福山雅治が8月10日、12日、13日の3日間にわたり、日本武道館にて「FUKUYAMA MASAHARU LIVE@NIPPON BUDOKAN 2023言霊の幸わう夏」を開催した。福山自身3度目、約5年ぶりの開催となった。
夏開催だからこその“夏歌”が詰まったライブに
客電が消え、ファン各自が装着したライトバングルがカラフルに輝く暗闇の中、福山雅治が登場し、1曲目の「少年」で早速ファンとの大合唱を堪能。続けて「零-ZERO-」「暗闇の中で飛べ」と序盤から会場を惹き込む。そのまま、甲子園100周年を祝したNHK高校野球のテーマソング「甲子園」を始め、郷里・長崎から上京してきた18歳の夏を歌った「18~eighteen〜」など夏の名曲群を連打し、その時々に封じ込めた心象風景を2023年に鮮やかに蘇らせていく。選曲にあたり、「ソングライディングにおいて意外と『夏が重要なキーワードになってるんだな』と気付きました」と言葉を加えた福山は、夏のバラード3曲をしっとりと歌唱した。
できたばかりの最新曲を初披露
中盤では、故郷・長崎への“音”返しとして行なってきた稲佐山でのライブ映像など、これまでに過ごしてきた夏の情景、そこで生まれた歌、歌ってきた心を示す写真や映像が次々と映し出されていく。そして2023年現在、ヴィジョンに映るスタジオでの創作風景と共に“あたらしい歌”が生まれたことを発表。1945年の夏を舞台とした映画の主題歌としてオファーされ書き下ろしたという、タイトルすら未定の、生まれたばかりの新曲を初披露した。ライブ後半は、自身が主演を務める「ガリレオ」のテレビドラマシリーズ主題歌「KISSして」(KOH+)「それがすべてさ」を披露。さらに、最新曲「妖」や「革命」「明日の☆SHOW」「あの夏も 海も 空も」を歌い上げ本編を締め括った。
福山雅治らしいアンコール曲でしっとりと盛り上げる
アンコールでは「光」や映画版ガリレオ最新作「沈黙のパレード」の主題歌「ヒトツボシ」を披露した後「今回のライブの、もう一つのテーマ。この歌を3日ともやりたいなと思って」と「クスノキ」を歌った。長崎県に現存する被爆樹木を保全するクスノキプロジェクトの出発点にもなった楽曲。最後は一人きりでギターを爪弾きながら「この曲が“武道館の最後の曲”なのかな?」と選曲への想いを語ると、開演前に雨が降ったことから「(外は)雨でしょ?雨も多いんですよね、僕の歌の中には。『いいんじゃないかな?』と思って」と続けた。披露したのは、1994年の6thシングル「Dear」。福山の、一人の生身の人間としての等身大が伝わってくる、真摯で力強い一曲となった。
福山雅治、ファンに感謝の気持ちを伝える
最後の挨拶で福山は、30周年を記念した一連のライブ活動を終えた後「感謝の気持ちでいっぱいだった」と振り返る。ミュージシャンとしての純粋な初期衝動が開催動機であったことをファンに伝え、夏歌の数々、8月という時期だからこそ届けたいメッセージもふんだんに盛り込んだ、約3時間のステージが幕を閉じた。ステージを去る福山が手を振りながら放った「冬に逢いましょう!」という言葉通り、12月には上旬の「冬の大感謝祭」開催が予定されている。