女性会社員の“あるある”な日常を描いた漫画「OLちゃんズ日誌」がSNSで注目を集めている。ちゃー(@tyanekosu)さんがX(元Twitter)やpixivに投稿している作品は、女性会社員のみならず、サラリーマンやさまざまな人から共感を得ているが、今回はそのなかから対義語に関する素朴な疑問についてお届けする。
OLの桃が腕を組んで何かに悩んでいた。隣の席に座る千鶴は何かトラブルが発生したのかと心配し、声をかけると、とても悩ましい問題があるという。
「よかったら聞くよ」と言うと、「人の秘密とかむやみに喋らないことを『口が堅い』って言うじゃん?」と桃が口を開いた。何か言われたくないことを言い触らされたのかと思いきや、そうではなくて…!
桃は、その対義語が「口が軽い」というのが納得がいかないらしい。桃いわく「なんで『口が柔らかい』じゃないの?」。言われてみれば、「口が堅い」の対義語は「口が柔らかい」、そして「口が軽い」の対義語は「口が重い」であってほしいところだが…なぜだろうか?
日本語での「口が重い」は“口数が少ない、言葉数が少ない、寡黙である”という意味で使われており、“秘密などを軽々しく他言しない”という意味で用いられる「口が堅い」とは意味が異なる。よって、「口が堅い」と「口が軽い」が対義語として成り立っている。もともと「口が軽い」の対義語は「口が重い」だったが、時代とともに言葉の意味が変わり「口が堅い」が対義語になったという説もあるが、確かではない。
ちなみに、実際、お隣の国の韓国では「口が軽い」の反対は、「口が重い」らしい。また、英語では「口が堅い」の表現のひとつに「tight-lipped」がある。直訳すると“堅く結ばれた唇”となり、秘密を守るという意味が込められている。そして、その対義語として「loose lips」がある。「loose」には“ゆるんだ”や“締まりのない”という意味があるので“ゆるんだ唇”となり、英語では、「口が堅い」の対義語として(柔らかいではないが)「口がゆるい」が使われている。
普段何気なく使っている日本語にも、ふと考えると疑問や発見があるので、これを機に矛盾した対義語がほかにも存在しないか探してみるのもおもしろいかもしれない。今回紹介した漫画のほかにも、“OLあるある”を描いた漫画を多数収録しているので、ぜひほかの話もチェックしてみて。共感できる話がきっとあるはず!
画像提供:ちゃー(@tyanekosu)