幼少期から漫画家にあこがれ、現在はWeb広告関係の仕事をする傍らで個人の作品を執筆し、ブログやSNSに公開しているまくべす(@maxvess3)さん。社畜のように働かされるサラリーマンの日常を描いた漫画『目指せ！日本一の社畜！ぬこリーマン』は、妙にリアルなネタが共感を呼び、好評だ。今回は休日にまつわる「週休2日」と「週休3日」の2本の漫画を紹介する。果たして社畜たちが働く会社に週休3日のシステムが導入されることはあるのか!?
今回の漫画の1本目「週休2日」は、1987年(昭和62年)までさかのぼる。とあるブラックな中小企業の社長室に管理職の社員が飛び込んできた。「たいへんです！社長！」と慌てている社員。「政府が労働時間を週40時間に減らす方針だそうです」と社長に報告すると「なにぃ!?」と社長も立ち上がって驚く。
「これはいかんっ」とすぐに筆を執るブラック企業の社長。何をするかと思えば、週休2日に反対する文書を新聞に投稿しようとしていたのだ。
それまでの労働時間は労働基準法で「1日8時間、週48時間」と決められており、休みは週1日で多くの企業では日曜日を休日としていた。それが1987年(昭和62年)の改正により法定労働時間を「週48時間」から「週40時間」へ大幅に減らすことが決定！だが、一気にすべての企業が労働時間を減らしたわけではなかった。「労働時間等に係る暫定措置に関する政令」によって、段階的にゆっくりと各企業は週40時間へと移行していき、1993年(平成5年)の労働基準法改正時に週40時間制が正式に実施されることになる。
時代はグンと流れ、令和の現代。“昭和の価値観”を引きずっているいわゆるブラック企業に勤めるぬこリーマンは驚いていた。「週休3日？そんな会社が実際に存在するのか!?」、社畜であるぬこリーマンには到底信じられなかった。「そのうち普及するかもね」と楽しげなウサリーマンに対し、社畜として立派に育て上げられてしまったぬこリーマンは困惑顔。休みが増えることを喜べない思考になっているようで、なんとも嘆かわしい…。
実際、日本でも週休3日制度を取り入れている企業は存在する。また、週休3日制度は欧米を中心とした世界で拡大していく兆しにあるが、日本と欧米の週休3日制度には大きな違いがある。それは世界が推進しているものが「労働時間は減るものの給料は維持する」制度に対し、日本は「労働時間が減る分給料も減らす」もしくは「週休3日にする代わりにほかの日の労働時間を増やす」といったものとなっているようで、日本の制度にはまだまだ問題が垣間見られる。
また、日本では来年2024年(令和6年)に、建設業の週休2日制度の“義務化”がスタートする。人手不足により日常的に長時間労働が強いられる建設業界。この義務化によって若年層の働き手を取り込めるようになるのか、今後に注目したい。
サービス残業やサービス休日出勤は当然の会社で働く、悲しいサラリーマンの“あるある”を描いたまくべすさんの漫画は、SNSで新作を随時更新中。今回紹介した話のほかにも、社畜には共感できる話が多いので、ぜひ読んでみて！
画像提供：まくべす(@maxvess3)
