
YouTubeで“漫画動画”として公開されている『虚無男』は、社畜のように働くサラリーマンたちのオフィスでの出来事を描いた作品。この漫画は、“虚無化”によって頭がクマのようになってしまう社畜サラリーマン・清見向(きよみむかえ)が主人公。“虚無化”とは、おそらく清見のみが認識できているであろう心因性の現象で、一種の幻覚のようなものだ。気持ちが沈むと自身も他人も“虚無化”して見えるという。本日も昼休憩を取る暇もなく働いている清見は、絶賛虚無化中!そんなところに後輩の宮一(みやはじめ)が話しかけてきた。

「先輩…ちょっとお願いがありまして…」と話しかける宮。清見は“話しかけるなオーラ”を出していたにも関わらず、強行突破でお願いごとをしてきた。相当困っている様子だ。

話を聞いてみると、どうやらコピーを20部取ってきてほしいようだ。「忙しい感じ醸し出してんの、もしかして全然伝わってない?」と問う清見。一体、後輩の宮は、なぜコピーごときで先輩にお願いをしてきたのだろうか…?

実は宮は、大の女性恐怖症。女性と話すどころか、姿を見かけるだけで観葉植物の後ろに隠れてしまうほどの重症だった。以前、清見にその現場を見られ、宮は清見に「誰だって苦手なものはある」と励まされていた。清見は何を隠そう、大の虫嫌いだった。そこで清見と宮は「Win-Winな契約」を結んでおり、お互いピンチに陥ったときは助け合うことを約束していた。
普段は男性社員しかいないフロアだったが、この日は新商品開発のモニターとして女性社員が本社に集まっており、コピー機にたどり着くには、そのモニター部屋のそばを通り抜けないと行けない構造になっていた。
宮はホワイトボードに見取り図を描き、「コピー室までの廊下が地獄回廊になってるんです…こっちは丸腰なのに!!」と珍しく熱くプレゼンを繰り広げる。清見は「安心しろ、あっちも丸腰だ」となだめるが…その後、宮が放ったするどい切り返しが見事に決まり、プレゼンは成功を納めた。

今回紹介した『虚無男』の作者は夏壱あーる(@kyomuo_721)さん。版権キャラクターグッズのミニキャラなどを多く手がけているフリーのイラストレーターだ。サラリーマンたちの“日常ブロマンス”を描いた『虚無男』は、YouTubeで“漫画動画”としても公開しているので、そちらもお楽しみに!
画像提供:夏壱あーる(@kyomuo_721)