鈴木亮平“南雲”率いる越山高校野球部が決勝戦に挑む / (C)TBSスパークル/TBS 撮影:ENO
【写真】監督役で日曜劇場デビューを果たす元木大介

鈴木亮平が主演を務める日曜劇場「下剋上球児」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系)の最終回となる第10話「絆が繋いだ奇跡…最高の仲間と甲子園へ」が12月17日に放送された。同ドラマは高校野球を通して、現代社会の教育や地域、家族が抱える問題やさまざまな愛を描くドリームヒューマンエンターテインメント。越山高校野球部が三重県大会の決勝へ。“日本一の下剋上”がかかった運命の試合が始まる。(以下、ネタバレがございます)

新井順子P×塚原あゆ子監督が手掛ける初の日曜劇場作品

同作を手掛けるスタッフ陣は、「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」(2022年)、「最愛」(2021年)、「MIU404」(2020年、全てTBS系)をはじめ、多くの人気ドラマを世に送り出してきた新井順子プロデューサーと塚原あゆ子監督。ドラマファンに愛される二人のタッグによる、初の日曜劇場枠での作品となる。また、脚本はこれまでも二人の作品を数多く手掛けてきた奥寺佐渡子氏が担当している。

主人公・南雲に関わる登場人物を演じるのは…

36歳で教員になり、越山高校に赴任したが、実際は教員免許を持っていなかった主人公・南雲脩司を鈴木、南雲が教える三重県越山高校に赴任してきた家庭科担当で野球部監督の山住香南子を黒木華が演じる。

また、姉さん女房として南雲を支える妻の南雲美香役で井川遥、地元の産業を支える名家であり先祖代々の大地主・犬塚樹生役で小日向文世が出演。

さらに、生瀬勝久、明日海りお、山下美月(乃木坂46)、きょん(コットン)、松平健、小泉孝太郎ら個性豊かな面々がストーリーを盛り上げる。

甲子園出場をかけた運命の試合、先発投手は根室

激闘を勝ち抜き、三重県大会の決勝に駒を進めた越山高校野球部。決勝の相手は強豪校・伊賀商業。準決勝で好投したピッチャー根室(兵頭功海)が決勝でも先発を務め、序盤から白熱した展開になった。好投した根室だったが5回裏に3点を取られ降板してしまう。選手交代を告げられ、うつむく根室だったが、南雲に「根室! よくやった!」と声をかけられると、これまで頑張って練習してきたことを思い出し、チームメートたちも彼を讃え、そしてスタンドからの温かい大きな拍手が鳴り響いた。“負け”じゃなく、甲子園への可能性を残しての降板だと言える。

アンダースローの1年生ピッチャー・阪(中山翔貴)がピンチを切り抜けると、6回表、越山高校が3点を取り返し、試合は振り出しに。

どんな手を使ってでも勝ちたくなってきた

しかし7回裏、アンダースローの阪を攻略した伊賀商業が2点を挙げ「3対5」に。1アウト、ランナー1・3塁のピンチを迎え、ここで切り札であるエース犬塚翔(中沢元紀)がマウンドへ。伊賀商業がスクイズで追加点を狙うが、キャッチャー・日沖(小林虎之介)の好判断でダブルプレーを取り、2点ビハインドのまま8回へ。

「こうなったら絶対勝ちたくなってきた」と熱くなる南雲。「どんな手を使ってもいいから、卑怯な手でも、姑息な手でも、連続敬遠したっていい、どんな手を使ってでも勝ちたくなってきた。それでもいいか?」と部員たちに問いかけると、「ルールに則ってたら姑息もセコイもないです」「何言われたってええ」とそれに応える。

8回表、代走の久我原(橘優輝)の頭脳プレーや楡(生田俊平)の意地のヒット、中世古(柳谷参助)、阪の好打で3点をもぎ取り逆転に成功。9回裏、ノーアウト満塁というピンチを迎えるが、根室の攻守もあり、最後は4番打者を三振に仕留め、甲子園出場を決めた。

甲子園出場という夢をかなえた部員たちは、それぞれの道へと進んでいく

決勝戦を戦うその裏で、もう一つ大きなプロジェクトが動いていた。甲子園出場には高額な費用がかかることが判明し、校長の丹羽(小泉孝太郎)は、地元の有力者たちを集めて話し合ったりしていた。こちらも難問ではあったが、多くの協力者を得て、目標金額を達成することができた。

甲子園出場という“日本一の下剋上”を実現した越山高校野球部。それから時が流れ、2023年の冬、犬塚は越山高校野球部でコーチを務めているが、野球部部長の山住から工員採用選考試験を受けることを勧められる。ピッチャーとして大きく成長した根室は、スカウトされ大学に進学し、その後社会人野球の選手として活躍している。

キャプテン椿谷(伊藤あさひ)は市役所に勤務し、俊足の久我原は自転車のプロチームでスピードをさらに上げている。日沖と楡は旅行会社を立ち上げ、南雲は野球指導者として子どもたちにも野球を教えている。

試合に勝つことだけでなく、人生における困難の乗り越え方を身をもって教えた。それが南雲の大きな功績だったのではないだろうか。「次を目指している限り、人は終われない」という言葉が視聴者の心にも響いたはずだ。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

※このドラマは「下剋上球児」(カンゼン/菊地高弘 著)にインスピレーションを受け企画されたが、登場する人物・学校・団体名・あらすじはすべてフィクションです。