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『副業は自己PRがすべて』著者・野呂エイシロウさんに聞く【第2回】「自分は役に立つ人間だ」と発信せよ。副業戦略における最高効率の営業手段

2022/12/19 17:30 | 更新 2023/04/16 23:34
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「副業で時給制アルバイトを選ぶのは損。誰だって、副業で月50万、100万を稼ぐチャンスはある」。そう断言するのは、放送作家として活動していた頃に並行し、副業で「広報PRコンサルタント」をはじめ、いまや「第二の本業」といえる収益の柱に育てた野呂エイシロウさん。2021年には、その秘訣をまとめた『副業は自己PRがすべて』(プレジデント社)を上梓。「自分の本業のスキルを活かした副業選び」と「副業を成功させる、Webを活用したセルフブランディング」について話を聞いた。
※『副業は自己PRがすべて』著者・野呂エイシロウさんに聞く【第1回】サラリーマンの副業は、「本業で磨いたスキル」で実現できるはこちら。

【撮影=塚原孝顕】


SNSやブログで、未来のクライアントに営業をかける

「よし、副業で稼ごう!」と思ったなら、まずはじめるべきことは、アルバイト求人サイトの検索ではありません。時給1000円少々で慣れない仕事をしても疲弊するだけですし、どんなに頑張っても時給アップ以上の発展性がありません。

それよりも、自分の「本業で培ったスキル」の価値を活かして事業を起こすほうが、間違いなく発展性があります。営業や事務でも、力仕事や販売業務でも、みなさんは会社でなんらかのスキルを長きに渡って磨き続け、プロとして世の中に提供しているはずです。そうであるなら、そのスキルを会社以外の場所で”販売”すればいいのです。

スキルといっても、高度なものでなくてもビジネスチャンスはあります。例えば、「Excelをひととおり使える」くらいのことでも十分です。書店に行けば、「Excelの使い方」の本があり、パソコン教室はあらゆる街に存在しますよね?その他、「整備士に車のメンテナンスを教えてほしい」「ベテラン人事に社員面談のコツを相談したい」など、自分にとっては些細なことに思えるスキルにも、必ず「知りたい」「わかる人に相談したい」というニーズは存在します。

問題は、ニーズを持つ人にどうやって自分の存在を知らせるかです。世の中の「知りたい」に応えるコンテンツをYouTubeで発信する人、ニーズを持つ人が集まるWebのスキルシェアサービスを活用して講座を開講している人、マッチングサービスに登録してフリーコンサルタントとして活躍している人もいます。人脈が広い人はネットワークのなかから、スキルの提供先を探すこともあるでしょう。

しかし、人脈やプラットフォームを活用しているだけの受け身の姿勢では、思うように顧客を得られず、ビジネスが広がっていきません。そこで、みなさんにおすすめするのは、Webを使ったセルフブランディングです。SNSやブログなどを活用し、あなたの存在とスキルの価値を世の中に広く宣伝し、「自分はあなたの役に立つ存在だ」とアピールするのです。そうすることで、クライアントのほうからあなたに仕事の相談が舞い込むようになり、アルバイトでは得られない高収益の可能性が生まれます。

「人脈やプラットフォームを活用しているだけの受け身の姿勢では、ビジネスチャンスは広がらない」
「人脈やプラットフォームを活用しているだけの受け身の姿勢では、ビジネスチャンスは広がらない」【撮影=塚原孝顕】


私はブログで「敏腕コンサルタント」になった

では、私自身の事例を紹介してみます。私が副業をはじめた頃は、本業の放送作家としては業界内で一定の知名度を持っていましたが、副業の「広報PRコンサルタント」としてはまったくの無名でした。

そこで、営業活動として活用したのがブログです。本業である放送作家として培った「テレビ番組をヒットさせるノウハウ」をブログで伝えるのですが、併せて、企業の広報担当者がテレビ番組に対して、「商品PRのためのコーナー企画案」を提案する際に役立つ情報も伝えました。それを読むことで、番組関係者が求めていることや、テレビ業界のご法度もわかり、企業の広報担当者の好評を得ることができたのです。

そうして、読者にメリットを提供したうえで、自分を「放送作家のノウハウを活かしたメディア広報の担い手」としてアピールしました。例えば、担当したPR案件を具体的に紹介したり、依頼や相談を受け付けていることを毎回の記事で伝えたりするということです。ブログの読者が増え、他のブログでも紹介されるようになると、私が営業活動をしなくても企業の広報担当者から連絡や依頼が舞い込むようになっていきました。

