旅館業の裏側を楽しく描いた漫画「We are ナカイサン!」がおもしろい!普段宿泊するだけでは見えない仲居さんたちの苦労を笑いを交えて紹介しているお仕事漫画だ。やけにリアルな内容だと読み進めていると、それもそのはず!作者の一浦にこさんは、10年以上の仲居経験があるもと仲居さん。新卒で仲居として働き始め、全国7カ所の宿での勤務経験を誇る。夕食を部屋出しする際の苦労や、宴会でのさまざまなトラブルなど、知れば知るほどおもしろい仲居さんワールドが広がっている。
今回は、仲居さんの腕力についてのエピソードを紹介。着物姿で常に優雅に立ち振る舞っている仲居さんたちだが、実は仲居という職業は腕っ節自慢の力仕事。一浦さんはもともと腕力に自信があり、ビールケースを片手で軽く持てるほどだった!!そんな一浦さんが新人のころの配属先で、ものすごく美人の先輩がいた。
スマホを持っただけで手首が折れそうなほどか弱く見える美人の先輩。見た目どおり、重いものが持てずに立ち尽くしているところに、何度も遭遇する。一浦さんは通りすがりにその先輩を助けるのがルーティンとなってきていた。
そんなことが続いたある日のことだった。非番だった一浦さんが社員寮から出かけようとしたとき、遠目からもわかるほど“美オーラ”を放っている美人の先輩を発見。一浦さんはこのあと、衝撃の光景を目にする!!先輩はなにやら両手に抱えていたのだが、それは一浦さんも驚くほどのもので…!!一浦さんに作中に描かれているエピソードについて話を聞いてみた。
――エピソードは実体験をもとに描かれているのでしょうか?
はい。仲居として働いているなかで体験した出来事や印象的だったことをもとにしています。ただ、そのまま描いてしまうとあまりにも“強い!”ということも多いので、わりとソフトに…というか和らげた表現をしている部分が多いです。
――仲居さんの仕事で一番大変だった業務について教えてください。
一番大変だったのは、今回の漫画で紹介しているように、“とにかく毎日重いものを持つ!”ことですね。たとえば宴会の後片付けのときに、漫画にも出てくる番重という箱に目一杯の食器を詰めて持ち上げて台車にいくつも重ねる、だとか…!ビールケースも重いですし、意図せずに毎日筋トレしてるみたいな感じでした。仲居として働き続けるためには腰を痛めないように注意が必要です。
今回紹介したエピソードはほんの一部で、基本的に「仲居さんは例外なく力持ち」だという。旅館に泊まると、きっちりと着物を着こなし、涼しい笑顔で接してくれる仲居さんたち。客には見せない笑顔の裏側が描かれた「We are ナカイサン!」は、もと仲居さんが描くだけあって現実味たっぷりのお仕事漫画だ。仲居という仕事に興味がある人も、旅行が好きでよく旅館に泊まる人も、この作品を読めば、宿で見えていた世界が変わり、広がるきっかけになるかも!一読の価値ありの作品である。
画像提供:一浦にこ