ドラマ「Destiny」の主演は、3年ぶりの連続ドラマ復帰となる石原さとみにインタビュー / 撮影=永田正雄
【写真】人生の転機を迎え、プライベートと仕事の両立に「覚悟が必要だなとすごく思いました」

4月9日夜9:00よりテレビ朝日系にてスタートし、4月16日に第2話が放送となるドラマ「Destiny」(毎週火曜夜9:00-9:54、テレビ朝日系)。主演を3年ぶりの連続ドラマ復帰となる石原さとみが務め、初の検事役に挑む。また、「Dr.コトー診療所」などの吉田紀子によるオリジナル脚本のラブサスペンス。

西村奏(石原)は、検事だった父を亡くして母の故郷・長野に移り住み、そのまま地元の大学の法学部に進む。真面目だけが取りえの地味な学生生活を送る奏だが、やがて野木真樹(亀梨和也)をはじめ4人の友人と出会う。初めての青春を謳歌する奏だったが、楽しく充実した日々はある事件をきっかけに突如、終わりを告げる。

それから12年。父と同じ検事になって6年がたったある日、奏は事件以来消息不明だった真樹と再会し、再び過去と向き合うことに。父の死とあの日の事件、そして仲間との再会により、バラバラに見えた出来事がやがて一本の線でつながっていく。

そして、WEBザテレビジョンでは、出産を経て新たなステージに進んだ石原にインタビューを行い、“現代を生きる等身大のヒロイン”をどう演じたのか、3年ぶりの連ドラ復帰の心境や様子を語ってもらった。

3年ぶりに連続ドラマに復帰した石原さとみ「覚悟が必要だった」

――昨年、クランクインしてからついに初回放送を迎えたわけですが、現在の心境をお願いします。

やっとオンエアだなという気持ちと、今も出来上がったものを見させて頂いて、壮大に描かれていて、ラブの部分でもサスペンスの部分でも見応えがあるなと思いました。

ちゃんと大人っぽいというのも言い方が変ですけど、すごくドラマチックだなと思いました。

――今回地上波だけではなく、Netflixでの配信も決まっていますが。

映像に対しての追求がすごくて、「すごいこだわりだなぁ」と思っていたものが実を結ぶというか、世界に届けて見ていただけるというなら、恥ずかしくないものになりました。(世界の方に)日本の長野の美しさといった部分も見てもらえたらうれしいですね。

――では、そういった意味でも自信もある?

見ていただいた皆さんに決めていただくものだと思いますが、やっていてとても楽しかったですし、充実感がありました。「自信がある」って言っちゃうとおこがましいですが、早く見た皆さんの感想を聞きたいなって思います。

――今回3年ぶりに連続ドラマに復帰ということになりますが、この3年間、役者として考えた事などありましたか?

3年間は、出産、育児っていうプライベートでの人生の中での転機といえるタイミングだったので、環境も生活も捉え方も全部変わり、その上でお仕事をするっていう事の両立というものにとても不安だったりとか、覚悟が必要だなとすごく思いました。ですが、家族、親戚にすごく助けてもらいながら、それでも「このお仕事をやりたい」って思えるものに出会えたことは本当に幸せだなと思いますね。

「生きるために何かを入れなければ」育児と仕事の両立に苦労も

――「月刊ザテレビジョン」のインタビューで、寝かせつけながらスクショで台本を覚えたっとありましたが。

はい(笑)、してました、ずっと毎日。

――それ以外で大変だったことはありますか?

食事ですかね。本当に、何か食べるのをすごく楽しむってタイミングがあまりなかった記憶があります。生きるために何かを入れなければって(笑)。

クランクインの時に亀梨さんとプロデューサーの皆さんとおそばを食べに行ったんですよ。それがすごく印象的で、こんな時間ずいぶんなかったなーって(笑)。あの時、クランクインした日だったので、ちょっとこうゾワゾワ、ドキドキしていたんですよ。亀梨さんが隣にいて、隣でそばをすすってるっていうあの環境が不思議な感覚でしたね。

――久しぶりの感覚ではなく?

久しぶりっていうか、初めての感覚でした。結構オープンな所で、初めましてな皆さんとそばを食べるって。緊張だけじゃなくて、ちゃんと楽しかったっていうのは、スタートを切る時の居心地の良さみたいなものが発見できたというか、自分の中で分かったのはうれしかったですね。

「もうちょっと人に頼って、甘えて」奏という女性を分析

――今回初の検事役という事になりますが、何か気を付けて演じた部分などありましたか?

