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心豊かな人生を歩むために――。「健全なお金の価値観」があってこそのライフプラン

2024/01/21 20:00
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生きていくにはお金がかかる。そのため、これからの「ライフプラン」を考えるには「マネープラン」も欠かせない。しかし、それらを考えるに先立って、自分の「お金の価値観」を明確にしておかなければならないというのは、金融教育家の上原千華子さん。そもそも「お金の価値観」とはなにか、それを明確にしておく必要性はどこにあるのだろうか。

金融教育家の上原千華子さんにインタビュー
金融教育家の上原千華子さんにインタビュー【撮影=藤巻祐介】


自分が気づかないうちに形成されている「お金の価値観」

ライフプランを考えるうえで重要となるのは、「本来のお金の価値観」を身につけることです。私がいう「お金の価値観」とは、「お金に関する考え方全般」のことを指します。

たとえばそれは、「なににお金をかける価値があるのか」「お金に関してどんなイメージを持っているのか」「自分にとってお金とはなんなのか」といったことであり、ほとんどの人は日常的に意識することはありません。なぜなら、お金の価値観は、自分が気づかないうちに形成されているからです。

生まれたばかりの赤ちゃんは、感情の赴くまま、つまり自分基準で考えて行動をします。でも、大人になっていく過程で、親などの他者や社会の基準に沿うかたちで行動をするようになっていきます。

親や学校の先生が示す「〇〇しちゃいけないよ」「△△しなくちゃいけないよ」といった基準に数多く触れるうち、知らず知らず自分の基準が無意識の領域に追いやられ、他者や社会の基準で考えるようになるのです。

もちろん、社会のルールを守るなど社会性を身につけるという意味ではそういうことだって必要でしょう。しかし、お金の価値観で見た場合、自分の心を本当に豊かにしてくれるお金の使い方ではなく、「こういう使い方をしたほうがよい」という誰かがつくった基準だけに従っていては、自分らしいライフプランを立てることが難しくなります。

だからこそ、自分が幸せになるためのライフプランを考えるには、それに先立って、誰かの基準ではなく自分基準の「本来のお金の価値観」を身につけることが大切なのです。

誰かの基準ではなく自分基準の「本来のお金の価値観」を身につけることが大切
誰かの基準ではなく自分基準の「本来のお金の価値観」を身につけることが大切【撮影=藤巻祐介】

「健全ではないお金の価値観」を払拭する

私がいう「本来のお金の価値観」とは、自分の心を本当に豊かにしてくれるお金の使い方をするための軸になるものです。ですから、「これが本来のお金の価値観だ」といった客観的な判断基準があるわけではありませんし、どんな価値観が正しいとか誤っているといえるものでもありません。

そうはいっても、やはり「健全ではないお金の価値観」というものは存在します。一番わかりやすいものなら、浪費につながる価値観でしょう。

浪費癖があって「たくさんお金を使うと気分がいい」といった口癖を持つ親に育てられた子どもは、同じような考えを持つようになります。このことは、脳科学の研究において6歳〜9歳までのあいだに脳の9割が完成するといわれていることとも関連するのでしょう。その子が成長すると、やはり親と同じように浪費に走るようになる可能性が高いのです。

もちろん、頑張って節約をして本当に欲しいものを買って幸せを感じるのは自然なことです。しかし、必要もないのに収入以上の買い物を続け、家はものであふれて借金が膨らんでしまうといったことになれば、もちろんそれは問題です。

逆に、度を超えた節約をしてしまうのもまた考えものです。日本には「質素倹約は美徳」という文化があります。もちろん、それ自体はいいことだと思います。しかし、節約を意識するあまり、楽しむためにお金を使う、誰かに感謝を示すためにお金を使う、自身のスキルアップにお金を使うなど、ポジティブな方向でもお金を使えなくなったらどうですか?

その裏には、お金がなくなってしまう不安や、どれだけお金があっても拭えない欠乏感といったものが隠れています。このような、常に不安を伴う価値観に支配されてしまっていては、もちろん豊かな人生を送ることはできません。

『「お金の不安」をやわらげる科学的な方法 ファイナンシャル・セラピー』
日本能率協会マネジメントセンター(2023)
上原千華子 著

【プロフィール】上原千華子(うえはら・ちかこ)
金融教育家。欧米投資銀行勤務歴17年、個人投資家歴26年。証券外務員一種、最新の心理学NLPを使ったマネークリニック(R)認定トレーナー。金融知識だけではお金の不安が消えなかった経験から、心理学を取り入れたライフプランと資産運用を教えている。「お金の教育をもっと身近に、心から豊かな人生を」がモットー。投資銀行では、金利・債券トレーディング部のリスク管理、クライアントサービスに従事。億単位のお金を動かすトレーダーの右腕となり、取引のリスク管理と顧客対応を行う。30%の業務効率化、海外チームへの業務移管などプロジェクトマネージャーとしても活躍。2018年、(株)ウェルス・マインド・アプローチ創業。企業より業務効率化プロジェクトを受注。並行して資産運用講座を実施する。ライフプランから資産運用まで自分でできるようマンツーマン指導。多忙な中小企業経営者から支持され、口コミでビジネスが広がっている。

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