サイト終了のお知らせ

平素より「OneNews」をご利用いただき、誠にありがとうございます。本サイトは2024年5月15日をもってサービスを終了いたします。
サービス終了後、OneNews掲載の一部コンテンツ(ビジネス記事、マネー記事)は、
当社運営メディア「ウォーカープラス」に引き継がれますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

出汁文化の関西エリアに、九州のうどんが挑戦。「資さんうどん」が関西進出を決めた理由とは?

2023/12/15 17:30
SHARE

福岡県といえばラーメンが有名だが、実はうどん発祥の地でもある。一説によれば、県内のうどん店はラーメン店よりも軒数が多いのだとか。

そんな“元祖うどん県”で大人気なのが「資(すけ)さんうどん」。鯖節や昆布、シイタケなどから取った素材の旨味をガツンと感じる出汁が特徴の、創業47年を迎えた北九州市発祥のうどんチェーン店だ。博多のうどんとはひと味違うスープや、柔らかさの中にコシがある麺が多くの人に支持され、「北九州のソウルフード」とも呼ばれている。その資さんうどんが、2023年11月、大阪市鶴見区に出店。これが初の関西進出となる。

関西といえば、出汁文化の地域。大阪を中心にうどん人気が高く、また、最近では「はなまるうどん」や「丸亀製麺」といった讃岐うどんチェーンの勢力争いも激化している。そのようななか、関西進出を決めたのには、どのような理由があるのだろうか。

今回は、株式会社資さんの広報担当である伊藤典子さんに、資さんうどんの歴史と関西進出の裏側について聞いた。

「資さんうどん」で人気No.1の肉ごぼ天うどん。関西人はどう受け入れる?
「資さんうどん」で人気No.1の肉ごぼ天うどん。関西人はどう受け入れる?


メニューは100種類以上!「資さんうどん」誕生秘話

資さんうどんは、1976年に福岡県北九州市で生まれたうどん店だ。創業者の大西章資さんの名前から一文字取って名付けられ、創業当初から北九州で過ごす人々の食生活を支えていたという。

福岡県北九州市小倉南区にある本社ビル
福岡県北九州市小倉南区にある本社ビル


「当時の北九州は炭鉱や重工業が盛んで、3交代制で昼夜働く方が多い土地でした。『従業員さんたちが何時に仕事が終わっても気軽にお店を使っていただけるように』と、当時では珍しい24時間営業をしていたと聞いています」

今ほどコンビニエンスストアが普及していない時代、時間を問わず利用できる食事処は貴重だった。その反響を受け、現在でも多くの店舗で24時間営業を続けている。そして、メニューへのこだわりにも創業者の想いが込められているそうだ。

「毎日お店を利用してくださる方が多かったので、『うどんばかり食べていたら飽きるだろう』と、徐々にメニューが増えていったそうです。今では約100種類以上のメニューをご用意しております」

資さんうどんのおしながきを見てみると、うどん・そばに加えて丼ものにカレー、おでんにデザートと、充実のラインナップ。その中でもひと際目立つのが「ぼた餅」だ。一見、うどん店とはほど遠い存在に思えるが、なぜぼた餅が販売されているのだろうか。これにも北九州市発祥ならではの理由があった。

「昔の北九州には、労働者の方向けに屋台がたくさん並んでいたんですよ。資さんうどんが24時間営業していたのと同じように、いつでも食事ができる場所として屋台文化がありました。ただ、屋台には『酒類は置かない』という独特の決まりがあり、お酒は提供していなかったんですね。代わりに、肉体労働で疲れた方々の活力になるようにと、甘いぼた餅を置く文化があったそうです。その独特の食文化を弊社でも取り入れようと、うどんに合わせておいしく食べられるぼた餅を研究して作り上げました」

今や地元では資さんうどんの名物となっているぼた餅。年間約540万個も売り上げるほど、地元民から愛されているようだ。

「資さんうどん」で売られているぼた餅
「資さんうどん」で売られているぼた餅

「資さんうどん 新池店」
「資さんうどん 新池店」


関西初出店が決定!“出汁文化”のエリアに挑戦する理由

九州を中心に店舗展開していた資さんうどんだが、創業47年目になる2023年11月、「資さんうどん 今福鶴見店」を関西地区に初出店することとなった。しかし、関西といえば出汁文化の中心地であり、すでに多くのうどん店が名を馳せているのが現状。そんななか、なぜ関西に進出することになったのだろうか。

「九州を中心に、山口県や岡山県とちょっとずつ東のほうに展開していくなかで、関西地区にお住まいのお客様から『大阪にもお店を出してほしい』とのお声をたくさんいただいておりました。私たちの条件に合い、お客様にも便利にご利用いただける物件が見つかったため、出店を進めたという経緯です」

「資さんうどん 今福鶴見店」
「資さんうどん 今福鶴見店」


「資さんうどん 今福鶴見店」の出店場所となるのは、大阪市鶴見区にある商業施設「フレスポ鶴見」。鶴見区は大阪市の東部に位置する子育て世代のファミリーが多いエリアで、フレスポ鶴見は今福鶴見駅から徒歩5分という立地のよさも出店の決め手となった。初進出地区への期待はもちろん、不安もあったという。

「関西出店が決まったときから、『出汁やうどん文化が根強い大阪で、資さんうどんの味を受け入れてもらえるのだろうか?』と気がかりでした。まずはいち早く召し上がっていただき、おいしいと思っていただきたいなと、早めにプロモーションを行った次第です」

また、2023年7月~9月に大阪各地で行った出店イベントは、大盛況の結果に。イベント第一弾となる商業施設の駐車場を借りたキッチンカーでの販売時には、出店を心待ちにしていたファンが大勢詰めかけたそうだ。

「資さんうどん」の移動販売車
「資さんうどん」の移動販売車


そして、阪神梅田本店での催事出店では夕方には売り切れ、大人気に。週末には200人以上の行列ができ、2時間待ちの状態になるほどだった。2023年9月に出店したテレビ大阪主催の「YATAIフェス 2023」では、来場者による出店店舗の人気投票で1位に輝いた。

「出店イベントでは、既に『資さんうどん』をご存知のお客様にもたくさんお越しいただきました。『資さん』の思い出など、熱のこもったお話をお客様から聞けて、非常にうれしかったです。また、YATAIフェスでは、『隣で食べている人を見ておいしそうだったから』と足を運ぶ人も多く、お客様の投票で1位になったこともすごく自信につながりましたね」

また、「九州の友だちが絶対行ったほうがいいと言っていた」と来場を決めた人も多かったようで、資さんうどんの九州での人気ぶりを感じることができる。「たびたびSNSで話題になることもありますが、実際にクチコミで広げてくださる“資さんファン”の存在を再認識させていただき、本当にありがたいな、資さんはお客様に支えていただいているな、ということを実感しました」と伊藤さんは話す。

阪神百貨店での催事の様子
阪神百貨店での催事の様子


公式サイト:https://www.sukesanudon.com/

あわせて読みたい

人気ランキング

お知らせ