真面目なパパの浮気に悲しみながらも、疑惑を暴くために奮闘する娘の物語 / 画像提供/墨染 清さん
【漫画】真面目なパパの浮気疑惑を暴くために奮闘する娘に「平和な話でよかった」「パパかわいすぎ」の声

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、真面目な父親の浮気を疑う娘を描いた『真面目なパパが浮気した話』をピックアップ。本作は、「サンデーバトル8 第29回 読み切りテーマ:ウラの顔」のために制作されたもの。作者である漫画家の墨染清さんが、2024月4月4日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ、5.3万件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事では墨染清さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

強い使命感に駆られ、家族を壊そうとする娘

『真面目なパパが浮気した話』(4/8) / 画像提供/墨染 清さん
梨々香の家族はかわいいママと、ウザいパパ。ごく普通の家族だと思っていたのだが、遡ること3日前…梨々香はパパが自室で「俺も好きだよ、しのちゃん」と電話しているのを聞いてしまう。パパの浮気に気付いてしまったことで、梨々香はパパのことが“無理”になっていた。

高1なのに門限に厳しかったり、ニュースを見ていたら急に現れて解説をし始めたり、夜中にアイスを漁っていると説教を始めたりするパパ。ウザくはあっても「超ダルくてクソマジメ」なところが少し誇らしいとも思っていたのだ。梨々香の中でパパは絶対に正しいという信頼があっただけに、失望は大きかった。

「だから私は、二人を離婚させなきゃいけないんだ」という使命感に駆られた梨々香。家族を壊そうと決意して、3人が顔を合わせた食卓でついに口を開くが…。

実際に物語を読んだ人たちからは「心底ホッとしましたわ……」「しのちゃん…」「尊さ爆発」「ごちそうさまでした」「あまーーい」「平和な話でよかった」「パパかわいすぎ」という反響の声が寄せられている。

リアルすぎる娘の言動と心情の変化

『真面目なパパが浮気した話』(6/8) / 画像提供/墨染 清さん
――『真面目なパパが浮気した話』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

ひとつのテーマに沿って8ページの漫画を描いて競い合う「サンデーバトル8」という企画の「テーマ:ウラの顔」用に描かせていただきました。私は家庭を舞台にした話を考えるのが好きなので、このテーマを聞いたとき「家族の裏の顔を描いてみよう」とすぐに思い至ったように思います。そこから家族を愛する夫、あるいは父親の浮気をメインに家庭内の様子を描こうと決めました。

――本作では、パパの浮気に勘付いた娘・梨々香のシリアスな表情が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。

梨々香の言動と心情の変化にリアル感を出そうと心がけていました。ひそかに尊敬している真面目な父親が浮気をしたとき、あまり素直じゃない性格の娘はどのようにふるまい、どのように考えるのか?短い漫画ではありますが、その点は読者の方にしっかり感情移入してもらえるように描こうと決めていました。

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

6ページ目で梨々香がパパに向かって泣きながら「嘘じゃん」と訴えかけるシーンがお気に入りです。大好きな人に裏切られたと感じたとき、人は怒りよりも思い出を否定されたような悲しみに襲われるのだろう、と私は考えているので、そこを少しでも描写できたことに満足しています。

――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか。

どんなときに人は悲しさや寂しさ、あるいは喜びを感じるのか?ということについて、日ごろからメモ帳等に記録しています。描きたい人間の感情をメインに置いてから、ストーリーはそれに合うように後付けで考えています。

――作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか。

人間のリアルな体の動き(リラックスしているときの姿勢、緊張しているときの手の動きなど)や、細かな感情の揺れ動きを読者の方に伝えられるように描くのが目標です。まだまだ目標には程遠いですが、少しずつその点に触れていただけることが増えてきて嬉しく思っているところです。

――今後の展望や目標をお教えください。

「何かに苦しんでいる誰かが私の漫画を読むことで傷が癒され前向きになれる」というのが私の理想です。個人、出版社、読み切り、連載、どのような発表の仕方であれ、その理想は変わりません。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!

いつも閲覧やご感想、ご質問やご意見等々、まことにありがとうございます。少しでも楽しんでいただけるように尽力してまいりますので、今後ともなにとぞよろしくお願い申し上げます。