幼少期から漫画家にあこがれ、現在はWeb広告関係の仕事をする傍らで個人の作品を執筆し、ブログやSNSに公開しているまくべす(@maxvess3)さん。社畜のように働かされるサラリーマンの日常を描いた漫画『目指せ!日本一の社畜!ぬこリーマン』は、妙にリアルなネタが共感を呼び、好評だ。今回は飲みの席での謎ルールと言われている“乾杯の儀式”に関する漫画を紹介する。
ぬこリーマンとウサリーマンが取引先と飲み会を開催していた。全員の手元にビールがそろったところで、これから楽しい宴の幕上げかと思いきや、この後、なかなか宴会が始まらない事態に陥ってしまう。
「ではカンパイ」とぬこリーマンが音頭を取り、取引先の人とグラスを合わせようとしたところで事件は起こった!ぬこリーマンが相手より下げてグラスを合わせようとしたのを取引先の人は見逃さなかった!
「いえいえいえ」「いやいやいや」とお互いが“下のポジション”を譲らぬ、逆マウント合戦が始まってしまった…。「目上の人よりグラスの高さを下げる」という乾杯時の謎ルールについては、昔に比べ退化していってるものの、まだ根強く“マナー”として残っており、肯定的に感じる人は少ないもののとりあえず実践している人が多い。一部では、さらに「両手を添える」や「片手はグラスの下に添える」などの追加マナーも存在するとか。
そもそも、この謎マナーの起源とは…?調べてみると、乾杯の際に杯をぶつけるマナーはもともと日本には存在せず、初めて乾杯文化が日本に入ってきたのは幕末の1854年だと言われている。イギリスと日本間で結ばれた「日英和親条約」の締結を記念する晩餐会の場で、スコットランドから派遣されたエルギン伯爵が日本の井上清直にイギリスの文化として教えたのが始まりといわれている。昔のヨーロッパでは宴会時に毒を盛られることが横行していたため、その予防としてグラスを強くぶつけ、グラスの中の酒がお互いに入るようにしていたという説や、キリスト教文化圏ではグラスを合わせたときに鳴る音で“悪魔払い”していたという説もある。
もともとの日本の歴史では、乾杯時には杯はぶつけず、自分の目線の高さに掲げるという風習だった。そもそもグラスをぶつけること自体がマナー違反とされる場面も多く、現代でもワイングラスのような割れやすいグラスの場合はNGで、結婚式のようなフォーマルの場でもグラスをぶつけて割ってしまうと“関係にひびが入る”に通じるためマナー違反とされているので、むしろこちらのほうを覚えていたほうがいいかもしれない。
サラリーマンのあるあるを描いたまくべすさんの漫画は、SNSにて新作が随時更新されている。ほかにも、共感できる話が多いので、ぜひ読んでみてはいかがだろうか。
画像提供:まくべす(@maxvess3)