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老舗靴下店の3代目が考案!色覚・視覚障害の人も使いやすく履きやすい“色がわかる靴下”が誕生

2023/07/07 13:00
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愛知県の靴下専門商社・ファブレスメーカーである株式会社マリモが、自社ブランドmarimo(R)より、「みちる」シリーズを発売。本商品は「左右の色合わせでもう悩まない!自分らしく楽しもう!」をコンセプトに、点字や文字が浮き出ることで靴下の色がわかる設計になっているのが特徴。 色覚・視覚障害の人も使いやすい“新しい靴下”として、注目を集めている。

点字や文字がデザインとしての役割も果たすファッショナブルな「みちる」シリーズ
点字や文字がデザインとしての役割も果たすファッショナブルな「みちる」シリーズ


左右の色合わせができる「みちる」シリーズ3つの特徴

「色がわかる」という、新たな視点から生み出された「みちる」シリーズ。その3つの特徴を紹介する。
1. 靴下外側に色を表す点字・文字が浮き出た設計

【写真】点字と英字がポイント!触れば色がわかる工夫が画期的
【写真】点字と英字がポイント!触れば色がわかる工夫が画期的

点字だけでなく、後天的に目が見えず、点字がわからないという人でも理解できるよう、文字も併記。色の違いが判別しにくい人も、文字部分を触ることでスムーズに色がわかるよう工夫されている(※実用新案登録済 第3241925号)。

2. 誰もが使えるデザイン
株式会社マリモの代表・日比野ほのかさんの恩師である、平瀬徹さん(ひらせ鍼灸院・院長)、新井美千代さん、名古屋ライトハウス情報文化センターの協力を得ながら、「見えない」「見えづらい」人も、そうでない人も一緒に使えるデザイン性と機能性の両立を目指した。その結果、点字・文字を“魅せる“デザインとして側面に配置することで、左右を合わせやすい実用性とファッション性も兼ね備えた商品が実現したという。

3. 不便さからくる精神的・時間的負担を解消!
「左右の色が合っているか心配」「間違えないように同一の色でそろえる」といった精神的負担や、洗濯時や保管時、さらには着用にかかる時間的負担の軽減もできる。本商品には、「足を守り、同時に心も守ってくれるお守りのような存在でありたい」という想いも込められているという。

考案のきっかけは、創業者である祖父・日比野敏夫氏

「病気で片目の視力を失った(創業者の)祖父に履いてほしい」という想いからスタートした「みちる」シリーズ。最初は、代表の日比野さんが母と試作品を作ったことからはじまったというが、現在では、その想いに共感した福祉施設や法人・当事者、有資格者、国内工場の職人と三位一体となって商品開発を行うまでになった。

株式会社マリモによると、国内には、約31万人(※1)の視覚障害者や、約350万人(※2)の色覚異常を持っている人がいるそう。特にペアでそろえる必要がある靴下において、「色がわからず、左右で色を合わせることが難しい」という悩みが多いことをディスカッションを通じて知り、「テクノロジーの革新を待つのではなく、私たちがメーカーとして製品を作り、問題の解決を目指すことが大切」と考え、(先天性・中途)視覚障害をもつ人たちとの靴下開発に至ったそうだ。
(※1)平成18年身体障害児・者等実態調査(厚生労働省)より
(※2)色彩検定 文部科学省後援 公式テキスト UC級より

約200人以上の視覚障害の人や同伴者に手に取ってもらい、好評だったという同商品
約200人以上の視覚障害の人や同伴者に手に取ってもらい、好評だったという同商品

実際に、第18回名古屋ライトハウス用具展(2023年5月21日開催)では200名以上の視覚障害を持つ人や同伴者が手に取ってくれたそうで、「B、L、K、読めたわ!これは、ブラックね」「便利だね!良いアイデアだね」「明日から使いたいから、買って帰ってもいい?」などの声に手応えを感じたという。

「靴下を通じて世界を変えていく!」想いを胸に

創業66年の靴下店「日比野商店(現・株式会社マリモ)」3代目を継承した日比野姉妹
創業66年の靴下店「日比野商店(現・株式会社マリモ)」3代目を継承した日比野姉妹

株式会社マリモでは、「足もとから救う、健康とファッション性を兼ね備えた、新しいカタチの靴下」を追求。ユニバーサルデザインから出発したコンセプトだったが、代表・日比野氏の想いに共感した障害を持つ人たちや有資格者に開発段階から協力を得ることで、「よりよいものづくりへと歩を進めることができた」という。

そして、学生時代から数百種以上の靴下づくりに携わってきたという設計者である代表・日比野氏自身も、このブランド開発にあたっては「他人任せではなく、まずは自分が理解すべき」という信念にもとづき、2018年に「靴下ソムリエ」、2021年に「UCアドバイザー」、2022年に「福祉用具専門相談員」を取得。

本質的・潜在的なニーズを取り入れながら、同時にすばやく、創意工夫や細やかなオーダーに一つひとつ丁寧に応えてくれた国内の職人の技術力も、画期的な靴下の誕生を支えた。

今回の商品について、代表・日比野ほのかさんにも話を伺った。

「(今回の商品の狙いは?)2025年問題等、高齢化社会、SDGs福祉目標にもありますが、高齢者や障害者向けの生活の利便性を向上できる商品・サービスを、一般企業かつ中小企業でも提供できることを証明したいという想いからです。さまざまな技術や商品・サービスを持つ他社様も、取り組んでいただけたら、より良い社会へ実現の一歩になるのではないかと思います」

「(今回の商品のイチオシのポイントは?)靴下自体の機能もこだわっており、靴下ソムリエ認証、地元の愛知県・尾州産(尾州マーク第1630号)です。工場数や生産数が減少している国内産業活性化の一助になるべく、多くの人に良さを知っていただき、地域や業界の活性化に貢献できれば幸いです」

「(ユーザーへのメッセージは?)時代の変遷のなかで、家業の存続をかけて劇的な世代交代を経験し、3代目を継承しました。私自身はまだまだ発展途上ですが、新商品の開発や販路開拓に自ら立ち向かい、歩を進めています。特に製造業が多い中部地方では、女性社長の割合が全国平均よりも低い傾向にありますので、この経験が、後継者問題に直面する中小企業の現役経営者や継承側の同世代や若い世代同士が、家業を守るための話し合いのきっかけとなり、新しい世のため、人のためとなる商品・サービスを生み出すお手伝いができれば幸いです」

「みちる」シリーズは全部で5色展開
「みちる」シリーズは全部で5色展開

「みちる」シリーズは、ホワイト・ライトグレー・ダークグレー・ネイビー・ブラックの5色、レディースではクルー丈(約22.0~24.5cm)、メンズではミドル丈とクルー丈(約24.5~27.0cm)を展開し、各1760円。本商品の発送については、就労継続支援事業所と一緒に取り組む予定で、商品発送は 2023年8月1日(火)より順次行っていく。

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■marimosocksオンラインサイト 
https://shop.marimosocks.com/

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