劇中だと眉間のしわとかを指摘されるシーンなどあって、難しい顔をしたりとかありますが。

そうでしたね(笑)。難しいものとか、ずっとパソコンに向かっていると絶対しわが眉間に寄るじゃないですか、(台本で)よくそこを書いてるなーと思いました。私、自分の事を言われてるのかなって思いましたもん(笑)。ですけど、そんな一連があったから安藤政信さん演じる貴志との柔らかい関係性が分かるなと思って、結構好きなシーンですね。

でもやっぱり検事ということもあって、取り調べのシーンが多かったんですけどすごく楽しかったです。オンエアではオンになっていないんですけど、全部せりふがあったんですね。そのリアクションとかもすごく楽しくて、素晴らしい役者の皆さんが取り調べの相手を演じてくださってワクワクしました。こういう感覚になったことない、不思議な感覚です。

――演じられた西村奏ですが、石原さんとほぼ同年代で等身大の女性かと思いますが、改めて同世代の女性を演じてみて、共感する部分とかありましたか?

彼女の正義感みたいなものに憧れはありますけど、もうちょっと人に頼ったらとか、もうちょっと甘えてみてはとか、職業柄というか、職業病なんですかね。守秘義務もあるしでなんでも抱える人だなと思います。

ある意味(宮澤)エマちゃん演じる(森)知美が居てくれて本当に良かったなと思いますね。でも知美も育児があるのでなかなか会えず、同じような時間を過ごしているわけではないので、奏とは友達になってあげたいなと思いましたね。

ドラマ「Destiny」で西村奏を演じる石原さとみ / 撮影=永田正雄

キャストとの関係を振り返る「昔からの友達」

――今回、長野など地方ロケも多かったということなんですが、現場の雰囲気はどうでしたか。

亀梨さんがすごく盛り上げてくださいましたし、現場の皆さんも仲が良かったのでいいチームでした。とてもプロフェッショナルですし、こだわるところはこだわってしっかり時間も取っていたし。あとは、現場に中川慎子さんはじめ、プロデューサーの皆さんが現場にいてくださっていたので、疑問に思った事とかすぐ投げれば答えをいただけたので、ダイレクトにいろいろ話ができて風通しがよかったなと思います。

――20代を改めて演じてみて、若返った気持ちになったりとか思うことはありましたか?

特に若作りしようとか、そういう感覚ではあんまりやってなかったんです。ありがたいことにみんな同世代だったので、自分たちが思う青春時代の生き生きさだったり、ちょっとしたことでもドキドキしちゃう感じだったりとか、目の前のことで必死だったり、周りが見えない感じだったりとかという大人になりきれていない初々しさみたいなものをみんな経験している分、思い出しながらやっていたような気がします。

1話はとにかく仲がいいっていう事が伝わったらいいなって思いますね。素晴らしいキャスティングでとても仲良くさせていただけて良かったなと思います。

――脚本などからも、仲の良さが伝わってきました。

クランクインですっごく仲良くなりました。昔からの友達かなっていう位、すごく仲良くなりましたね!

――現場のムードメーカーやはり亀梨さんですか?

亀梨さんですね。でも矢本(悠馬)くんもずっとボケ続けてくれるので面白かったです。本人はボケてるつもりはないと思うんですけど、ツッコみがいのある方でした。

――現場で青春だなって思ったところや印象的な出来事など盛りだくさんだったと?

やっぱりバーベキューの後にトランポリンをやっている二人を見ながらシャボン玉するって、私の人生でないんですよ。すごくいいなって。

こんな広いところでシャボン玉が空に舞いながら、その空に向かってトランポリンをしているって、これって青春だなって。

ジャンプとか現実的な部分もそうなんですけど、それすらもドラマチックで浮足立ってる感じだったり、シャボン玉が見えるのに消えていく感じだったりとかがいろんなメッセージに見えちゃう。青春でしたね。

――意外にも亀梨さんとは初共演ですが、亀梨さんから刺激を受けた事はありますか?

亀梨さんは頼りがいのある方なので、ずっと味方でいてくださいました。何か相談するにも、相談じゃなくてもすっと何かに気付いてくださる。このシーンこう思うんですよねとか、これどう思いますみたいな話から、かしこまらずになんでも言える人っていうのが心強かったです。相談できる味方がいるってすごくうれしかったな。だから亀梨さんと同じシーンとか楽しかったですね。

――最後の質問になりますが、改めて見どころをお願いします。

見どころは全話通して、どういうきっかけで事件が起こったのかっていう1話が原点であり、一番大事な部分です。1話からこの物語は動き出しているので、奏たちの出来事を見てほしいなと思います。