怒涛の一日の終わりが近づき、笑顔を見せる桔梗(中谷美紀) / (C)フジテレビ
【写真】クリスマスディナーの料理を作る時生(大沢たかお)

二宮和也、大沢たかお、中谷美紀がトリプル主演するドラマ「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」(毎週月曜夜9:00-9:54、フジテレビ系)の第11話が12月18日に放送され、最終回を迎えた。クリスマスイブの一日で、主人公3人がそれぞれの使命を全う。そして、舞い降りた小さな奇跡が3人をつないだ。(以下、ネタバレを含みます)

クリスマスイブの一日が終わりを迎える

同ドラマは、人々が思い思いに過ごすクリスマスイブという“たった一日”の出来事を1クールかけて描く、謎と愛と奇跡の物語。

主人公は、記憶を無くした逃亡犯の勝呂寺誠司(すぐろじ・せいじ/二宮)、臆病で頑固な洋食店「葵亭」のシェフ・立葵時生(たちあおい・ときお/大沢)、地方テレビ局「横浜テレビ」の報道キャスター・倉内桔梗(中谷)。3人の物語が並行して進んでいき、最後に運命の交錯を果たす。

最終話は、12月24日の夜8時過ぎから始まった。

3人それぞれが“仕事”をやり遂げる

潜入捜査官だった誠司は、国際犯罪組織アネモネの麻薬取引を成立させた後、2代目ボスのミズキ(中川大志)に銃を向けられた。だが、そこに桔梗が現われて生中継を始め、さらに神奈川県警警部補・狩宮(松本若菜)らも到着して組織の面々は逮捕されることに。

潜入していた間にミズキと仲を深め、誰を裏切ることになるのかハラハラさせられた誠司だったが、記憶が戻るとともに本名・天樹勇太という警察官の立場を選択していた。桔梗も仲間の協力のもと、社長が押していた大型音楽特番を中断して事件の真実を報道することをやり遂げた。

一方、時生はクリスマスディナーの営業がスタートし、客に料理を提供。時生がこぼしてしまった代々受け継がれたデミグラスソースを使った名物のビーフシチューの代わりにメインディッシュとしたのは、ナポリタンやエビフライ、ハンバーグ、そしておにぎりだ。

物語の謎の一つだった逃げ出した愛犬を探して街をさまよっていた真礼(佐藤浩市)が、実は時生の父で、葵亭の先代であることが判明。その真礼はメインディッシュの数々を見て「お弁当だな」とつぶやいた。妻を亡くした時生は、20年以上一人娘である査子(福本莉子)に作っていた愛情込めた“お弁当”をテーマにしたのだった。

期待されたメインディッシュが提供できなかったことを謝罪しつつ、それでも営業したのは「この葵亭に関わる全ての人にとって、今日という一日が良き日になってほしいと思ったから」と打ち明けた。そして、この日が葵亭の新しい始まりだとも告げた。

誠司=勇太、時生、桔梗に舞い降りた奇跡と愛の物語が完結

それぞれの使命を全うしたともいえる3人。それぞれ少しずつつながりがあったことが描かれてきたが、最後に全員で顔を合わせた。

記者の後輩である査子に連れられ、ディナー営業が終わったばかりの葵亭へとやって来た桔梗。桔梗と時生は5年前に出会っていたが、“ピュアラブ”のまま何事もなく過ごしていたことで、査子は気を利かせたのだ。

そして、誠司=勇太が向かった先も潜入捜査官になるときに待たせた恋人・梅雨美(桜井ユキ)がいる葵亭だ。

時生が不器用ながら桔梗をあらためて別の日に食事デートに誘っている中、店に到着した勇太は、「ふざけんな!ふざけんなって。別に待ってなんか…」と言う梅雨美を抱きしめ、「ごめん」とささやいた。

ベテランギャルソン・菊蔵(栗原英雄)いわく、「なぜだがみんなが吸い込まれるようにやって来る」葵亭。時生が働き、今回の事件で記憶を失った“誠司”が逃げ込み、5年前には恋人同士の勇太と梅雨美がクリスマスディナーを楽しんだ場所。そこに舞い降りた小さな奇跡は、その先も3人をつなげた。

年が明け、報道の道は退いた桔梗はクッキング番組を新たに担当するように。そこに時生をゲストに迎えて番組を進行していた。時生は“愛する人”の頼みで出演したようだ。そして、葵亭では警察官を辞めた勇太が“見習い”として働き始めていた。

現実時間よりひと足早くクリスマスの愛と奇跡を見せてくれた物語。3人の主人公たちの新たな人生の始まりを応援したくなる終幕だった。

◆文=ザテレビジョンドラマ部