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“静岡産大麦を100%使用した初のウイスキー”が数量限定で発売。7年の歳月をかけて誕生した“静岡らしいウイスキー”とは?

2023/11/16 09:00
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今回取り上げるのは、静岡県でシングルモルトウイスキーを製造販売するガイアフロー静岡蒸溜所が、2023年11月下旬に数量限定で発売する、静岡産大麦を100%使用したウイスキー「ガイアフロー シングルモルト日本ウイスキー 静岡プライベートカスク ディスティラリー・リザーブ 100%静岡大麦 exバーボンバレル 5年」(500ml/2万2011円)。このウイスキーについて、担当者に話を聞いてみた。

100%静岡大麦で造られた「ガイアフロー シングルモルト日本ウイスキー 静岡プライベートカスク ディスティラリー・リザーブ 100%静岡大麦 exバーボンバレル 5年」
100%静岡大麦で造られた「ガイアフロー シングルモルト日本ウイスキー 静岡プライベートカスク ディスティラリー・リザーブ 100%静岡大麦 exバーボンバレル 5年」


ーー今回のウイスキー、発売の意図やターゲットは?
静岡蒸溜所の創設当初から掲げている“静岡らしいウイスキーを造る”という目標の、第一歩となるウイスキーです。可能な限り地元産の原材料で創り出す、革新的な試みです。ウイスキー愛好家の方々だけでなく、静岡県にゆかりのある人、地産地消にご興味をお持ちの人などに「こんなウイスキーがあるんだ!」と知っていただくきっかけとなり、静岡蒸溜所の取り組みに注目いただければと思っています。

ーー今回のウイスキーの特徴は?
国内産であるだけでなく、地元産の大麦だけを使用したウイスキーは、現在のところ確認できる例がありません(エビデンスがないため、日本初をうたっておりません)。世界的にも『ローカルバーレイ(地元の大麦)』ウイスキーは注目を集め、希少価値を認められています。

ーー今回の商品のアイデアはどのようにして生まれましたか?また苦労した点があれば教えてください。
創業当初より、地元産の大麦を使ったウイスキー造りという構想がありました。しかし静岡県内では大麦の栽培がほとんど行われておらず、地元農家さんと試行錯誤しながらの栽培となりました。ウイスキーは3年以上の熟成が必要となります。熟成を経なければどんなウイスキーになるかということがわからないため、慎重に熟成による変化を見守ってまいりました。

ーーユーザーへのメッセージは?
今回は試験的な生産から生まれたリリースで、数量は非常に限られていますが、もし見かけることがあればぜひお試しいただき、静岡のテロワールが生み出した味わいを体感いただければと思っています。そして、今後の静岡蒸溜所の展開にも期待していただきたく思っています。

初の地元産大麦100%ウイスキー

現在、世界各所でウイスキーが造られているが、大麦の産地にこだわる蒸留所はわずか。そんななか、クラフト蒸留所を中心に、地元産原料を使おうという動きが起きている。

静岡蒸溜所では2016年の創業当初より、大麦の原産国ごとにわけた仕込みを実施。「地元静岡で収穫した大麦100%のウイスキー造りをしたい」という願いがあったことから、これまで大麦栽培の経験がなかった地元農家や組合と協働し、当時誰も行っていなかった試みに挑戦にした。

静岡産大麦
静岡産大麦


2016年、蒸溜所近隣の玉川地区桂山および富士宮で試験的に栽培・収穫した大麦を使用したことを皮切りに、2019年から隣接する焼津市の農家3軒とJA大井川、静岡県と協働し、本格的に栽培を開始。作付面積は年々増加、収穫量も増大しており、現在では静岡蒸溜所の全生産量の約1割超を静岡県内産でまかなえるように。

今回発売されるのは、2016年に収穫した大麦を100%使用した原酒のシングルカスク(ひと樽のみでブレンドしていない)ウイスキー。このときの収穫量は非常に少なく、2018年の仕込み1回分の量(大麦麦芽約1トン)のみ。5年の熟成を経て、ついに初めての静岡県産大麦100%のウイスキーが誕生する。

近年、国内のいくつかのウイスキー蒸留所で地元産大麦を使用したウイスキー造りが始まっているが、そのムーブメントを起こしたのが静岡蒸溜所といわれている。

地元の薪を熱源にした蒸留機「W」で蒸留

【写真】世界的にも希少な薪直火を熱源とした蒸留機
【写真】世界的にも希少な薪直火を熱源とした蒸留機

静岡蒸溜所の特徴である、世界的にも希少な薪直火を熱源とした蒸留機は、“Woodfired(薪の炎)”を意味する「W」と呼ばれている。燃料となる薪は、近隣の山の間伐材。株式会社玉川きこり社と協働し、森林管理から生じたスギなどの木材を手作業で薪に使用。地元の森林の健全な成長を促す活動の一端を担いながら、世界でたったひとつの蒸留機が、静岡のテロワールを体現する原酒を生み出している。

現在の蒸留方法の主流であるスチーム間接加熱ではおよそ150℃程度のところ、薪直火では800℃と高温に達する。これにより、コクと力強さ、心地よい香ばしさを持つ、唯一無二の静岡ウイスキーを造ることができるそうだ。

