「やばい!遅刻する!!」と焦って目が覚めた経験はないだろうか?いつもより確実に部屋に光が差し込んでいて、時計を見ると起床時間をとっくに過ぎている!!「なぜだ…?なぜ目覚ましは鳴らなかった…?」とひとしきりパニックになったところで、その日が休みだったことに気づいたときの安堵感といったら…。今回の漫画は誰でも一度は経験があるだろう、そんな朝のワンシーン“あるある”をお届けする。
YouTubeで“漫画動画”として公開されている『虚無男』は、サラリーマンの日常を描いた作品だ。作者は、夏壱あーる(@kyomuo_721)さん。普段はフリーのイラストレーターとして、版権キャラクターグッズのミニキャラなどを多く手がけており、“キャラクターの魅力を伝えるにはどうしたらいいか?”を考えた結果、漫画を描き始めることにしたという。
この漫画の主人公は、“虚無化”によって頭がクマのようになってしまう社畜サラリーマン・清見向(きよみむかえ)。“虚無化”とは、おそらく清見のみが認識できているであろう心因性の現象で、一種の幻覚のようなもの。気持ちが沈んだり、ショックな出来事があったときに自身も他人も“虚無化”して見えるという。
連日連夜の残業で疲れていたのだろう…清見はぐっすりと眠っていた。しかし、おもむろに起き上がるや否や「やば…っ」「今なん…じ…」と誰もいない一人暮らしの部屋で叫ぶ。起きた瞬間に虚無化してしまう清見。かなり動揺している様子だ。
しばらくして、今日は代休をもらっていたことに気づき始める。しかし「休日出勤して…代休…今日…?」と記憶をたどるが、どこか頼りない…。「絶対休みのハズ…」と思いつつも、“休みだ”と断言できない清見。結局、不安は払拭できず、「一応誰かに聞こ…」と朝っぱらから携帯電話を片手に確認を取るのだった。残業や休日出勤には慣れっこの社畜だが、たまに休みをもらうことには体も精神も慣れておらず、不安に陥ってしまうのは社畜体質ゆえだろうか?
残業や休日出勤だけならまだしも、“社泊”することも当然の過酷な職場環境で働いている主人公とその同僚たち。そのうち、家で目覚めるよりも会社で目覚めるほうがしっくりくる日も近いのではないだろうか。ブラックな会社から宿泊費を給与天引きされないことを祈るばかりだ…。『虚無男』は、そんなサラリーマンたちの“日常ブロマンス”を描いた漫画で共感するエピソードも多い。今後の展開が楽しみである。
画像提供:夏壱あーる(@kyomuo_721)