立ち上げから1年。「&Green」のある暮らしを拡大へ

「生産と育成のタイミングをコントロールすることが難しい」と語る尾山さん
「生産と育成のタイミングをコントロールすることが難しい」と語る尾山さん【撮影=阿部昌也】

――ユーザーの方からは、どのような反響がありますか?
【尾山翠】「管理が簡単でいい」という、前向きな声が圧倒的に多いですね。「これなら私でもできる」と、扱いやすさは大きなポイントになっています。過去に植物を枯らしてしまった人が再び手にすることは、ビギナーより実はハードルが高いかもしれません。それなので、「もういいわ」と匙を投げてしまった方に、ぜひリベンジしていただきたいと思っています。また、Instagramの投稿を見ると、ユーザーの方がいろいろな器を使った楽しみ方を投稿されています。我々も楽しく見させていただきながら、勉強しています。

――ブランドスタートから1年ちょっと経って、手応えはいかがですか?
【尾山翠】やっぱり植物って、生産することがすごく難しいと実感しました。私は別の業界から転職したので、普通に発注して作ってもらうというイメージでいたんです。でも、植物は製品として完成しても成長し続けるんですよ。放っておいても成長するので、タイミングがズレると販売できなくなってしまうんです。その逆で、気候や病気でうまく育たなかったり、枯れてしまったりするということもありました。そのタイミングをコントロールするのが難しく、供給面で苦戦した苦い経験もあります。でも、お客様からはポジティブな声が多いので、我々が目指していたものが、きちんと伝わっているという実感はあります。

――生き物だから難しいですよね。今後のサービスについて展望を教えてください。
【尾山翠】もっと広げていきたいという思いがあります。植物って、観葉植物のなかだけでも種類が多様にありますし、それ以外でも花を咲かせたり実をつけたり、食べられたりと幅広いんですよね。それなので、観葉植物に捉われることなく、そういう幅広い分野も含めて今後考えていきたいです。&Greenのある暮らしを広げていけるようなプロダクトなりサービスができたらいいなと思います。

――さまざまな植物が部屋で楽しめるようになったら、心が豊かになりますね。
【尾山翠】サイズひとつとっても、大きいものから小さいものまであるので。始め出すと、力強く葉を伸ばした大きい植物が欲しくなる方もいらっしゃるんですよ。ブランドスタート時は、植物だけの展開だったのですが、今年は器もラインナップに追加して、すぐに始めてもらえるようになりました。そういうスタートの部分も含めて、グリーンライフの拡大ができればなと思っています。

「すべての人に手に取っていただきたいと」と笑顔で語る尾山さん。今後はギフトや種類の増加なども目指すそう
「すべての人に手に取っていただきたいと」と笑顔で語る尾山さん。今後はギフトや種類の増加なども目指すそう【撮影=阿部昌也】

――この&Greenを認知させていくために活動などはされていますか?
【尾山翠】ギフトに関しては少し考えています。一般的に、お花を贈ることはよくあると思うんです。例えば、記念日に男性から女性に花束を渡すってことが。でも、花を贈るのが恥ずかしかったり、相手によってお花の好みもあるので、贈る側にもそれなりのセンスが求められるんです。でも、観葉植物だったら、わりと気負いなくカジュアルに渡せるというメリットがあります。さらに、もらったあともずっと長く楽しめるので、そういうアイテムとしてすごくいいなと感じています。そこで、今度ギフトカタログに載せて販売させていただくことにしました。

――どのような方に、利用してもらいたいとお考えですか?これから利用する方に&Greenの楽しみ方などメッセージをください。
【尾山翠】昔の私のように、植物を買ったことがなかったり、ハードルの高さを感じているという方に、まずは知っていただいてトライしていただきたいです。あと、過去に枯らしてしまってそれっきりの方にも、ぜひ再トライしていただきたいですね。&Greenは、初心者の方でも簡単に育てられるのが特徴ですが、実は上級者も土以外で育てる植物は触ったことがない方もいらっしゃるようです。そんな方にも、ぜひ新しい培地として楽しんでいただきたいですし、すべての人に新しい緑の育て方・管理方法で楽しめるので手に取っていただきたいなと思います。まずは、パートナーグリーン診断をしてみたり、Instagramの投稿やサイトに掲載しているContentsを覗くだけでも、楽しんでもらえるかと思います。

取材=浅野祐介、取材・文=北村康行、撮影=阿部昌也