「オール静岡ウイスキー」プロジェクト

静岡蒸溜所では、このほかにも静岡産の原材料を活用している。

一つは“仕込み水”。

水源
水源

蒸溜所のそばを流れる安倍中河内川の伏流水を、敷地内の井戸からくみ上げて使用。安倍中河内川は、静岡市の生活を支える安倍川の水系で、良質な水質で知られている。水質は中硬水で、でき上がるウイスキーは香り豊かで上品なウイスキーになるといわれている。

さらに、ここのウイスキー造りの特徴が、静岡県内産の酵母を使用していること。

酵母
酵母


静岡蒸溜所では、一般的なウイスキー用の酵母と、県内で開発された酵母「NMZ-0688」を併用。これは、全国新酒鑑評会でも高く評価される日本酒の清酒酵母「静岡酵母」を開発した沼津工業技術支援センターが、ウイスキーやビールの麦芽の発酵用に開発したもので、同じく地元産の杉で造られた発酵槽で良質なもろみを醸し出している。

こうしたウイスキー造りのすべての材料を地元産にするという目標に向かって進んでいるのが「オール静岡ウイスキー」プロジェクトだ。

今回発売される「100%静岡大麦」は、このプロジェクトから誕生した第1作。厳密には、今回の原酒の仕込みには県産酵母だけでなく輸入酵母も使用しているため「オール静岡」ではないが、将来的には「オール静岡ウイスキー」がリリースされていく計画だ。

「静岡プライベートカスク」

「静岡プライベートカスク」は静岡蒸溜所が2016年から実施する、カスクオーナー募集プログラム。蒸留後の原酒を詰めた樽を予約販売し、最短で3年後にボトリングして届けている。

プライベートカスク
プライベートカスク


ウイスキー愛好家の「自分の樽を持ってみたい」という夢を叶えるこのプログラムは好評となり、現在申し込みの受付は抽選制。カスクオーナーは、熟成期間中に蒸溜所見学で樽と対面したり、サンプルを採取して成長を確かめたりでき、熟成3年に達したら好みのアルコール度数、ボトル容量(500mlまたは700ml)でボトリングすることができる。

今回はこのプライベートカスクの一環として、静岡蒸溜所が特別に保有する樽を「ディスティラリーリザーブ」として、シングルカスク(一つの樽の原酒)、カスクストレングス(樽出しのアルコール度数)でリリース。ラベルは、樽の詳細が記載される静岡プライベートカスクの公式ラベルを採用している。

「静岡大麦100% exバーボンバレル5年」

exバーボンバレルとは、容量200Lのアメリカンオーク製の樽で、1度バーボンウイスキーの熟成に使用されてから日本に運ばれてきたもの。原酒の個性を素直に反映するため、静岡蒸溜所では中心的に活用されている。

本作は、静岡蒸溜所のオフィシャルリリースとしては初の5年熟成品。2018年に蒸留し、5年熟成到達を迎える11月のボトリングとなるため、アルコール度数、リリース本数はボトリング時の計測となり、現時点では未定。販売方法は今後、オフィシャルサイトやSNSにて告知される。

ガイアフロー株式会社代表取締役の中村大航さん
ガイアフロー株式会社代表取締役の中村大航さん


ガイアフロー株式会社代表取締役の中村大航さんは発売にあたり、次のように語っている。

「静岡蒸溜所の立案当初から掲げている“静岡らしいウイスキー”を形にした静岡県産100%のシングルモルトがようやくリリースできます!静岡の大麦はどんな味になるのだろう?と考え、蒸溜所をスタートしてから、早くも7年が経ちました。大麦の栽培がほぼゼロだった静岡県で実現するには、『オレたちの酒を造ろう!』という気概を持った官民の多くの方々の労力と時間が必要でした。その汗と気持ちと足かけ7年の結晶をお楽しみください。正直、大麦栽培は当初、わからないことばかりでしたが、毎年の努力の積み重ねで、今では5月に美しい麦秋を見ることができます。今回はシングルカスクという、極少量でのリリースとなりますが、将来的にはより多くのみなさまに飲んでいただけるように鋭意仕込中です。今後の静岡らしいウイスキーにご期待ください」

※記事内の価格は特に記載がない場合はサービス料・税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

商品名:ガイアフロー シングルモルト日本ウイスキー 静岡プライベートカスク ディスティラリー・リザーブ 100%静岡大麦 exバーボンバレル 5年
アルコール度数/容量:未定/500ml
希望小売価格:2万2011円
販売数量:未定
発売日:2023年11月下旬

ガイアフロー株式会社 会社概要
2014年設立。「静岡らしいウイスキーを造る」という目標のもと静岡蒸溜所を創設し、2016年よりシングルモルトウイスキーの生産を開始。2020年に初めて「シングルモルト日本ウイスキー 静岡 プロローグK」をリリース。

2022年にはジャパニーズウイスキーでは例のない大麦の産地で製品を造りわけた「ポットスティルK 純日本大麦 初版」「ポットスティルW 純外国産大麦 初版」を発売し話題に。海外でも各リリースは高く評価されており、ウイスキーの評価サイトで高得点を獲得している。

■ガイアフロー静岡蒸溜所
公式サイト:http://www.gaiaflow.co.jp/
「ガイアフロー シングルモルト日本ウイスキー 静岡プライベートカスク ディスティラリー・リザーブ 100%静岡大麦 exバーボンバレル 5年」商品紹介サイト:http://www.gaiaflow.co.jp/blog/shizuoka-distillery/16473

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