大反響!!牛乳石鹸とコラボしたブックカバーのオンライン配布が開始!「競争よりも協業を」がモットーの正和堂書店に注目

2023/12/01 07:00
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洗い心地の良さとお手頃な価格で90年以上愛されてきている「牛乳石鹸」。製品そのものの品質の高さはもちろんのこと、レトロで印象的なパッケージデザインも人気の理由だ。牛乳石鹸のパッケージをモチーフにした雑貨も発売され、人気を博している。

牛乳石鹸共進社株式会社の看板商品「牛乳石鹸」をモチーフにしたブックカバー。牛乳石鹸のパッケージを踏襲しつつ、Beauty SoupがBeauty Bookになるなどのアレンジが効いている。栞は泡のデザイン
牛乳石鹸共進社株式会社の看板商品「牛乳石鹸」をモチーフにしたブックカバー。牛乳石鹸のパッケージを踏襲しつつ、Beauty SoupがBeauty Bookになるなどのアレンジが効いている。栞は泡のデザイン 【写真提供=正和堂書店】

そんな牛乳石鹸と大阪の書店「正和堂書店(せいわどうしょてん)」がコラボ。2023年8月に牛乳石鹸をモチーフにしたブックカバーを、文庫本購入者を対象に配布をすることに。これがSNSを中心に大きな話題を集め、即日配布は終了。反響を受けて11月からは全国323の書店でも配布を開始。12月1日(金)から正和堂書店のネットストアでの配布もスタートするとあって、全国の本好き、牛乳石鹸好きから注目を集めている。

トイレタリー企業と書店という異業種コラボがどのように実現したのか?そもそも、正和堂書店がブックカバーの配布に力を入れるのはなぜなのか?ブックカバーのデザインを手がける正和堂書店の小西康裕さんに話を聞いた。

正和堂書店の小西康裕さん。オリジナルブックカバーのデザインはすべて小西さんのデザインだ
正和堂書店の小西康裕さん。オリジナルブックカバーのデザインはすべて小西さんのデザインだ 【写真提供=正和堂書店】


フォロワー数が来店者数に直結しない現実。ブックカバーで活路を見出す

正和堂書店があるのは大阪市鶴見区。1970年に小西さんの祖父が創業し、家族で経営をしているいわゆる“街の本屋さん”だ。小西さんは最初、書店の仕事は手伝いとして関わっていた。

1970年創業の正和堂書店。一時期は本店に加えてもう2店舗あったが、出版不況のあおりを受けて今は本店のみ営業
1970年創業の正和堂書店。一時期は本店に加えてもう2店舗あったが、出版不況のあおりを受けて今は本店のみ営業 【写真提供=正和堂書店】

「いまは書店の仕事一本でやっていますが、当初は印刷会社に勤めていたので、週末のみ書店の仕事を手伝っていました。手伝いの一環として2017年ころからInstagramを中心としたSNSの運用をするようになったんです」

正和堂書店のInstagram。開設当初は写真だけの投稿だったが、最近は動画も投稿。たくさんのアカウントがあるなか、見てもらうためにSNSのトレンドを意識。「属人化することが人気につながる」と小西さん
正和堂書店のInstagram。開設当初は写真だけの投稿だったが、最近は動画も投稿。たくさんのアカウントがあるなか、見てもらうためにSNSのトレンドを意識。「属人化することが人気につながる」と小西さん

小西さんが選書、撮影したおすすめ本をInstagramに投稿。2023年11月現在でフォロワー数は約12.3万人を誇るアカウントに成長を遂げた。

「ところが、フォロワー数が増加してもなかなか来店者数にはつながらなくって。どうしようと考えたときに思いついたのが、オリジナルのブックカバーを配布することでした」

そうして制作されたのが夏に合わせてのアイスバー風のカバー。小西さんが自腹を切る形で制作費を捻出し、文庫本購入者にサービスとして配布した。狙い通り、回を重ねるごとに来店者数は増加した。海外からもブックカバーを目当てに来店する客がいるという。

「星屑のクリームソーダ」と名付けられたブックカバー
「星屑のクリームソーダ」と名付けられたブックカバー 【写真提供=正和堂書店】

「週に1〜2組程度なので特別多いというわけではないのですが、つい先日もシンガポールの方がいらっしゃいましたね。地下鉄の駅が最寄駅になるんですが、迷っている海外の方を別のお客さんが店まで案内してくださるなんてこともあります。オリジナルブックカバーの制作を始めたころは文庫本サイズでしか展開していなかったんですが、新書サイズのカバーも用意するようになったので、海外の方はコミックを買われることが多いですね。翻訳されているコミックのオリジナルを買われたいようです」

これまでにどれくらいのブックカバーを制作してきたのだろうか?

人気のレモネードモチーフのブックカバー。栞とカバーの組み合わせがお見事
人気のレモネードモチーフのブックカバー。栞とカバーの組み合わせがお見事 【写真提供=正和堂書店】

「色違いも含めると40種類ほどです。店頭ではその日につけられるブックカバーのメニュー表を掲示していて、そこから選んでもらっているのですが、一年を通じて人気なのはクリームソーダやレモネードのデザインですね」

店頭でのブックカバーは書籍購入者へのサービスという形で料金をとるものではない。費用はどのようにしているのだろうか?

正和堂書店のネットストアでの企画「10冊だけ書店」。「大手のオンライン書店が多数あるなかで、当店がネットで書籍を販売するメリットは少なく、実際販売数は少ないです。しかし、店頭ではそのよさが気付かれにくい本もあります。そうした本にスポットを当てて、お客様に知っていただく機会になればと思ってやっています」
正和堂書店のネットストアでの企画「10冊だけ書店」。「大手のオンライン書店が多数あるなかで、当店がネットで書籍を販売するメリットは少なく、実際販売数は少ないです。しかし、店頭ではそのよさが気付かれにくい本もあります。そうした本にスポットを当てて、お客様に知っていただく機会になればと思ってやっています」

「さすがに規模が大きくなってきたので、もう自腹ではないです。ネットストアを開設して、そちらでブックカバーの販売をすることで印刷代を賄っています。ネットストアでは書籍も販売しているんですが、売上数は9割以上がブックカバーですね。ネットストアの売り上げがきちんとあることで、店舗でブックカバーのサービスができています。いい循環が作れていると思っています」

オリジナルブックカバーはテレビメディアで取り上げられることもあり「本当にすごいときは1日で1万枚売れたこともありました」とのこと。遠方であったりして直接店舗に行くことができない人もブックカバーを手に取ることができ、かつ正和堂書店を知ってもらうことにつながる。そうした人が大阪に訪れた際に、正和堂書店に足を運ぶきっかけにもなるだろう。街の書店が減りつつあるなかで、正和堂書店の取り組みは確実に成果を上げているようだ。

■正和堂書店
住所:大阪市鶴見区鶴見3-6-12 コーポ みやにし
電話:06-6912-0669
時間:10:00〜23:00
休み:なし
Instagram:@seiwado.book.store
X(旧Twitter):@SeiwadoBooks
note:https://note.com/seiwadobookstore
ネットストア:https://seiwado.base.shop/

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