警部補のモンドラゴン役を務めるアナ・ブレンダ・コントレラス / (C)2022 Pray for Blood Holdings, LLC
【写真】“ゾンビ街”に浮浪者として潜入するカサソラ

オンライン動画配信サービス「Hulu」にて、9月26日より独占配信が開始したHuluプレミア「プレイ・フォー・ブラッド」。第1話では、メキシコシティの通称“ゾンビ街”で、首や手足が切り取られた遺体が発見される。その後、同様の猟奇的な殺人事件が起こり、警察やマスコミが動き出す様子が描かれた。本記事では、考察を踏まえながら第1話を振り返る。(以下、ネタバレを含みます)

「プレイ・フォー・ブラッド」とは

本作は、国際エミー賞受賞プロデューサーが手掛けるメキシコ発のクライムサスペンス。古代アステカ文明の“生贄の儀式”が現代のメキシコシティで再現される、という設定のドラマだ。物語では、タブロイド紙の記者が警部補や人類学者と手を組み、奇妙な連続殺人犯を追って、徐々に真相を明らかにしていく――。

キャストには、普段はメキシコの有名歌手として活躍中のアーロン・ディアスが、事件を独自取材する新聞記者のカサソラ役を担当する。

その他にも、事件の真相を追う警部補のモンドラゴン役にはアナ・ブレンダ・コントレラスが、そして古代アステカ文明に詳しい博物館の学芸員エリサ役にはヨシラ・エスカレガが抜擢。それぞれ迫真の演技で、事件の真相を追い求める。

独立記念日に沸くメキシコシティで、無惨な殺人事件が起こる

メキシコ独立記念日の前夜祭。街が祝杯ムードに湧く中、ある猟奇的な殺人事件が起こる。遺体には首がなく、体中に無数の傷跡が残されていた。現場にはモンドラゴン警部補が訪れ、証言者から情報を集めるも、“ゾンビ街”と呼ばれるホームレスが多いエリアでは有力な情報が得られない。

事件について分かっていることは、被害者の名前は“サムエル・ラミレス”で、若い男を集めて売春で2度の逮捕歴がある人物であることのみ。そしてラミレスの死体の検視が行われると、心臓が取り除かれていることが発覚する。

一方、新聞記者のカサソラは、取材の一環で浮浪者の装いをしてホームレスの中に溶け込み、生活を送っていた。その後上司に呼び出されたカサソラは、タブロイド紙「センセーショナル」へ異動を命じられる。「センセーショナル」は裏社会を記事にする部署で、いわゆる“左遷”だった――。

立て続けに第2の猟奇的な殺人事件が発生…

モンドラゴン警部補は上司に「昇進の話が出ている」と呼ばれ、捜査にさらに力を入れるよう伝えられるが、実は夫との間に妊娠が発覚しており、1人で悩んでいた。

そんな時、くしくも第2の事件が起こってしまう。被害者は女性で、遺体は同じように首や手足が切り取られていた。そこでカサソラは「センセーショナル」の同僚に「俺に取材させてくれ」と自ら殺人事件の取材へと向かった――。

その日の夜、カサソラがゾンビ街を徘徊していると、第1の事件の最初の目撃者、ホームレスのエバンフローに遭遇する。エバンフローは酒に酔いながら「悪魔が頭を食うぞ」と叫び、“犯人から受け取った”というものをカサソラに渡す。それは鳥の羽のようなものだった。

その頃、学芸員のエリサは見学に来ていた子供たちに、“古代アステカ文明ではケツァールという鳥の羽で頭の飾りを作っていたこと”や、“その飾りはモクテスマ王が着けていたが、今は盗まれてウィーンの博物館にあること”などを説明していた。そんな時、子供の1人が叫び声をあげる。

エリサが少女の指差す方向へ行くと、展示されていたモニュメントの中に、2つの事件で切り取られた“手足”が入っていたのだった――。

果たして犯人は人間なのか?凄惨な犯行の手口

第1話では、メキシコシティでの猟奇的な連続殺人が2件発生したが、特に気になったのは、2つの事件とも被害者の頭や手首が切り落とされていたことだ。また、2つ目の事件では被害女性が殺される前、現場にロープとケツァールという鳥の羽が落ちていた点も気になる。

あらすじにもあるように、一連の事件は古代アステカ文明の“生贄の儀式”を再現しているのだろうが、犯行の手口を見る限り、とても人の仕業のようには思えない。犯人はもしかすると“人ではない何か”という可能性も考えられる。

また同話では、左遷を余儀なくされた記者のカサソラと、私生活で葛藤を抱えるモンドラゴン警部補がこの事件に挑む様子が描かれていたため、今後はこの2人がタッグを組んで事件を解決していくのかもしれない。

◆文=ザテレビジョンドラマ部