佐々木蔵之介が主演を務めるドラマ「マイホームヒーロー」(MBS:毎週火曜深夜0:59~、TBS:毎週火曜深夜1:28~※初回は2話連続放送)が10月24日(火)より放送される。
今作で、佐々木演じる哲雄の娘・零花を演じる齋藤飛鳥にインタビューを実施。過激なテーマゆえ、一部で「実写化は不可能では?」とも言われていた人気コミックのキャラクターを演じる上で意識した点や、両親役の佐々木&木村多江の印象、自身の家族とのエピソードなど、話を聞いた。
ごく普通の父親が、娘の彼氏を殺して“殺人犯”に
2017年から「ヤングマガジン」(講談社)で連載中、2023年4月にはテレビアニメ化もされ累計360万部を突破した人気漫画(原作・山川直輝/漫画・朝基まさし)を実写化した今作は、娘・零花(齋藤)を守るために“殺人犯”になった父・哲雄(佐々木)が、家族を守るために絶対に負けられない闘いに挑む姿を描くファミリーサスペンス。佐々木、齋藤、木村の他、高橋恭平(なにわ男子)、吉田栄作、音尾琢真、淵上泰史、内藤秀一郎らキャストが集結し、2024年3月8日(金)には映画も公開される。――オファーを受けたときのお気持ちを教えてください。
「マイホームヒーロー」の原作漫画を持っている私を見たスタッフさんが、「絶対にやった方がいいよ!」と言ってくれて。よくよく聞いたら人気作品で、スタッフさんの間でハマっている方が多いとお聞きして。皆さんから愛される作品のオファーをいただけたことが光栄でした。
――原作を読んでみていかがでしたか?
とにかく面白かったです! 私はバイオレンス要素のある作品や、アウトローなキャラクターが登場する作品が好きなのですが、この作品はすべての要素が入っているのでうれしかったですし、まさかの“犯罪組織”と付き合っているという役だったので、演じてみたいなと思いました。
同時に、この物語を現実的に見せるためにどう映像化するのかも気になって。脚本を読んでも想像がつかなかったのですが、完成した映像を見たら「このシーンどうやってやるんだろう?」と思っていたシーンも見事に再現されていたので驚きました。哲雄さんの迫力もすごいですし、引き込まれる作品になっています。
零花に共感「私もよく言う言葉だなと思うことが多かった」
――零花はどんな女の子ですか? ご自身と共通すると感じる部分はありますか?零花ちゃんは、ちょっと生意気だけど、おばかな一面もある愛くるしい女の子です。共通する部分は、気分屋なところです。 零花ちゃんは、お父さんの帰りが遅いとお母さんに文句を言ったり、先にご飯食べちゃおうよと言ったり、自分の気分を優先して生きている子な気がして。私も待つのが好きじゃないところがあるので、零花ちゃんの気持ちが分かりますし、零花ちゃんのせりふ一つ一つに、私もよく言う言葉だなと思うことが多かった気がします。
――零花を演じる上で意識したことや大切にしたことは?
この作品は、サスペンスとかミステリーとかいろんな要素がありますが、どのシーンも根底には必ず愛があると思っています。零花ちゃんは両親の愛をたくさん受けて育っている女の子なので、家族に愛されていることと、自分も家族を愛しているということを意識しました。それがお芝居のプラスになったらいいなと思って。
あと、終始「哲雄さんどうなっちゃうの?」という緊張感が漂うドラマの中で、零花ちゃんが出てくるシーンはほっこりしたり、くすっと笑えるシーンだったりが多いので、空気を軽くするように演じることも意識しました。
――零花の気持ちを作る上で、気を付けたことはありますか?
