし方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』
日経BP(2023)
藤吉豊・小川真理子 著

【プロフィール】藤吉豊(ふじよし・ゆたか)
株式会社文道代表取締役。有志4名による編集ユニット「クロロス」のメンバー。 日本映画ペンクラブ会員。編集プロダクションにて、企業PR誌や一般誌、書籍の編集・ライティングに従事。 編集プロダクション退社後、出版社にて自動車専門誌2誌の編集長を歴任。2001年からフリーランスとなり、雑誌、PR誌の制作や、ビジネス書籍の企画・執筆・編集に携わる。文化人、経営者、アスリート、タレントなど、インタビュー実績は2000人以上。2006年以降は、ビジネス書籍の編集協力に注力し、200冊以上の書籍のライティングにかかわる。現在はライターとしての活動のほか、「書く楽しさを広める活動」「ライターを育てる活動」にも注力。「書く力は、ライターだけでなく、誰にでも必要なポータブルスキルである」との思いから、大学生や社会人に対して、執筆指導を行っている。共著書に『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』『「話し方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』『「勉強法のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(以上、日経BP)、『社会人になったらすぐに読む文章術の本』(KADOKAWA)、『日本人のための「書く」全技術』(翔泳社)、単著書に『文章力が、最強の武器である。』(SBクリエイティブ)がある。

あわせて読みたい

人気ランキング

お知らせ