「義祖父は威厳がある人で、嫁いだの頃の私は、朝と夕、必ず義祖父母へご挨拶をしにいくのが習慣でした。そんなある朝、義祖父が『アレ』を飲んでいる場面に遭遇し...」
親や夫、子ども、友人に職場の同僚、ご近所さん...。アラフィフ女性を中心に、みなさんから寄せられた人間関係の「モヤモヤ」「スカッと」「泣ける」実体験エピソードを、過去の人気記事をもとにして漫画で再構成しました。この時、あなたならどうしますか?
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■戦争を経験した義祖父がたくましすぎた...


そのとき義祖父は大きめのグラスを持ち、中身を「コクリ、コクリ」と飲み干していました。
私は会釈をしながらも、よく目をこらして見てみるとグラスの中には2つの大きな生卵!
なんと義祖父は生卵を飲み物のように丸飲みしていたのです!
しかも、物凄い勢いで一気に飲み干し、あっという間にグラスは空に...そう、あれは「丸飲み」という表現がぴったりでした。
よくよく理由を聞くと、その日は朝ごはんの用意がなかったとのこと。
義祖母への不平を言いつつ、義祖父は、戦時中の卵は高級品、栄養価も高いので「卵を食べれば元気になる。特に生卵が一番」と話していました。
生卵さえ口にしていれば、栄養バランスもとれ、健康にもいいと義祖父は強く信じていたのです。
その前の衝撃シーンに驚いていた私は、義祖父の説明に、ただ頷くことしかできませんでした。
今から思えば、卵かけご飯のほうが見た目も腹持ちも、栄養面においてもいいのではと思うのですが、あの勢いのある一気飲みがいかにも義祖父らしかったと感じます。
やはり大正生まれ、戦争を経験して商売を切り開いていった人の強さは並大抵ではないと納得するような姿でした。
その後も、生卵を飲み干すという何度見ても見慣れないシーンを見かけることになるのですが、今思い出しても「あれは大蛇のようだった...」と少しゾクリとします。
ちなみに義祖父は94歳の大往生、最後まで健康そのものでした。



漫画:おかまき/原案:「毎日が発見ネット」みなさんの体験記