零花ちゃんは父親が人を殺したということを知らずに生活しているという設定ですが、ドラマを見てくださる方は哲雄が人を殺したことを知っているので、零花ちゃんが間抜けすぎると、多分イライラしちゃうと思うんです。なので、父親が人を殺したということは知らないけど、何かがおかしいと思っているところや、ちょっと抜けているけど空気を読んでいるところも意識しました。
私はお芝居をたくさんやってきたわけではないので、間合いとか、テンポ感とか、初歩的な部分がまだ身に付いてないところもあるのですが、お芝居について蔵之介さんや監督が教えてくださったので、つまずくことなく演じることができました。
佐々木蔵之介&木村多江に感謝「事前に私のことを調べてくださって」
――佐々木さん、木村さんの印象を教えてください。蔵之介さんは初めてご一緒させていただいたのですが、多分事前に私のことを調べてくださっていて、いろいろと質問を投げかけてくださったり、たくさん会話をしようとしてくださったりと、私に寄り添ってくださったことがすごくうれしかったです。
多江さんは、初めから私のことを「飛鳥」と呼んでくださって。スタッフさんに「私の娘はすごいのよ」と言ってくださったり、優しく話しかけてくださったり、かわいがっていただきました。近い距離感で接してくださったので、すっと役に入ることができましたし、本当に母親と接しているような温かい気持ちになりました。
――齋藤さんご自身は人見知りなのでしょうか?
人見知りだと思います。あまりしゃべらないのですが、皆さんがお話ししているのを近くで聞いてほっこりしたり、ニコニコしたりしています。今回の現場では、私が一人で笑っているところを突っ込んだり、話しかけてくださったり、自然体の私を皆さんが受け入れてくださったので大変ありがたかったです。
――哲雄(佐々木)と歌仙(木村)のキャラクターについては、どのような印象を持ちましたか?
哲雄さんは、威厳のある父親ではないと思うのですが、実はものすごく冷静だし、頭の回転も速いし、こういうお父さんだったらいいなと思います。この作品を見ていただいたら伝わると思うのですが、博識なのに能力を隠しているみたいなところが、人としてすてきです。歌仙さんは、一見、冷静で賢く見えるんですが、実際はすごく抜けていて、突拍子もないことを言い出すキャラクターです。でも、そういう部分が哲雄さんの助けになることもあるんです。
お二人が演じる哲雄さんと歌仙さんを見ていると、夫婦のバランスが抜群だなと感じます。撮影の合間に蔵之介さんと多江さんがお話しされているときの空気感や、お芝居の掛け合いがピタッとはまっていて、すごくすてきな夫婦だなと思います。
家族のことや親のことを考えることが増えています
――今作は、新たな角度から家族というものを描いていますが、齋藤さんは家族について考えることはありますか?今年グループを卒業して、環境の変化が大きくあった時期なので、家族のことや親のことを考えることが増えています。零花ちゃんは哲雄さんの誕生日に、毎年手が込んだものや、かわいらしいものをプレゼントするのですが、私も零花ちゃんのように、思いを込めたプレゼントを両親に贈りたいという気持ちになりました。
――第一話では、零花が哲雄に反抗的な態度をとるようなシーンもありますが、齋藤さんにも反抗期のような時期はあったんでしょうか?
反抗期という反抗期は無かったのですが、乃木坂46に入って普通の高校生よりちょっと忙しくしていた時期は、仕事終わりにおうちに帰るときに「今日は疲れているので何もしゃべりません」と両親にメールを送ったことはあります(笑)。でも、反抗では全然ないです。
――ご両親とは今もメッセージのやり取りを?
母親とはよくします。父親は、作品が決まってニュースが出たときなどに「おめでとう」と送ってくれます。
――どんなご両親かお聞きしてもいいですか?
優しいですし、親ばかなので、娘がやることは全部追っかけてくれています。両親ともにSNSはよく分からないタイプなのですが、母は分からないなりに兄に聞いて、私が撮っている写真とか、いろんな動画を全部チェックしてくれています。
――最後に、ドラマを楽しみにされている方に向けてメッセージをお願いします。
この作品は、サスペンス的な要素もありますし、哲雄さんの仕掛ける巧妙なトリックに驚いたり、家族愛を実感できたり、とにかくいろんな楽しみ方ができる作品になっています。また、見る人によって感情移入するキャラクターが違ってくると思うのですが、どの視点で見てもいろんな楽しみ方ができると思うので、作品を見ながらさまざまな感情を抱いていただけたらうれしいです!