現在は、ブログではなく「note(ノート)」というメディアプラットフォームを活用しています。また、メルマガやSNS、書籍、講演、オンラインサロン、さらに雑誌やWebメディアの連載などを通じ、自分の仕事やノウハウを発信し続けています。

みなさんも、自分の持つスキルやノウハウの一端をWebで発信してみることです。
・「PowerPointで読みやすい企画書をつくるコツ」
・「BtoB営業でセールスを3倍にする方法」
・「家事の時間を半分にする時短術」
といったようなコンテンツを立ち上げ、内容を充実させてファンを獲得していきましょう。そのうえで、コンサルティング依頼の連絡先や、スキルシェアサービスへのリンクを貼るなど、マネタイズへと持ち込むのです。

「読者にメリットを提供したうえで、自分が何者なのかをアピールする」
「読者にメリットを提供したうえで、自分が何者なのかをアピールする」【撮影=塚原孝顕】


セルフブランディングにおける6つの発信ルール

みなさんが情報発信に使うWebツールがブログであれ、SNSであれ、意識しておかなければならないことがあります。それは、「好感と信頼を稼ぐこと」。ここでは、ブログを前提に信頼を集め、ファンを得るための大切な6つのポイントをご紹介します。

1. 自分が何者であるかを明確に伝える
私の場合であれば、ブログで「放送作家のノウハウを活かしたメディア広報の担い手」を自称し、アピールをしました。みなさんも「Excelの伝道師」「家事のプロフェッショナル」など明快な肩書きを考えてみましょう。

そして、その肩書きに足る経歴をプロフィールに書き添えてください。噓でさえなければ、ある程度の誇張はご愛嬌です(笑)。読者にとって「あなたが何者であるか」がすぐわかり、納得できることが大切です。また、ビジネスとしてブログをするのですから、「ありのままの自分」は出しません。恥じらいや自分の殻は捨て去り、好まれるキャラクターを演じて信頼獲得に努めましょう。

2. 自己紹介でおちゃらけない
ブログでは、役立つ情報を楽しく読むためのユーモアは大切です。楽しそうな人柄が見えれば「一度会ってみたい」と思われる可能性も高まります。

ただし、締めるべきところは締めましょう。その最初のポイントが自己紹介。プロフィール欄や自己紹介の記事など、自分の仕事やミッションを説明するときは堂々と、誠実に書くことです。自分の仕事を茶化したり、自嘲したりする人は信頼されません。また、プロフィール写真も同様です。ピースサインの旅行写真などもってのほか。身なりを整え、プロカメラマンに撮影してもらい、信頼と誠実さが見える写真を採用してください。

3. 自己満足の情報発信は、なるべくしない
ブログで読者を増やすには、できるだけ毎日更新して質のいい情報を積み上げましょう。でも、ネタに困ってしまうとやりがちなのが「私生活の公開」です。「今日のランチはカレーです!」「大切な友人と赤坂でディナーしてきました」……。これを読んだときの読者の気持ちは、単に「がっかり」するだけです。

読者の多くは、あなたのノウハウに期待してブログを見にきます。あくまで読者のためのブログであり、あなたの自己満足の場ではないのです。記事の書き出しの雑談として書くのはいいですが、必ずテーマに沿った有益な情報も書き添えましょう。また、プライベートな投稿はSNSに限定してブログでは書かないなど、すみ分けが大切です。

4. 引用だけの発信はNG!独自性を大切にしよう
3.と同じく、ネタに困ると「偉人の言葉」を紹介するだけの記事や、ニュース記事や他のブログを引用して感想を述べるだけの記事を書いてしまいがちです。そうではなく、必ず自分の考えや体験を添えて、オリジナリティのある記事にすることを心がけてください。

5. 成功体験は共感ストーリーを添えて自慢する
「プレゼンがうまくいった」「オンライン講義が大盛況だった」……。そんな成功事例は、ぜひ記事にしましょう。その際に注意することは、「美しすぎる武勇伝」にしないこと。人は完全無欠な人間よりも、弱みを持ち、それを開示する人間に共感を覚えます。

