今年も近づくゴールデンウィーク、おでかけの合間や移動中、はたまた家でゆっくり過ごすときにも、スマートフォンやタブレットで読めるWEB漫画はぴったり。ウォーカープラスがGWにおすすめする漫画作品の中から、今回は漫画家の赤信号わたる(@GoAkashin)さんの「AIが追放される話」を、作者の赤信号さんのコメントとともに紹介したい。

【漫画】「AIが追放される話」を読む

科学者は一体何を作ったのか?短編漫画「AIが追放される話」 / 作:赤信号わたる(@GoAkashin)

アイデアの性質を活かした「漫画ならではの見せ方」

「ヤンキー悪役令嬢 転生天下唯我独尊」(ヴァルキリーコミックス)や、「全てを筋肉で解決する童話」(双葉社、2024年3月21日発売)などの作品がある赤信号さんは、自身のSNS上で個人制作作品を数多く発表している。「AIが追放される話」はX上で2.4万件を超えるいいねを集めた短編作品だ。

「AIが追放される話」01 / 作:赤信号わたる(@GoAkashin)
「AIが追放される話」02 / 作:赤信号わたる(@GoAkashin)
「わしの次に頭のええ奴らができたわい」と、“最高のAI”の開発に成功した博士と助手。博士は「どうせなら」と自分たちに似せたAI用の身体を用意するが、自由に動けるようになったAIは自ら増殖を始めてしまう。どんどんとその数を増やしたAIたちは、創造主である博士たちに対し「対等な権利を与えろ」と叫ぶようになり――、という物語。

自我を持ったAIとその反乱という王道のストーリーのようだが、結末ではAIたちがとある惑星に追放され、ラストでAIと博士たちそれぞれの正体が判明する。真相を知ったうえで作品を読み直すと、1コマ目から吹き出しで隠されているものがあったりと、巧妙な伏線が張られていることに気づける作品となっている。

「AIが追放される話」03 / 作:赤信号わたる(@GoAkashin)
作品の発端は「最近話題の“AI”を題材に、自分なりの切り口で描けないかと思ったのがきっかけです」と話す赤信号さん。

昔からSFが好きだったそうで、「本作はさまざまな名作SFのオマージュや偉人の名言を引用している作りになっているのですが、思った以上にたくさんの方がそこに反応してくれてうれしかったです」と、作品にこめられたSF愛と、それが多くの読者に伝わったことへの喜びを明かす。

また、注目を集めた伏線は「漫画ならではの見せ方ができるよう工夫しました」と狙い通りだった赤信号さん。「オチがオチだけに長尺にするほど苦しくなっていくのが明らかだったので、テンポをよくすることを意識しました」と、短編の強みを活かした演出に取り組んだことを教えてくれた。

取材協力:赤信号わたる(@GoAkashin)