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ロッテ「コアラのマーチ」の絵柄に隠された秘密。「まゆげコアラ」のまゆげは実はまゆげではない?

2024/02/19 19:00
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さまざまな表情のコアラたちが描かれているチョコレート菓子「コアラのマーチ」は、2024年で誕生40周年を迎える。コアラの初来日に先駆けて企画・発売されたこのお菓子は、愛らしいコアラの絵柄が話題となり、ロングセラー商品となった。

長年多くのファンに愛されているコアラのマーチだが、ブランドが成長するきっかけになったのは、「見つけると幸せになれる」という噂が広まった「まゆげコアラ」の存在が大きいと言われている。まゆげコアラが“ラッキーコアラ”と呼ばれるようになったのには、どのような理由があったのだろうか。

今回は、「コアラのマーチ」の誕生秘話やまゆげコアラの噂、そして2024年の周年事業の取り組みについて、株式会社ロッテ(以下、ロッテ) マーケティング本部 焼き菓子企画課の金田真里恵さんに話を聞いた。

2024年現在の「コアラのマーチ<チョコ>」。絵柄に隠された秘密とは?
2024年現在の「コアラのマーチ<チョコ>」。絵柄に隠された秘密とは?


夏でも溶けないチョコレート菓子を。「コアラのマーチ」誕生秘話

「コアラのマーチ」誕生のきっかけは1982年にさかのぼる。当時、「わらべ」という女性3人組のグループが歌った「めだかの兄妹」が大ヒット。この歌から派生して、ロッテは「めだかの兄妹」というチョコレート菓子を発売した。

1983年発売の「めだかの兄妹」 
1983年発売の「めだかの兄妹」 


しかし、夏には暑さでチョコレートが溶けてしまうという問題が発生したため、ロッテは「夏場に溶けないチョコレート菓子を作ろう」というプロジェクトを発足させた。

「このプロジェクトでは、かわいらしく人気が長続きするもの、新奇性のあるもの、これから人気が出てかつあまり知られていないもの、そしてマスコミ受けするもの、という4つのポイントを重視していました。このころはパンダブームが来ていたのですが、1984年にコアラが初来日するという情報をキャッチし、『次に来るのはコアラだ!』という話になり、コアラがキャラクターとして選定されました」

そして1984年10月のコアラ来日より少し前、1984年3月に「コアラのマーチ」が発売された。コアラは1日の8割くらいを木の上で寝て過ごす動物。静かな動物であまり動きがなかったため、“オーストラリアからマーチングバンドを組んで日本にやってくる”という、楽しいブランドイメージを作るために「マーチ」を組み合わせたそうだ。

「ビスケットの外側にチョコレートが付いていた『めだかの兄妹』とは異なり、『コアラのマーチ』はビスケットの内側にチョコレートが入っている形式です。そのため、夏場でもチョコレートが溶けず、手にもつかずに食べられるのが特徴。小さなお子様でも手を汚すことなく食べられるのがメリットですね」

1984年発売当時のコアラのマーチ
1984年発売当時のコアラのマーチ


なお、開発中は平べったいビスケットをぷっくりと膨らませるのに苦戦したという。さらに、「コアラのマーチ」にはコアラの絵柄がプリントされているが、プリント用のカラメルインクが濃すぎるとビスケットが膨らまなくなるという問題も。コアラの鼻部分はインクの水分量を調節するために、ベタ塗りではなくドット状になっているのも細かな工夫だ。

「まゆげコアラ」が人気の火付け役?絵柄に隠された秘密

「コアラのマーチ」にはビスケット一つひとつにさまざまな種類のコアラが描かれている。2024年現在、その数はなんと365種類で、過去のデザインも含めると800種類以上になるという。そんなコアラたちの絵柄は、発売当初は12種類だけだった。その中でも“ラッキーコアラ”と話題になった絵柄が「まゆげコアラ」だ。

「12種類の中でトランペットを吹いているコアラがいたのですが、その子だけまゆげが太かったので『かわいい』と評判になりました。そして1990年ごろ、女子高生の間で『まゆげコアラを見つけると幸せになれる』といった噂が広がり、一気に話題になりました。そこから絵柄にフォーカスするようになり、結果としてお客様の反応も増え、売り上げが大きく伸長しました」