「実のところ、不安でたまらなかったのですが、みなさんに満足してほしくて晩酌の時間も準備にあてました!」など、努力や真摯な姿勢を伝えつつ弱い部分も見せることで共感が得られ、あなたのファンが増えていきます。

6. 失敗を認めてネタにする
ビジネスを続けていれば、なんらかの失敗は起こり得ます。「ダメ出しをもらってしまった!」「契約書を見落として損してしまった!」という失敗体験を得たなら、それは記事のネタにするチャンスです。

読者は弱みを持つ人に共感し、応援したくなります。読者にも注意喚起しつつ失敗体験を笑いに変え、苦難を乗り越えてポジティブに進もうとするあなたのスタンスを記事で表現してください。

「Webツールを使うときに意識することは『好感と信頼を稼ぐこと』」
「Webツールを使うときに意識することは『好感と信頼を稼ぐこと』」【撮影=塚原孝顕】


インプットなくしてアウトプットは得られない

オリジナリティのある記事を、毎日のように更新していくことはすぐにはできません。ネタは尽きるし時間は有限です。最初は1本400字で週3回、次は1000字で週5回と、少しずつ自分のスキルを上げていかなければなりません。スルスルと記事を書けるようになるには、最低でも1年以上かかると思っていてください。

また、なにもないところから記事を書くネタは生まれませんから、日々、自分に新しい刺激を取り入れる意識と習慣づくりは欠かせません。私は若い頃からずっと、年間100冊以上の読書を続けています。さらに、自分の興味に偏ると新しい情報は得られないので、書店では10冊買ううちの5冊は、あえて関心のないジャンルのコーナーから選んで購入しています。近頃では、定額で書籍や雑誌が読み放題のWebサービスもあるので、とても重宝しています。

また、興味の赴くままに「実際に見にいく」という行動力も大切なインプットです。例えば、話題のテーマパークも、ただ情報番組や雑誌を見るだけでは上っ面しかわかりません。足を運び、そこにいる人たちの表情、空気感、自分が体験したエピソードなど、リアルの情報を得ることで、そのテーマパークについて他の人に向けて表現できることがまったく変わります。

「『実際に見にいく』という行動力も大切なインプット」
「『実際に見にいく』という行動力も大切なインプット」【撮影=塚原孝顕】


そうした知見がたまれば、その恩恵はブログやSNSなどの発信だけにとどまりません。リアルで会っても話題が豊富で、話していて楽しい人になれることはみなさんも想像に難くないと思います。セルフブランディングにおいて、最後に自分の強いファンを生み出すのは「リアルで会ったときの印象」ですから、ぜひ自分自身を磨き続けることを忘れないでください。

『副業は、自己PRがすべて。——「稼ぐ人」が実践する成功戦略』著者・野呂エイシロウさん
『副業は、自己PRがすべて。——「稼ぐ人」が実践する成功戦略』著者・野呂エイシロウさん【撮影=塚原孝顕】


この記事のひときわ#やくにたつ
・本業で培ったスキルを会社以外の場所で”販売”する
・SNSやブログなどを活用し、「自分はあなたの役に立つ存在だ」とアピールする
・Webでのセルフブランディングで重要なのは「好感と信頼を稼ぐこと」
・実際に実際に見にいくことも含めてたくさん情報をインプットをする
・最後に自分の強いファンを生み出すのは「リアルで会ったときの印象」

構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、取材・文=吉田大悟、撮影=塚原孝顕

『副業は、自己PRがすべて。——「稼ぐ人」が実践する成功戦略』
プレジデント社(2021)

【プロフィール】
野呂エイシロウ(のろ・えいしろう)
1967年、愛知県に生まれる。愛知工業大学在籍中に、学生起業家として活躍後、雑誌編集者に。『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』で放送作家としての活動を開始し、『ザ!鉄腕!DASH!!』『特命リサーチ200X』『奇跡体験!アンビリバボー』『ズームイン!!SUPER』といった数々の人気番組を手掛ける。30歳のとき、大手広告代理店に誘われたのがきっかけで戦略的PRコンサルタントヘ転身。TV番組をヒットさせるノウハウを企業PRに活かすなど独自の手腕を発揮。これまでに、大手広告代理店をはじめ、150社以上と契約。自動車会社、家電メーカー、飲食チェーン店、飲料メーカー、学習塾、金融など、分野は多岐にわたる。

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