幼少期から漫画家にあこがれ、現在はWeb広告関係の仕事をする傍らで個人の作品を執筆し、ブログやSNSに公開しているまくべす(@maxvess3)さん。社畜のように働かされるサラリーマンの日常を描いた漫画『目指せ!日本一の社畜!ぬこリーマン』を好評連載中だ。今回は社畜の身に起こった「社畜の怪奇現象」を紹介する。日々、心霊現象よりも怖い現実と闘っている社畜を震えさせた怪奇現象とはいかに…!?
ぬこリーマンが手に何やら紙切れを持ち、同僚のもとへやってきた。そして「ま、まったく理解を超えていたのだが…」と震える声で話し出す。真剣な表情で、「あ…ありのまま、今起こった事を話すぜ!」と、まるで自分を落ち着けるためかのように前置きをして語り出した内容とは…?
「おれは先月100時間残業したと思ったら、給与明細みると残業時間がゼロになっていた」と今起こった恐怖を一気に吐き出した。どうやら手に握りしめていた紙は“給与明細”だった様子。「な…何を言ってるのかわからねーと思うが…」と給与明細を持つ手にグググと力が入る。ぬこリーマンの心臓はバクバク…まだ動揺が収まらない。
それを聞いていた同僚は事態を察し、長い沈黙の末、「信じるぜ…」と発する。そして「ここはブラック企業。なにが起こっても不思議じゃない」と続けると、ぬこリーマンは堪えていた感情が爆発し、泣きながら同僚に抱きつくのだった。
残業時間については、2019年4月に施行された「働き方改革関連草案」のなかの「罰則付きの時間外労働の上限規制」で新しいルールが決定し、中小企業も2020年4月より適用開始。それまでの「36協定」では、原則として時間外労働の上限は、月45時間・年360時間とされており、超えても罰則はなかったが、新ルール以降は月45時間・年360時間という上限はそのままに、罰則が科せられるように変わった。
また、特別な事情により36協定を超える時間外労働が発生する場合は「特別条項」に則っていたが、その特別条項も改正。それまでは1年の半分(6カ月)までは時間外労働の上限が事実上無制限だったが、新ルールではどんな事情があっても月100時間未満とされ、2~6カ月平均が80時間以内であることが義務づけられ、さらに年720時間以内という上限が設けられた(月45時間を超えることができるのは年6カ月までというのは変わらず)。
今回のぬこリーマンの月100時間の残業時間は、果たしてどこへ消えたのか…?月100時間は特別条項を以てしてもギリギリアウトなので、会社側が隠蔽してしまったのか?いや、まるごと消えているところを見ると、2~6カ月平均の上限や年間の上限に引っかかったので調整されてしまったのか…?どちらにしてもブラックな会社に働くぬこリーマンが不憫でならない。社畜サラリーマンの“あるある”を描いたまくべすさんの漫画は、SNSで新作を随時更新中なので、ほかの作品もぜひ読んでみて!
画像提供:まくべす(@maxvess3)