ちなみに、まゆげコアラのまゆげは実はまゆげではなく、トランペットを頑張って吹くときの眉間のシワ。しかし、消費者の間でまゆげと勘違いされたこともあり、次第に「まゆげコアラ」と呼ばれるようになったのだとか。ちなみに、“ラッキーコアラ”と呼ばれている絵柄はまゆげコアラ以外にも何種類かいるが、特に数を少なくしているということはなく、確率的には“レア”というわけではないそうだ。

初代コアラのマーチの絵柄12種類
初代コアラのマーチの絵柄12種類

まゆげコアラ
まゆげコアラ


絵柄は年月を重ねるごとに増えていき、現在は365種類。消費者からの「もっといろいろな絵柄を見たい」という要望に応える形でどんどん数を増やしていったという。一時期は500種類もあったそうだが、「自分の好きな絵柄が見つけられない」という声もあり、現在は1年の日数と同じ数になっている。

「実は、絵柄は毎年更新しています。新しい絵柄には時代を反映したものや、話題になっているものが選ばれています。2023年度にはサウナブームを反映した『サウナでととのうコアラ』、筋トレブームを反映した『マッスルコアラ』、昨今の円安から『円安コアラ』、SDGsを意識したコアラなどが追加されました。2024年にどんな絵柄が追加されるかは、これからのお楽しみです!」

2023年度のすべての絵柄
2023年度のすべての絵柄

2023年度に追加されたコアラの絵柄
2023年度に追加されたコアラの絵柄

にしきあなごコアラ
にしきあなごコアラ

子どもコアラ
子どもコアラ


「商品を通じてこれまでの『ありがとう』を伝える」

「コアラのマーチ」には、人間で言うところの9歳くらいの「マーチくん」と「ワルツちゃん」というキャラクターがいるが、2023年には彼らに加えて新しい仲間が登場。それが双子の「ドレミくん」と「ミレドちゃん」だ。この2匹は6歳ぐらいの子どもをイメージしたキャラクターだそう。

「この2匹は、いたずらばっかりするキャラクターです。この子たちがビスケットを緑色に塗ってメロンソーダ味にしちゃったり、ハロウィン商品のパッケージにいたずらしちゃったり…といったふうに、商品上で活用しています。新キャラを追加したのには、お子様に人気のアニメのキャラクターには悪者キャラやいたずら好きなキャラが存在していることが多く、そのような需要を満たしたいという目的がありました」

コアラのドレミくん
コアラのドレミくん

コアラのミレドちゃん
コアラのミレドちゃん


ロングセラー商品でありながら、定期的な絵柄の刷新や新キャラの追加などを行い、進化し続けている「コアラのマーチ」。50周年、60周年、果ては100周年を目指していくうえで、今後のブランドの展望を金田さんはどのように考えているのだろうか。

「『コアラのマーチ』は、親と子がほのぼのした気持ちを共有できて、親子の時間をもっと楽しくするというブランドパーパスを掲げています。『コアラのマーチ』をとおして親子の時間が楽しくなるようなブランドの展開や施策をこれからも行っていく予定です。『コアラのマーチ』は、絵柄を通じて誰かに話したくなるといったコミュニケーションができるブランドです。なので、商品を通じてこれまでの『ありがとう』を伝えるだけでなく、これからの『わくわく』をお届けしていきます」

少女マンガコアラ
少女マンガコアラ

ほんものみたいなコアラ
ほんものみたいなコアラ


2024年は、40周年を記念して「キャラクター・絵柄」を介した取り組みが開催される。自分だけのオリジナルの「コアラのマーチ」が作れる「オリジナルマーチくんメーカー ~あなたもコアラのマーチくん~」や、3月からは500人の名前が絵柄に描かれ、自分の名前を探すことができる「名前探し」を実施予定だ。

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これからもまゆげコアラをはじめとしたかわいいコアラたちが、親や子、大切な人とのコミュニケーションの架け橋となってくれるだろう。今後の展開からも目が離せない。

取材・文=福井求(にげば企画)

公式サイト:https://www.lotte.co.jp/products/brand/koala/

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