サイト終了のお知らせ

平素より「OneNews」をご利用いただき、誠にありがとうございます。本サイトは2024年5月15日をもってサービスを終了いたします。
サービス終了後、OneNews掲載の一部コンテンツ(ビジネス記事、マネー記事)は、
当社運営メディア「ウォーカープラス」に引き継がれますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

手遅れになる前に実践したい、人気FPに聞いた「お金の管理」4つのポイント

2023/08/14 17:30
SHARE

「給料はなかなか上がらないけれど、そろそろ将来のためにもお金を貯めなければ」——。特に若い人であれば、そんな思いを持っている人も少なくないだろう。その実現のためには、「お金の管理」が絶対不可欠だというのは、ファイナンシャルプランナーの伊藤亮太さん。お金の管理のポイントを解説してもらった。

ファイナンシャルプランナーの伊藤亮太さんにインタビュー
ファイナンシャルプランナーの伊藤亮太さんにインタビュー【撮影=樋口涼】

お金の使い方にかつて以上に注意が必要な時代

お金を上手に管理することは、よりよい人生を歩んでいくために絶対に欠かせないことです。逆にお金を管理しなければどうなるでしょう?給料が入ったら自分の欲望のままにお金を使ってしまえば、もちろん貯金することなどできません。

今はそれで楽しいかもしれませんが、老後を迎えたり、あるいはそれ以前にも体を壊して働けなくなったりすれば、困窮することは目に見えています。そのときがきてはじめて慌てても、手遅れになってしまうのです。

特に、今はかつて以上に注意が必要な時代です。なぜなら、ようやくという印象はあるものの、日本でもキャッシュレス決済が浸透してきたからです。クレジットカードやキャッシュレス決済アプリを使っての支払いは、文字どおり現金を使わないため、お金を使っている感覚が薄れます。

その結果、自分がなににいくら使っているのかというお金の流れが見えなくなり、自分の想定以上にお金を使ってしまうという危険性が高まっているのです。

この流れは、今後さらに進んでいくでしょう。実際、2023年4月からは給料のデジタル払いも解禁となりました。つい最近、私自身もお客さまからデジタル払いでの相談料支払いが可能かどうかを確認されて、時代の変化を実感しています。

いずれにせよ、お金の管理についてはこれまで以上に注意が必要になっていることは間違いありません。

2023年4月から給料のデジタル払いも解禁に。「私自身もお客さまからデジタル払いでの相談料支払いが可能かどうかを確認された」と伊藤亮太さん
2023年4月から給料のデジタル払いも解禁に。「私自身もお客さまからデジタル払いでの相談料支払いが可能かどうかを確認された」と伊藤亮太さん【撮影=樋口涼】

スタートは、可処分所得と支出を把握すること

では、お金の管理法を解説していきます。私からお伝えするポイントは以下の4つです。

【お金の管理のポイント】
①自由に使える可処分所得を把握する
②家計簿をつけて現状の支出を把握する
③固定費の見直しで大きな支出削減をする
④車にかかるコストを見直す

最初のポイントは、「①自由に使える可処分所得を把握する」です。可処分所得とは、収入から税金や社会保険料を引いたお金のこと。企業に勤めるサラリーマンなら、給料日に振り込まれるお金です。ただし、そこから家賃や食費、水道光熱費、通信費など生活に必要なお金を支払わなければなりませんから、実際には「自由に使えるお金」は振り込まれた支給額よりずっと少なくなります。

あたりまえの話かもしれませんが、自分が使っていい金額を知っていなければ、その上限以上に使ってしまうリスクが高まります。それでは、貯蓄にまわすお金が残ることもありません。

また、可処分所得を把握することと同様に、支出を把握することも欠かせません。お金の管理をしていない人の場合、たとえ可処分所得は把握していたとしても、自分がなににいくら使っているのかをまったく把握していないことがほとんどです。そうして、やはり可処分所得以上にお金を使ってしまうのです。

そこで、「②家計簿をつけて現状の支出を把握する」ようにしましょう。家計簿は、自分の支出を把握しながら現状の問題点を見つけ、支出を減らしていくためのものです。家計簿をつけることで、「今月は飲み代を使いすぎたな……」といった問題点に気づき、改善することができるのです。

家庭を持っている人ならともかく、特に男性の単身者なら家計簿を面倒に感じるかもしれません。でも今は、キャッシュレス決済によってお金を使い過ぎてしまう危険性が高まっている反面、家計簿アプリを使えば簡単に家計簿をつけられる便利な時代でもあります。将来に備えてお金を貯めたいと思うのなら、ぜひ家計簿を習慣化してほしいと思います。

ファイナンシャルプランナーの伊藤亮太さんにインタビュー
ファイナンシャルプランナーの伊藤亮太さんにインタビュー【撮影=樋口涼】

最も効果的な支出削減は、固定費の見直し

加えて、「③固定費の見直しで大きな支出削減をする」ことも考えてみましょう。いくら家計簿によって問題点が見つかった支出を減らそうとしても、日々の食費や日用品費、交際費といった支出を減らすことには限界があるからです。

一方、家賃など定期的に支払っている固定費はその金額が比較的大きいこともあり、その見直しによって大きく支出を減らせます。まず私からおすすめしたいのは、「保険料」の見直しです。

心配性の人が多いのか、掛け捨てタイプの保険にいくつも加入しているなど、日本人にはとにかく無駄な保険料を支払っているケースが目立ちます。加入している保険は本当に必要なものでしょうか。一度、あらためて考えてほしいと思います。

それから、これも固定費の一種ともいえますが、「④車にかかるコストを見直す」ことも大切です。もちろん、居住地によっては絶対に車が必要だということもあります。でも、都市部に住んでいる人なら、電車など公共交通機関を使えばそれほど不便を感じることもありません。

そして、車を持つことでいったいいくら払っているのかということを振り返ってほしいのです。税金に保険料、駐車場代、車検代、ガソリン代……、車の維持にはとにかくたくさんのお金がかかります。そのコストに見合うほど車が必要なのか、使っているのかということを考えてみてください。

『超図解 お金再入門』
PHP研究所(2022)
伊藤亮太 著

【プロフィール】伊藤亮太(いとう・りょうた)
1982年3月4日生まれ、岐阜県出身。ファイナンシャルプランナー。2006年に慶應義塾大学大学院商学研究科経営学・会計学専攻を修了。在学中にCFPを取得する。卒業後は証券会社に入社し、営業、経営企画、秘書業務などを経て、2007年にスキラージャパン株式会社を設立。現在、個人の資産設計を中心としたマネー・ライフプランの提案、策定、サポートなどを行う傍ら、法人に対する経営コンサルティング、相続・事業承継設計・保険設計の提案、サポートなども行う。金融や資産運用、社会保障(特に年金)、保険をテーマにした講演でも多くの実績を持ち、FP受験講座の講師としても定評がある。『はじめてのNISA』(standards)、『金融業界のしくみとビジネスがしっかりわかる教科書』(技術評論社)、『上がる銘柄選び』(ワニブックス)、『買いのタイミングはココだ』(技術評論社)など著書多数。

あわせて読みたい

人気ランキング

お知らせ