肩こりや腰痛、ひざの痛み...。そのすべての原因は「頭の重みを上手に支えきれていない」ことにありました。頭の重量は約6kg。普段から意識的に「頭の重みを支える」ための動作をしなければ、体の弱い箇所に負担がかかってしまうのです。『イラストでわかる 肩・腰・ひざの痛みが消える日常動作大図鑑』(ダイヤモンド社)の著者で、健康運動指導士である植森美緒さんが、そんな体の痛みをラクにする動作を紹介。日常のあらゆる場面であなたの痛みを「ラクにする」ヒントにしてください。
※本記事は植森美緒:著、金岡恒治:監修の書籍『イラストでわかる 肩・腰・ひざの痛みが消える日常動作大図鑑』(ダイヤモンド社)から一部抜粋・編集しました。

イラストでわかる 肩・腰・ひざの痛みが消える日常動作大図鑑_記事1アイキャッチ.jpg
※写真はイメージです(画像提供:ピクスタ)

頭の重みを上手に支えて、今ある痛みをすぐ解消! 痛みの9割は「頭」が原因


首・肩・腰・ひざの痛みは頭の重さから始まる


私たちの体はなぜ痛くなるのでしょうか?
体の痛みやこりを引き起こす本質的な問題が、じつは「頭」です。
成人の頭の重みは約6kgもあります。1リットルのペットボトル約6本分もの重さです。
そのこと自体はご存じの方もいらっしゃると思いますが、実感はあまりないのではないでしょうか。その実感のなさにこそ、落とし穴があるのです。

必要なのは、頭を上手に支える動作だった!


たとえば、凍結した路面を歩くときは、転ばないように意識して小さな歩幅で歩きます。持ち上げるものが重いとわかっていれば、意識してお腹に力を入れるでしょう。
ところが、頭が重いという実感は日ごろなかなかもちにくく、自覚のないままに体に負担をかけてしまうわけです。
痛いときと痛くないときがあるように、痛みは体に負担がかかっていることを訴える体のシグナルです。「頭を上手に支える動作」を行うだけで、痛みが消え、体がよくなっていく現実にあなたはきっと驚くでしょう。

痛くなる前に休ませることも大切


痛みと無縁の毎日を送るために、けっしてあなどってはいけないのが「疲れ」です。
筋肉に負担がかかると疲れます。疲れがたまると「だるさ」や「こり」として表れ、ひどくなると「痛み」に変化します。
筋肉が弱った状態で負担がかかり続けると、さらに関節や骨にまでダメージが及びます。痛みの原因をもとから断つためには、疲れを生む動作に気をつけること。とくに同じ姿勢で筋肉を固定しないようにし、疲れたら早め早めに休ませることが痛みの予防になります。

どこも痛くない体になる頭の重みを支える立ち方


nichijodosa01_01.jpg
イラスト:中村知史(『肩・腰・ひざの痛みが消える日常動作大図鑑』より)

体にとって、力を抜いた状態はラクではない


力を抜いて立つほうがラクに感じるかもしれませんが、実際はそうではありません。
じつは、体の力を抜けば抜くほど頭は前に出て、首、肩、腰に重みの負担がかかります。するとひざは自然に曲がり、曲がったひざには体重がずっしりとかかります。
結果的に、ラクとは正反対の「痛み」が生まれてしまうのです。
nichijodosa01_02.jpg
イラスト:中村知史(『肩・腰・ひざの痛みが消える日常動作大図鑑』より)

座っているときも、歩いているときも、どんなときも同じ


そしてこれは、立っているときだけの話ではないのです。座っているときも、歩いているときも、どんなときにも、重い頭の呪縛からは解放されません。
人によって痛い場所や痛みの度合いが違うのは、姿勢をふくめ、日常の動作の中での頭の支え方の違いがあるからです。
もし体のこりや痛みを感じたら、あごの角度を変えたり、背中を伸ばしたりして、頭の支え方を変えてみてください。
少し意識するだけでも、ラクになる実感を得られます。