SNSでメンタルや生きづらさを題材としたイラストと言葉を発信しているなおにゃんさん(@naonyan_naonyan)は、かつてうつと適応障害から会社を休職。当初はそんな自身について「恥ずかしい、情けない」と感じていたが、今では「休職して良かった」と思っているそう。

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コミックエッセイ「うつ逃げ~うつになったので全力で逃げてみた話~」は、そんななおにゃんさんの実体験をベースにした作品。病気から、会社から、果ては日本からも全力で逃げた1年間を赤裸々に描く。

第10回の今回は、休職期間中に自分を肯定するために書き始めた「ホメ療法(ポジティブ三行日記)」について。

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朝散歩をはじめたこともあり、うつの経過は順調でした。しかし通院時、目にうつる働く人たちの姿に自分だけ休んでいる後ろめたさや罪悪感を覚え、「消えたい」と思うこともありました。

プライベートではどちらかといえばダラしなくて不真面目なのですが、根っこの性格が真面目なのでしょうか。『〇〇でなくちゃいけない』、『もっと〇〇しなくちゃ』と、自分を追い詰めてしまうところがあるので、そういう部分ではもう少しいい加減になりたいと思う時があります(笑)

そして、休職期間中を前向きに過ごすために「ホメ療法」をはじめました。これは、今日できたことや良かったことを3つ見つけて書くというもので、そこまで立派なことでなくてもとにかく3つ探して書くというのがポイントです。

私の場合、本当に些細なことを書いてました。例えば、『今日飲んだコーヒーが美味しかった』、『洗濯ができた』、『バラエティ番組を見て笑った』など。できたことだけじゃなく、自分が楽しめたことや良いなと思えたことを書くと、つまらないと思っていた自分の日常も案外いいものだなと思えるようになりました。うつの方だけでなく、自己肯定感が低めの方にもすごくいいと思います。

ちなみに私は今でもホメ療法を続けています。うつが一番酷かった時に比べると回数は減りましたが、なるべく習慣にしようと思っています。ノートに書くのが億劫な時は、スマホのスケジュールに良かったことを記入しています。寝る前に記入すると楽しかったことを思い出して眠りにつき、前向きな気持ちで次の日を迎えられるので、おすすめです。

焦った結果、うつがほとんど回復していないにも関わらず復職を決めてしまった一度目の休職。だが二度目の休職は、のんびりと着実に心身が健やかになっている。これからは彼女の人生を変えた体験も描かれるので、今後の展開も注目したい。

取材・文=石川知京