いびつで格好悪くて、まるで幻のような、かけがえのない、あの日々。

 高校2年生の春、加藤ミモリは摂食障害で精神科病棟へ入院した。スマホなどの私物は没収され、家族とも会えない外部と遮断された空間で、自由にベッドから降りることすら禁じられた病棟での日々。ミモリは新しい環境に戸惑い、悲嘆に暮れながらも、やがて同じ病棟で生活を送る人々と交流するようになる。いつも廊下で倒れている人、一言も喋らない人、手が赤くなるまで消毒をする人、いつから入院しているのか謎の人、そして自分と同じ病気を持つ人……一風変わった入院患者たちの存在は、いつしかミモリの気持ちに変化を促していくのだった。

 それまでの人生が一変するような絶望のなかで、少女は何を感じ、どのように再び前を向くのか。

 話題作『高校生のわたしが精神科病院に入り自分のなかの神様とさよならするまで』の作者が自身の経験をモデルに挑む、困難と希望を描くセミフィクション『精神科病棟の青春 あるいは高校時代の特別な1年間について』をお届けします。

※本作品は『精神科病棟の青春 あるいは高校時代の特別な1年間について』(もつお/KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました

この記事はセンシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。


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痩せすぎた体

精神科病棟の青春 あるいは高校時代の特別な1年間について

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