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今回取り上げるのは、「リスキリングに関する調査」。デジタルトランスフォーメーションが進み、デジタルスキルを中心に新たな知識やスキルを学び直す「リスキリング」に注目が集まるなか、リスキリングに対する認識や取り組みの実態について株式会社mitorizが調査を実施。今回の調査について、mitorizの担当者に話を聞いた。
――今回の調査の狙いについて教えてください。
弊社では主婦を中心とした10万人の登録会員に対して、無料でExcel研修を受けていただき、デスクワークのお仕事を紹介するというリスキリングを応援する新たな取り組みを今年の9月から開始しており、世の中のリスキリングに対する印象や実態の把握をすべく調査を行いました。
――今回の調査結果について、注目すべきポイントを教えてください。
習得したいスキルを年代別で集計しており、世代で傾向が出ているのがポイントです。
――就業状況により調査結果に違いはありましたか？
現在のお仕事状況で専業主婦・主夫の方とアルバイト・パートの方が会社員や自営業の方と比べて「PCスキル(WordやExcelなど)」の選択率が高い傾向がありました。また、会社員の方はある程度PCスキルを持った方が多いのか、PCスキルの選択率はそこまで高くなく、語学が51.7％と高めでした。
――調査でも使用された「Point of Buy(R)」とはどのようなサービスですか？
50万人以上の会員から年間1億枚以上のレシートを収集しデータベース化している弊社のレシートデータサービスになります。会員へのアンケート機能もあり、今回はそちらの会員を対象にアンケートを実施しています。
――最後にユーザーへメッセージをお願いします。
リスキリングでExcelスキルを身につけたいけど、「何から始めたらいいかわからない」という方、mitorizにご相談ください。
リスキリングという言葉を理解している人は約3割
「リスキリングという言葉の意味を認識しているか」という質問に対し、「知っている」と回答した人は31.5%という結果に。世代別で見ても、上の世代のほうがわずかに理解している割合が高いが、すべての世代において、「知っている」と回答した人は少数派であることがわかった。
リスキリングに取り組んだ経験がある人は3割弱
「リスキリング」の意味を認識している1576人に対して「リスキリングに取り組んだ経験の有無」を聞いたところ、「ある」と回答した人はわずか28.6%。世代別で見ると「ある」と回答した人の割合が最も高かったのは40代で、30%を超える唯一の世代であった。これにより、今回調査した5000人の中で、リスキリングの意味を認識して実際に取り組んだ経験がある人はわずか1割程度であるということが判明した。
リスキリングに取り組むことができない理由は？
「リスキリングに取り組めなかった」と回答した人に対し、取り組むことができなかった理由を聞いたところ、「時間の余裕がない」が最も多く26.7%の票を集めた。それ以降は「必要性を感じない」(23.3%)、「何から始めて良いかわからない」(16.8%)などが続いた。
就業状況ごとで見ると、会社員の場合は「時間の余裕がない」が最も高く34.1％であったのに対し、自営業者においては「時間の余裕がない」と「必要性を感じない」が同率(27.1％)で最も高く、またパート・アルバイトは「お金の余裕がない」が最も高い結果となった。そのほかにも、専業主婦・主夫は「必要性を感じない」が29.4%で最も高い割合を示すなど、現在の就業状況によって、リスキリングに取り組むことができない理由が異なることも明らかになった。
リスキリングで習得した新たなスキルを活かして仕事に就くことに4割が興味あり
「リスキリングでスキルを身につけ、それを仕事で活かすことに興味があるか」という質問に対しては、「興味ある」が12.0%、「やや興味ある」が27.3%と、合計39.3%が興味を持っていることがわかった。世代別では20代が最も高く、44.6%が興味を持っていたのに対し、最も低かった60代では興味を持つ人の割合は30.7%にとどまった。
習得したいスキルは？「語学」と「PCスキル」が人気
「習得したいスキル」を複数回答形式で聞いたところ、「語学(50.5%)」と「PCスキル(49.2%)」が人気を集め、3位の「プログラミング(25.0%)」に大差をつけた。
語学とPCスキルはどちらも30代での選択率が最も高く、約55%であった。また、語学の選択率は20代が40.0%と世代別で最も低いという結果になった。
習得したい・スキルアップしたいofficeソフトは「表計算ソフト」が圧倒的人気
習得したいスキルで「PCスキル」を選択した人に「習得またはスキルアップしたいofficeソフト」を聞いたところ、「表計算ソフト(60.9%)」が最も多く、次いで「プレゼンソフト(19.6%)」「ワープロソフト(13.3％)」と続いた。世代別でも全世代で表計算ソフトが最も選ばれており、特に20代で69.4％、30代で75.3％と40代以上の世代と比較して高い割合であった。
【アンケート調査概要】
調査期間：2023年10月4日～10月10日
調査対象：mitorizの消費者購買行動レポートデータサービス「Point of Buy(R)」の登録会員(POB会員)(平均年齢49.5歳)
調査方法：インターネットによる自社調査(有効回答数：5000件)
＊mitoriz調べ
文＝吉田知生
